2023年9月25日月曜日

疲労感大を抜けシティ対策。2023.9.18~9.24

 おそらく佐渡トライの、あるいはこの夏の疲労だろう。先週から突如、強い倦怠感に蝕まれパフォーマンスを落としてしまう。特に今年は異常な外気温であり、できるだけそれらを避けてトレーニングしていたが、本番のレースで上乗せした疲労が現れてしまったのかも。新潟シティに自力を出せる状態にはしたいものだ。

★トレーニング備忘録
9/18(祝) 疲労感大。朝食、睡眠、昼食、睡眠とありえないぐらいダラダラ過ごす。そして時間と共に筋トレの筋肉痛も加わり身体が鉛のよう。ここにきて一気に疲労が出るなんてあるのだろうか?

9/19(火) 毎日飲まなければならない各種成人病の薬を切らしてしまい、この日、会社を早退して掛かりつけ医のもとへ脚を運ぶ。体調も絶不調なので診療のついでに採血もやってもらった。すると先生どうしたの?珍しいねと驚かれる。

9/20(水) 早朝、筋トレ(バランスボールクランチ、デッドリフト、ダンベルフライ、プレス)。終業後はジム。スイム&トレミ。スイムは100m100秒切りを目安に眺めレストのインターバル、トレミはスロジョグからキロ5分20秒程度まで。

9/21(木) 終業後ジムへ。ストレッチからトレミでジョグ。

9/22(金) 頑張り過ぎて調子を落としたくないので休養。

9/23(土) 早朝ロード。新潟シティマラソン対策の中距離走。この日は調子に任せつつやや苦しめな感じで入って20kmまで。アベレージでは5分半と少し。

9/24(日) 早朝ロード。前日よりもゆっくり入ったつもりだが5分20秒を前後する。20km過ぎからペースが落ちたのでキリのいいところでヤメ。調子任せで結果的に前日よりも10秒早いラップを刻んだが最低目標としていた25kmには届かなかった。
 前年に似た仕上がりをイメージしているが担保となる30km走をしていないので強気にはなれない。この週末のように後半上げる中距離走がフルマラソン対策には本当に必要だと思った。AT閾値のペース走と20~30kmあたりの距離を踏む工夫をしなければ。シティ以降も予定はあるので、左足の調子をみながら積み上げたい。
休日を楽しみ、夕方は筋トレ(デッドリフト、ダンベルフライ、プレス、バランスボールクランチ)。デッドリフトは次回から増量したい。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
18(祝)19(火) 休養
20(水) 朝 筋トレ(10) 夕 スイム1.0(18)、トレミ7(37)
21(木) 夕 トレミ10(59)
22(金) 休養
23(土)  ロード20(111)
24(日)  ロード23.5(129) 夕 筋トレ(15)
9/18~9/24(km)S1.0R60、Re3

2023年9月18日月曜日

2023.9.11~9.17

★トレーニング備忘録
9/11(月) 佐渡から1週間が過ぎた。特別な疲労を感じることはなく、次なる目標の新潟シティに視線を向けようと思いつつ、この日、ダイナミックストレッチからのインターバル泳。前日映像でみたスイマーのクロール動作、エントリーやグラインドをマネてみる。明確なにかは感じられないけれど、自分の泳ぎを進化させるにはよい機会だろう。この日のプールはなかなのプレッシャー。元競泳選手などがいらしてそちらも参考になる。100m100秒があっさり出たので気分を良くしてキリのよいところであがる。アクティブレスト的なトレーニングだった。

9/12(火) 終業後ジムへ。肩甲骨まわりを簡単にストレッチしてからのトレミ、ビルト走。締めにサウナで汗を取る。

9/13(水) 早朝ワンコズのお散歩のあとに筋トレ。ターゲットは胸、肩、腕。ダンベルプレス、フライ、キックバック、サイドレイズ。夕方、終業後はジム。前日同様ダイナミックストレッチからトレミ。しかしハンガーノック状態のような状態になり、走っている最中に前後不覚となり途中棄権。炭水化物を抑え気味にしているせいだろうか・・・。

