2016年3月18日金曜日

無題

10年近く一緒に仕事をさせて頂いて、イロイロなことを教授してくださった建築設計デザインの先生の忘れられない台詞がある。
「モノを創るということは、創造するものを言葉で説明できるだけではダメで、絵に描いたり、多くの人に伝わる文言に落とし込むことができなきゃいけない。そうすることで気付かなかったコトが見つけられるものです」
 夭折した先生を語るうえで、欠くことのできない形見のような言葉だ。視覚的にアウトプットして、客観的に観察、そうして更に細部を構築せよという物事のクオリティーの高め方を言い表している。僕の詰めの甘さやいい加減さを指摘されているようで、反芻するたびに背筋を伸ばす想いだ。
 世界的な物理学者が黒板に書き記してある数式をみて「誰じゃ、こんな間違いをした輩は!」と言ったとか言わなかったとかあるでしょ。自分で書いたものなのに。これは得てして日常にたくさん潜んでいて、この確認や反復の作業を怠ってはならないという戒めなのだ。
 いつか何かに残しておこうと思っていたので、ここに記す。

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