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2026年9月11日金曜日

2026 佐渡トライアスロンAタイプに初めて出場したこと(大改訂)

 今年2026年の佐渡Aタイプは、スイムの安全性を確保できないことを理由に、1周1kmのコースを2周する2kmにスイムは距離が短縮され、バイク190km、ラン42.2kmの合計234.2kmで開催された。

 自称トライアスリートを名乗るとき、その誰もが意識するクエストが国内最長の佐渡トライアスロンAタイプである。ぼくは今のいままで出場する勇気を持てず、おおよそ半分の距離のBタイプに参加してきた。しかし昨年のBのバイクパート中に突如「Aへの挑戦」を決意した。
 降り注ぐ陽射しが小佐渡の海原に反射して、キラキラ輝いて眩しかったのを覚えている。裡に秘めるA参戦への想いに、何故そのタイミングで腹を括れたかはよくわからない。脳内麻薬のなす衝動だったのかもしれない。

 Aタイプ出走準備として手始めに行ったのは機材購入だった。昨年11月にバイクの試乗を含め、ショップの皆さんと意見を交わし、あらたな決意を形にしたバイクは今年3月に納車された。
 しかし、その頃は板橋マラソンと宮古島トライを怪我で棒に振って、失意の時を過ごしていた。新車に跨ったのは4月下旬、GW付近。そこから本格的にAタイプ攻略にむけたトレーニングを開始した。
 週末100km超のバイク走にブリックラン、暑い日の屋外LSD走、バイクコースの実走にOWSなどひと通りこなし、大会の2週間前からはしっかりテーパリングを施した。補給計画の組み立て、トランジションのシュミレーションなんかもやった。
 対策練習として、これまでの倍以上時間を費やしたと思う。容赦なく時間を持っていかれた。けれどまったくイヤではなかったし、むしろこの齢になってもそんなふうに懸命に臨める対象があることが嬉しかった。

 分水嶺は8/15のAタイプのバイクコースの実走の日だった。容赦のない陽射しに吹かない方がいいくらいの温い風のもと、大会トランジションの設営される河原田の佐和田海水浴場からスタートして、レース通りに大佐渡から両津、小佐渡へとペダルを漕いで、終盤の難所である小木や三川を経験した。
 小木の坂では、いまにも売り切てしまいそうな脚で1番軽いペダルをクルクルとまわしながら激しく後悔した。もちろん、Aタイプにエントリーしたことを。もうあと戻りはできない。どうしてもダメならそこでリタイヤすればいいと、逃げ道をつくることで気持ちにゆとりを作った。
 喘ぎ喘ぎ進み、残った脚で最後の難所の三川の坂を上ると左手には今まさに日本海に沈まんとする大きな夕日が眼前に飛び込んできた。
 佐渡には何度も訪れているけれど、そこから夕暮れる空や海を眺めたのは初めてだった。それもサドルの上で。橙(だいだい)に染まる海を横目に、クルクルとペダルを回し続ける。
 ーこのあとのフルマラソンへ繋げられるのか。本当に走れるのか。
 本番までに自分ができることといえば、バイクでの補給を見直すことぐらいだった。このときのコース実走は、ネットで約7時間、休憩などを含めたグロスで7時間半を費やしていた。

 経験が活きた。本番はとにかく補給に努めた。バイクを漕ぎ出してからはエネルギーを継ぎ足すように、早め早めのこまめな補給を行なった。もちろんバイクはオーバーワークにならないように自制しながら。
 エイド間の距離を把握して、区間毎で摂るべき補給をリスト化して実行した。AS、WSには停車してしっかり補充した。ハンドルが忙しくなくなったら何かを口にする。ペダルを回しながら次に何を口に入れるかを考えた。
 練習では使ったことのない塩タブレットを急遽取り入れたが、ちょい足しとして大いに助けられた。チームメイトの塩キャラメルをひたすら頬張る作戦がお手本になった。
 バイク終盤、真野から八幡の間ではランに備え、残った補給をむりやり口にした。

 天候に恵まれたと思う。風の影響は小さくはなかったが、風は雲を運び陽射しを防いでくれた。暑さ対策をしていた分、アドバンテージを得ることができた。
 水分補給は想定内に納まった反面、トイレで用を足さねばならなくなった。長丁場では致し方ないのか。白瀬のエイドで、ドリフのコントよろしく、呆れるくらいに止まらなかった。

 ランの補給はざっくりしていたが、ここもバイク同様、各エイドステーションの配置を距離換算して充分に水分は摂れると踏み、普段のフルマラソンの補給装備で臨んだ。実際走ってみるとエイドの間隔が長くないので水分の飲みすぎには注意をした。

 太陽が昇りはじめる6時半に佐和田海水浴場をスタート、陽の沈んだ18時半にフィニッシュテープを切った。初めてのAタイプの走破タイムは12時間4分。絶景の舞台、佐渡島を丸ごと使う贅沢な遊びだった。
 終盤の終盤の黄昏れどきのランコース、子供の頃、夢中で遊んで気がくと日暮どきを迎えた記憶がよみがえった。