9/14(木) 終業後ジムへ。ストレッチからエアロバイク。佐渡前の調整でも30km/hがなかなか出せないでいた。この日もそうだった。本番も良くなかったことを思うと、左の足首の状態が少なからず影響しているのかな?と思ってしまう。気分店転換にスイムを少し。

9/15(金) 休養

9/16(土) 早朝ロードへ。キロ6分くらいで入ったがとても辛い。5分半前後で粘るが9kmあたりで脚を止め、ペースを落として帰路へ。

9/17(日) 再び早朝ロードへ。前日よりも少しペースを落とすも全然いいところなし。とても中距離を踏める体調でないと判断してキリのよいところで止めて帰路につく。この週末は新潟シティ対策練をやる予定だったがまったくダメ。夕方、気分転換に筋トレ。バランスボールクランチ、ダンベルプレス、フライ、デッドリフト、サイドレイズまで。

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11(月) 夕 スイム1.0(17) 
12(火) 夕 トレミ10(53)
13(水) 朝 筋トレ(10) 夕 トレミ6(33)
14(木) 夕 アロバイク20(42)、スイム少し
15(金) 休養
16(土)  ロード11(62)
17(日)  ロード10(57) 夕 筋トレ(15)
9/11~9/17(km)S1.0、B20R37、Re1

2023年9月11日月曜日

2023.9.1~9.10

★トレーニング備忘録
9/1(金) 帰宅後にロードへ。佐渡トライのランでの目標ペースを意識てキロ5分半。おそらく暑さにやられてかなわないだろうが。これが最終確認となる。

9/2(土) 新潟から両津港へ2便目でお昼に佐渡に上陸。バイク自走で両津から河原田の20km。午前中にまとまった雨が降ったようで湿度高め。トライスーツとその上に着たTシャツが汗でびしょ濡れになった。

9/3(日) 佐渡トライB(S1.5、B108、R21)6時間37分37秒でフィニッシュ。すごすごとトランジションから荷物を出して、会場に近い宿でまとめ直して自走で両津港へ。
 新穂を過ぎた辺り、チャンピオンシップのエリートと思われる若者たちから、おつかれさまです!と声を掛けられる。もちろんこちらも大きな声で応対。河原田からずっとアゲインストの風にやられて苦労している最中だっただけに力を貰う。嬉しくて、清々しい気持ちになった。しかーし、目標にしていたフェリーに5分ほど間に合わなかった。次ぎの便で新潟へ向ったはじめましての方々と話を交わすことができてあっという間だった。19時の便は想像以上閑散としていた。

9/4(月) 有給休暇。夢のあとの後始末。朝夕共にワンコズ1時間超のお散歩で身体をほぐす。

9/5(火) 終業後ジムへ。手始めに筋トレから。ダンベルプレス16kg、フライ10、キックバック8、サイドレイズ5、サイドベント20を各15回の3セット。今後、上半身トレは15回を目安にそしてこまめに重量調整を行うつもり。次いでスイム。キックの際、膝を真っ直ぐにするだけで進む感じを体感。キック練習はまったくやらないので少しは取り入れなきゃね。肘や膝といった関節を真っ直ぐにすることが推進力に加わる感覚を養おう。そしてもう1つはヒップアップ。世界選手権で気がついたクロールの姿勢だ。より楽に進む技術を高めたい。

9/6(水) 終業後ジムへ。ダイナミックストレッチからトレミ。ビルト走。締めに少しだけプール。でもってサウナで汗を取る。

9/7(木) 休養。4年ぶりの開催となる地元のお祭りへ。

9/8(金) ロードジョグ、5分半目安に。

9/9(土) 早朝ロード、左脚の調子が良くないので5kmで切り上げる。午後スイム&エアロバイクで汗を流す。

9/10(日) 早朝、気の置けない仲間たちとスロジョグ15km。ぼくひとりスタミナが切れて休憩。時間を空けて5km走。


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9/1(金) ロード6(33)
2(土) 午前 バイク20(46)
3(日) 佐渡B スイム2.0(38)、バイク108(223)、ラン21(132)

4(月)  完全休養。
5(火) 夕 筋トレ(15)、スイム0.5(9)
6(水) 夕 トレミ8.5(48)、 スイム0.5(10)
7(木)  休養
8(金) 夕 ロード7(40)
9(土)  ロード5(32) 、午前 スイム1.0(18)、 エアロバイク20(43)
10(日) 午前 ロード15、5(210)
9/1~9/10(km)S4.0、B168R67、Re2

2023年9月9日土曜日

2023佐渡トライアスロンBタイプ出走のこと③

 トランジション。バイクをラックに掛けラン支度にかかった。
 ヘルメットを脱ぐと容赦ない陽射しに晒される。帽子(フラップキャップ)を被り、冷却カイロを背中ポッケに入れる。シューズを履こうとアスファルトに腰を下ろすと、じわり熱が伝わって汗が滴り落ちてきた。ゆっくり呼吸をしながらシューレースを結ぶ。トランジションは静かなのか、ぼくの息遣いしか聞こえない。暑い陽射しの下、ぽつんとひとりで佇んでいるようだ。

 今年の夏、ぼくは日中のランニングを殆どしなかったし、しようとも思わなかった。
 そもそも暑いのは苦手だ。激しく消耗する炎天下で練習するよりも、早朝、あるいはジムで汗を流すことを率先した。
 佐渡のランは陽射しの強い時間帯に走ることは明らかだったけれど、そのときだけはなんとか我慢して走ろうと決めていた。ただし準備は万全にして。
 可能な限り素肌に日光を当てないように、アームカバー、レッグカバーそしてネッククーラー布に冷感素材のフラップ(垂れ部のついた)キャップなんかも用意した。効果は薄いだろうが冷却カイロにスプレーも。そして毎度のことではあるが、アルコールやカフェインなどの脱水を促す類の制限。あとは現地のエイドを多用して乗り切ろうと考えていた。

 難関の始まりだ。ランスタートのエイドでポリバケツから杓子ですくった冷水を背を屈めて頭から被る。スポドリで水分補給をして、ゆっくりと走りだす。
 被り水の効果は陽射しにでると秒で散霧してしまう。次のエイドまで陽射しを耐え凌ぐほかない。暑い、切ない。
 そうして2km手前、早くも足が止まる。頭を垂れながら昨年を思い出す。自身で選択したリタイヤだった。しかし今年は制限時間一杯かけてゴールしてもよい環境をこさえた。身体を動かせるのならば、やめる理由はどこにもない。
 汗が滴った。歩く、歩く。歩ければなんとかなる。そう時速4kmぐらいで云々…。いや次のエイドを目標に走ろう。再び、走りだす。
 たどり着いたエイドにクラッシュドアイスがあった。たっぷりと氷の入った青いプラ製ケース、いわゆるトロ箱とでもいうのだろう、魚市場の文字に目が止まる。漁協の協力なのだろうなぁと、ぼんやりと考えながら、氷をわし掴んで帽子にたっぷりと入れて被った。トライスーツの背中ポッケにも入れた。よし、また次のエイドまで走ろう。

 我慢が効かない。脚が止まった。歩く、歩く。尿意を覚える。脱水症状の始まりか。もうすでにそういう状態だろうな。歩きながら胃の中の水気を少し吐く。よいよヤバいな、こりゃ。そうして辿り着いた3箇所目のエイドですぐさま用を足す。
 そのエイドで、ボラの、おそらく中学生ぐらいの背の低い男の子が、氷の入ったビニール袋をぼくの目の前にぶら下げる。簡易氷嚢だ。ひとつ貰う。あっ、もうひとつちょうだい。ひとつは袋を少しだけ破ってキャップに入れて被り、もうひとつは手に握った。
 走りながら体の熱を下げるには、手のひらを冷やすと良いことを思い出した。確かに、手に持った氷嚢は心地よかった。陽射しよりも手のひらに意識が向く。ときどき左、右と順に持ち替える。

 海岸のランコース、最初の折り返し地点が見える。背後には山を覆う夏の緑がそびえるようだった。あたかもこの先の道は険しいから戻りなさいとでもいっているようで、まさにそこは折り返し地点だった。

 この1周ぐらいは意地で走って、2周目は全部歩いてもいいかな。折り返し周辺の緑の景色を目にしながら、そんなことを考えたら切羽詰まっていた心がほどけて、なんだか広くなった気がした。なんでもいい、とにかくゴールだ。確固たる意思で臨めば、ゴールに辿り着ける。ぼくは携行する補給をひとつ口に入れた。

 エイドの度に氷を見つけ、持ったビニールに補充した。スポドリ補給と柄杓のかけ水はセット。梅干しも口に入れる。走行中、喉が渇いたら袋の氷を口にする。手持ちのエネルギー補給もちろんも欠かさない。
 海岸沿いのコースの所々では、幸いにして風が暑さを和らげてくれた。反面、無風の場所もあって急激に消耗した。例えるならばそこは粥の中を進むようだった。
 がまんの度を越えたらいつでも歩けばいい。走り通すという縛りは解いた。かといって、すぐには脚を止めないように踏ん張った。葛藤のループ、鍔迫り合い。何度も何度も繰り返した。

 どこまでも広がる夏空とキラキラと光る佐和田の海。周囲のアスリート、希望を繋ぐ補給エイド。無数の沿道の声援。見慣れた河原田の商店街。それら全てがぼくのトライアスロンの、この夏の総括の演出だった。
 ゴールに近づくにつれ脚が軽やかになった。終盤のランペースはずいぶん上がっていたと思う。終わりがみえる頃がいちばん楽しい。疲労を凌駕する達成感を得るために毎年ここを訪れているのだ。

 フィニッシュ直前の茶色の土のグラウンドに入ったとき、一瞬、顔がクシャクシャになった。1年越しの想い。フィニッシュゲートを真向かいにした直線、ぼくは口角を上げ笑顔をつくった。
 そしてフィニッシュ台。トライアスロンとして4年ぶりのゴールテープを両手に掲げた(Finish Time 6時間37分37秒)。
 
大会に関わったすべての方々、そして再びゴールテープを切ることを応援してくれたすべての人々。そして佐渡滞在中に関わったすべての人々に感謝を捧げます。
みなさんのおかげで完走することができました。ありがとうございました。
また来年もよろしくです。(了)

2023年9月8日金曜日

2023佐渡トライアスロンBタイプのこと②

 スイムタイムの看板に従い、ぼくは30〜40分の後方あたりの砂浜に腰を下ろした。ゲストの松田さんを紹介するアナウンスのあと、彼は波打ち際沿いに移動しながら選手とタッチしていく。偶然ぼくもその列に居合わせてタッチのご相伴に預かった。松田さんの背中はあいからず広くて大きい。オリンピアンの後ろ姿に見とれてしまう。
 チャンピオンシップ出場選手の紹介では、SNSや雑誌媒体などで顔を知る太田麻衣子さんが紹介され(レース後のトランジションで少し会話ができた!)、参加者全員がスタートに着いた。少し早いかなと思いつつ、ぼくはゴーグルを装着した。そして、いつものルーティン、鼻をかむように両手を顔に当て大きく深呼吸をした。準備完了だ。
 オンユアマークの発声の後に渇いたピストルが鳴った。押し出されるように海へ入る。さぁ始まりだ。

 沖へ向かう前半、掻きのピッチに意識を廻してBPMのコントロールを心がける。接触(バトル)は少なくないので周囲にも気を配らなければならない。
 佐渡トライのスイムはコース最内に小さなブイを結んだロープが張られているので、右ブレスの際に内を視野にいれ、周囲の選手の様子と合わせると進行方向を予測できる。ヘッドアップは必要だが、7月の佐渡OWSよりずっと少なく済ますことができた。
 岸へ向かう後半はストレッチタイムを意識する。浜に向かう波に乗るイメージをもって水を大きく掻く。ヘッドアップして目印の電波塔を確認しつつ内へ移動、ロープ横に位置を取った。同じことを考える選手と幾度となく接触したが、蛇行を最小にできるメリットはあったと思う。
 スイムの接触は背筋、腰周りや下肢が力んでしまい、背中の丸みを失ってしまう。それに脱水気味の状態ではちょっとしたことで痙攣を引き起こす。スイム後半の接触は注意が必要だ。

 浜に近づくにつれて海底が近づいてくる。いつものようにギリギリまで掻いて、砂底を叩くようにして立ち上がる。波打ち際が近かった。少しよろけながらゲートを通過すると、左側の柵越しから拍手が聞こえた。
 キャップ、ゴーグル、耳栓、上着。ひとつひとつ装備を外しながら敷設されたマットの上をかける。海水の浮力が抜けきらぬ身体感覚が陸の重力を受け入れていく。この独特な浮遊感はトライアスリートにとって尊い時間だとぼくは思った。


 バイク序盤にかなりの苦戦を強いられる。国仲バイパス、風はアゲインスト。両脚のハムが動いてくれない。スイムで思いのほか消耗したらしい。脚が強張って上手く制御できない。2本の丸太棒をぶら下げているかんじだ。もしかして背中からきてるの?ハムのあたりをグーでこづいたりした。
 乗っけからこの状態はいままでにない。すごく辛い。気持ちよくペダルを踏めないし、身体そのものにも力が入らない。するとネガティブ思考がバンバンと湧いてくる。ここぞというばかりに心を折りにかかってくる。もうここで辞めてもいいんじゃない?辛いんだから…。
 雲が陽射しを遮ってくれていた。用意した補給のいくつかを喉に押し込む。今、ぼくができることといったら補給を入れて我慢することぐらいだ。スイムの消耗は予想以上と考えたほうが良いのだろうか。

 住吉あたりの坂は無難にやり過ごした。元気なときはグイグイいけるのだけど。
 30km通過で平均時速は30km/hを余裕で下回っていた。この頃ようやく補給が効いてきたのか、それともフォローの風のおかげか、何となく調子が上がってきた。

 最初のエイド補給を受け取る。手持ちの飲み物より格段に冷たくて、喉を通ったあとに体内で爆発的に清凉感が広がるようだった。清凉飲料のコマーシャルみたいに。それが合図のようにスピードに乗る。それまではただ抜かれるだけだったが、他を追い抜き始めた。流れを掴んで一気に小木まで進んだ。時間の経過とともに陽射しは力を増していく。身体に入れるよりも浴びるほうが必要になる。

 小木の坂。苦手意識の強い登坂だ。右手に現れる柿の看板まではガマンと思ってペダルを踏んだ。陽射しに晒されて頭と身体が必要以上の熱を帯びていく。オーバーヒートするので、ギアを下げてセーブする。遅くても進めばいい。西三川も無理せずに進む。そこを抜ければ、あとは・・・と思いきや、向かい風なのか速力が上がらない。消耗からくる出力低下も否めない。残り10km。ぼくはサドルポジションをさらに前に取って、平地に関わらず体重を使ってペダルを漕ぐ。するとその体勢もよかったようで、辛く感じていた腰の痛みが和らぎ、速力が戻った。
 再びトランジションに戻ってくることができた。想像よりも閑散として、陽射しに照らされたトランジションはいつも以上に眩しくみえた。ぼくは降車して自分の場所へバイクを押した。(つづく)

2023年9月7日木曜日

2023佐渡トライアスロンBタイプ出走のこと①

 9/2(土)の佐渡ジュニアトライアスロンは熱暑の続く天候のために中止となり、日曜の大会にも何らかの対応があるのではと憶測が飛ぶ。9/3(日)の予報最高気温は34℃。きっと参加する選手誰もが固唾を呑む想いで運営の発表を待っただろう。
 ぼくは炎天下でのレースは是が非でも回避したかった。朝からピーカン、おひさまサンサンでは確実に熱にやられてしまうだろう。昨年の如くリタイヤしかねない。ならばいっそのこと天候(気温)が思わしくなかったら、こちらからDNSを申し入れることもあろう。が、そうはいっても昨年のこの大会のことが頭から離れない。なんとかならないものと願うばかりであった。
 また良くないことは重なるもので、レース目前にして左足首に水が溜まり、足首の自由が奪われる。火水曜は仕事終わりに整形外科で診てもらう。2日間両日とも、くるぶしに打ち込まれた注射針から吸い上げられる黄色がかった透明の液体は、ぼくを弱気にさせ不安に陥れた。左足首を自在に動かせない。あらゆる動作に違和感が、場合によって痛みが伴った。さらに地味な嫌がらせで左腕のGarminには「アンプロダクト」の表示が・・・。
 昨年、自らの意思でラン途中でDNFを選択したことに、果てしない後悔を感じていた。判断は間違っていない、頭ではそうでも心は違った。二律背反。そういう気持ちでずっとこの1年を過ごしてきた。今年は是が非でも完走したい。しかしそんな願いとは逆に立ちはだかる事柄でこころが揺らぐ。


 「国際」と銘打ち日本最長の距離を謳う佐渡トライは、津々浦々の猛者が集う大会だけに、運営は難しい判断を迫られていただろう。
 水温30℃外気温30℃になると競技の熱中症の発症率がぐんと上がるらしく、その辺が判断の肝だったと推察された。
 そして、関係各位の願いが天に届いたのか、前日の午前中にまとまった雨が振り、終日に渡って空を覆った雲が高止まる海水温を冷やしたのか、大会当日早朝、承知のように予定通り開催の発表があり、界隈で歓声が湧いた。
 予想最高気温は32℃。暑いことには変わりない。が、何かしらの工夫で乗り切れそうな具合になった。

 大会前日、お昼を過ぎた頃、ぼくは宿泊する河原田に汗だくになりながらバイク自走で到着した。選手受付やレース用の補給の買い出しなどを済ませ宿にこもる。ドミトリーなので、必然的に他の宿泊者と挨拶を交わす。当然のように、ほぼ全員が大会に関係する面々であり情報交換に花が咲き、あっという間に時間は過ぎていった。
 トライアスロンはそれぞれに立てる目標をお互いに尊重し合う傾向が他の競技よりずっと強い。自身に克つ。全てがここに収束する。それさえわきまえていれば気持ちよく話せるというのはそうはないだろう。この競技の良いところのひとつだ。
 夕刻。先月参加したOWSの際に、この日のもろもろをお願いした食堂に足を運ぶ。こちらからの一方的なお願いだったので、一抹の不安はあったが、それは全くの杞憂だった。
 しっかりとした朝食のお弁当を準備していただき、補給には事欠かない状況が完成した。そしてまた地元の方々と様々な話題に花が咲き、心の和むひとときを過ごすことができた。
 こちらに宿泊するようになって、僅かだが人との繋がりを持つようになった。この街の人々は我々アスリートに寛容だ。話し込むとわかるのだが、近所の方々は良い意味で平坦で、競技自体にはあまり興味はないのだけれど、夏の終わりの風物ではあるらしい。ぼくにとっても、声援をおくる彼らにとっても、この格別に暑い夏の特別なおもいでになればいいなぁと思った。

 当日。am3:00過ぎには目が覚めて、 am4:00前には朝食の席についていた。同じBタイプに参加する面々とお話をしながらの食事は時間を忘れた。それにしても不思議なぐらい緊張感がない。海に湧くクラゲ情報、左足の痛みと今日の気温、まるで気にならない。おいお前、ちょっと危ないぞ、もう1人のぼくが警告する。多少の緊張はあった方が無難だぜ。予期せぬ出来事で、簡単に折れてしまう精神領域に近づいているのを教えてくれる。諦めたら終わり。ゴールへの執着。心昂ぶるともしびは点っているのだけれど、どうも火力が小さい。冷静と情熱のバランスがほど良いのかもしれないが。
 宿をあとにしたのはam5:30過ぎ。ぼくが最後だった。いってきます!女将に送り出され、バイク自走で会場へ向かった。

 今回もリアライトと警笛鈴の装着を確認された。もちろん入場は問題なし。トランジションのセッティンク、に選手受付を済ませ、そしてお待ちかね、同じチームジャージをまとったK夫妻とのご対面、実に4年ぶりだ。ひと眼みて仲間とわかる存在は頼もしい。
 そのKさんと共に試泳会場に入る。もうこれで外には出られない。スタートまで40分。砂浜を照らす陽射しに力が増し、暑くなりそうな気配しかない。波がほとんどない海には、先立のAタイプの選手が泳いでいる。
 やはり高揚も緊張はなかった。号砲が鳴ったら作戦通り泳ぐのだ。まずはそれからだ。ぐるり1周してしまえば良いのだ。今のコンディションならおそらく自己ベストは出せるんじゃないか。いや出す。心のともしびがちょっと大きくなった。(続く)

2023年9月1日金曜日

佐渡、直前週のこと。2023.8.28~8.31

 8/31(木)佐渡トライのHPで9/2のジュニアトライアスロンの中止の発表を知った。中止の理由は暑熱環境とのこと。翌9/3(日)の大会にいては当日am4:00~実施検討すると合わせて記してあった。

 ・・・かつての佐渡トキマラソン、暴風が予想される中開催され、レース途中で中止が発表されたマラソン大会を思い出す。ぼくはゴールまで残り3kmぐらいで宣伝車のアナウンスで知り、ゴールに飛び込むことができたのだが、問題はその先、帰りの渡航便がすべて欠航になり、佐渡に渡航して大会に参加した人々のすべてが足止めされたのだった。ぼくは民宿で一泊して、翌日の始発フェリーで新潟に戻り、家内に着替えをフェリー乗り場まで持ってきてもらい出勤した。それ依頼、ぼくはトキマラソンには参加していない。

 下衆の勘ぐりと言われても仕方ないが、とりあえず佐渡には来いということか。いやいや開催しようと努力しているに違いない。しかし、この気温で充分なパフォーマンスを発揮する自信はない。無理もしたくないし、きっとできない。なので前日の受付でDNSを申し入れる可能性だってある。そもそもスポーツは自己判断と自己責任そのものなのだ。なので、絶対に後悔しない判断をするつもりだ。

 ・・・さて、今年で7度目の佐渡B。毎年、走破タイムは6時間以内!を掲げているが、今年はきっぱりあきらめて目標は以下の通り。
 スイムは50mを57,8秒のアベレージで38分台、バイクは30kmちょいぐらいのペースで3時間25~30分。気温が31,2℃ぐらいまでならなんとかなるか。但し、バイク70km地点、小木の坂あたりで体調がヤバイ場合は完走モードに切り替えて無理はしない。西三川あたりでも同様だ。
 最後のランは・・・うーん、まったく読めない。首尾よくすすめばAM11:40分辺りから走りだすのだろうが気温はピークに違いない。アベレージキロ6分30秒ぐらいなら2時間17分から20分ぐらいか。そしてそこにトランジションを計5分とすると合計6時間33分。そうかけ離れた見積もりではないと思うけれど、前年ランでリタイアしているので大口は叩けない。
●スイム2km 38分台 (58s/50mペース)  …440kcal
●バイク108km 3時間30分 (11時40分頃にラン) …2,700kcal
●ラン(ハーフ) 2時間20分(6分30秒/km) …2,000kcal

 消費カロリ-予測は、上記の合計5,140kcal(今回もラン時の消費カロリーは大目に算出)のうち、おおよそ2,000kcalを準備したい。


●補給装備一覧

粉飴(ボトル用240g/960Kcal)、Vespa3個、ライスピュレ各種10個、各100kcal、Mag-on(120kcal)をいくつか、締めにカフェイン含有のKODA(コーラバニラ)が締めの補給か。


 尚、食事は大会前日のお昼から意識して炭水化物を多目に。ちなみに今年は前日のお昼から夕食、そして当日の朝まで同じ食堂で用意していただくものになりうそうだ。ウォーターローディングの下地として、アルコールは5日前、カフェイン(コーヒー)は4日前から摂取を中止している。

★トレーニング備忘録
28(月) 終業後ジム。レストとも思ったがスイムへ。壁キックなしのヘッドアップのスイムで50mのインターバルを20本。壁キックなしのせいで50mは頑張って55秒。ちょっとムキになってしまいタイム短縮に躍起になってしまい思いのほかBPM高めになる。

29(火) 懸念していた足首に腫れがみられ、どうも水が溜まっているようで、足首の稼働域が狭まってしまった。早速、診療の段取りをつけて、終業後に診察。踝あたりに溜まった水を抜いてもらって足首は動かせるようになったが痛みは消えない。もちろんトレはお休み。

30(水) また再び足首が腫れあがる。放っておこうとも思ったが、いやもう一度水を抜いてもらおうと思い再び治療。休養に充てる。

31(木) 終業後ジム。ダイナミックストレッチ、エアロバイクからトレミへ。足首に鈍い痛みがあるので、慎重に身体を動かしてみる。やりすぎて痛みがぶり返すのは嫌なのでコンパクトにまとめる。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
28(月) 夕 スイム1.0(18)
29(火)、30(水) 休養
31(木) エアロバイク20(43)、 トレミ3(18)
8/28~8/31(km)S1.0、B20R3、Re2

2023年8月のまとめ

 座右の銘。
 人に尋ねたことはないのだけれど、ぼくは尋ねられれば森羅万象に多情多恨たれ」を挙げる。
 若かりしき頃のこころの師匠、開高健(カイコウケン)の文章に幾度となくでる言葉で、たしか武田泰淳(タケダタイジュン)からの引用だったと記憶している。
 「世の中のありとあらゆることに関心を寄せなさい」という意味で、今日ここに至るまで、この銘に従って生きてきたといっても過言ではない。

 齢五十を過ぎてさまざまに物思いに更けることがある。Everthing is gonna be alrightとはいかない。むしろ齢を取ってからの方が考え込むことが多くなったかもしれない。
 そんなとき、こころの羅針盤とでも言おうか、頼れる言葉が必要になる。すると「森羅万象~」だけでは解決できない。そんなときはこの一節が頭に響く。
 「そもそも、ぼくらは人生の意味を問うてはいけない。ぼくらが人生の意味を問うのではなく、ぼくらは人生に問われている立場で、ぼくらが人生の答えをださなければならない」
 ヴィクトール・フランクルの言葉である。彼の著書「夜と霧」は世界的に有名だが、内容が内容だけに頁を開くには覚悟が必要な書物である。10代の終わり、やはり先ほどの開高師匠に導かれる、かの一連の事象に興味を持ってあれこれ読み込んだ一冊で、いまも我が家の書棚に座している。

 ぼくは日々身体を動かして、汗を流している。9月佐渡トライに想いを寄せて、あーじゃない、こーじゃないと問答を繰り返している。
 それを知る方々の大半の反応は、ストイックですねー、健康的ですねーとか、簡単な感想を述べられるのだが、ときになぜ?どうして?と質問されるのだが、それは鋭い刃を突きつけられるようで、たじろぐことがしばしばである。
 -なぜ?どうして?
 実はこの質問への答えがもっとも難しい。
 ー楽しいから。これは間違いではない。もう少し踏み込んだ場合は、辛(つら)楽しいから、と笑顔で答えることにしている。たいがいはMですねー、で会話は終了するのだが、でも実際のところは先のヴィクトール・フランクルの言葉なのだ。ぼくはいまのところトライアスロンのような物事通じて、ぼくの人生の答えを出そうとしているのだ。こんなのは素面では吐けない台詞だ。伝わり難い。自信がある。前提としてフランクルの言葉への理解と共感がなければ。

8月のトレーニング・・・Swim10.1(10)、Bike395(12)Run153(17)、Rest.8
1(火) 休養
2(水)  トレミ10、エアロバイク10
3(木)  スイム1.0、トレミ8
4(金) 休養
5(土) 朝 バイク100午前 スイム1.2、トレミ6
6(日) 朝 ロード10 午前 OWS

7(月) 朝 筋トレ  トレミ10
8(火)  スイム1.5、トレミ8
9(水)  休養
10(木)  スイム0.8、エアロバイク21
11(祝) 朝 ロード15
12(土) 朝 ロード15、午後 筋トレ
13(日) 午前 エアロ40、スイム1.0
8/7~8/13(km)S3.3、B51R48、Re1

14(月) 夕 筋トレ、エアロバイク10、トレミ7
15(火) エアロ20、トレミ7
16(水) エアロ20、トレミ7
17(木)  スイム0.6、トレミ8
18(金) 休養
19(土) 午前 エアロ20、トレミ10、スイム0.25
20(日) 午前 バイク60
8/14~8/20(km)S0.8、B130R39、Re1

21(月) 夕 バイク24
22(火) 朝 ロード6 夕 筋トレ、スイム1.3
23(水) 夕 トレミ11
24(木)25(金) 休養
26(土) 朝 OWS1.5、ロード12
27(日) 午前 バイク60
8/21~8/27(km)S2.8、B84R29、Re2

28(月) 夕 スイム1.0
29(火)、30(水) 休養
31(木) 夕 エアロ20、 トレミ3
8/28~8/31(km)S1.0、B20R3、Re2