ツカサスポーツさん撮影

 ぼくは確信する。長丁場の好走の鍵は補給だ。肉体的精神的疲労に苛まれても、口に入れたものをよく咀嚼して飲み込む。そうすれば身体は吸収し、出力してくれる。補給を怠らなければ動作の継続は可能なのだ。
 トライアスロンは食べるスポーツだと誰かが言っていたが、距離や時間が伸びれば伸びるほど、それが試されるのではなかろうか。汗として外へ出る水分はもとより、共に放たれた塩やミネラルを補給で取り込んで生理サイクルを再構築する力が必須だ。つまり、食べながら飲みながら長い距離を練習することが攻略の要だと思った。
 これはレース後のリカバリで知ったのだが、運動中の血液は筋肉といった機動系に回されて内臓の血流は80%程度減少する。そこに消化吸収が良いものとはいえジャンジャン放り込まれるものだからたまったものではない。さらにそれが長時間にわたるって消化吸収能力が徐々に低下し、レース後は内臓疲労の回復に努めなければならないそうだ。

 とりあえず初A出場の経緯と、この経験を通じて補給に対する考え方が大きく変わったという話でした(つづくかも)。

2026年9月5日土曜日

テーパリングと眠剤問題、週末は佐渡へ 2026.8.31~9.4

★トレーニング備忘録

8/31(月) 夕方ジムのプールでウェットスーツの最終チェック。セパレートのロングジョン派なので上着と下をマジックテープで止める箇所で肩が窮屈になったり、首に擦れが生じ泳ぎ心地に影響がでてしまうのでベストポジションを決める必要がある。
 プールで良さそうなポジションを2つほど試した結果、上着を止める位置は肺呼吸で胸を膨らましたところに決めた。500m泳(9:07)を1本やって確認する。ウエット着用しプールで泳いで気になることがあったので、次回ウエットの上着だけを着て上体の動きを確かめたいと思った。

9/1(火) 休養。レース前夜の不眠対策として処方していただいた眠剤を服用してみたのだが、これがとてもよく効いた。というかあまりにも効きすぎて、午前中頭がぼーとしていつでも眠れそうな感じ。これはイカンと、かかりつけ医に連絡して成分の半分の25mgを処方してもらう。

2(水) 前夜(火曜の夜)処方していただいた25mgの眠剤を前回服用した時刻より2時間ほど早く飲む。その40分後、ゆるやかに眠気に襲われたので、眠る態勢についてそのまま就寝。その1時間後ぐらいに帰宅した子供らのドタバタ音(翌朝、帰宅時刻を確認)は夢うつつのなかで聞いた。
 翌朝の起床時刻。前回同様に眠気が強い。半分にしても効果が残った。予定通り朝活ジムへ。トレミの乗ったが30分走でヤメ。汗流しの入浴も眠気が消えずに湯舟でボーッとしてしまった。午前中も割と眠気が強く、お昼休みをすべて睡眠に費やしたところようやくスッキリした。
 そして夕方、ジムプールヘ。500m泳1本とウエットの上着を着て泳いでみる。プカプカ浮くだけならともかく、下も着用しないと機能しないことに気がついたので早々にヤメ。
 夜、就寝前。例の眠剤をさらに半分ぐらいにして飲んでみようか考えたが、この日は飲むのを止める。
 眠剤を服用しなかったので3度ばかり目が覚めた(普段よりも多い)。あらためて薬の効き目を確認。自力で眠るかはたまた薬に頼るか思案してしまう。

3(木) 朝活ジムへ。ブリック練、エアロバイク25分漕いでからのトレミ2㎞の40分弱。終業後、佐渡へ向けたささやかな決起会を開催。沖縄那覇から参戦するMさんが主役の会だ。彼は中心街の夜の街を歩く人の少なさにとても驚いていた。
 いつもよりずっと遅い時間に帰宅したので、思い切って例の眠剤をだいたい半分にして服用する。さらに今回は耳栓を着用。服用から20分も経たずに眠りに落ちた。また深夜は2度ほど目覚めたが、その割によく眠れたと思う。朝はこれまでよりはスッと起きることができたが、帯に短し襷に長しというか、レースの前日に服用するのには少しためらっている。

4(金) 休養。荷物の最終確認。

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8/31(月) 夕 スイム0.85(15)
9/1(火) 休養
2(水) 朝 トレミ5(30) 夕 スイム0.8(15)
3(木) 朝 エアロバイク11(25)、トレミ2(12)
4(金) 休養

2026年8月31日月曜日

テーパリングと走破計画 2026.8.24~8.30

 佐渡Aタイプについて考を巡らすと不安が先行してしまうけれど、できそうな範疇で完走を目指そうと計画を立てたら心が軽くなった。辛いことや起きてほしくないことを挙げつらねるのでなく、たとえばフィニッシュシーンを想像する、レース中に仲間たちと声を掛け合う、はたまた補給が身体に染みる、かけ水がひゃっこくて生き返るぜーとか自身の鼓舞につながる物事を並べて、そこ(佐渡A)にしかない特別な時間を過ごせるのだと思うと、そこはかとなく楽しそうに思えてくる。要は気の持ちようなのだ。頑張りながら楽しもう。そんな佐渡Aタイプの完走目標と予想カロリーは以下のとおり。

●Swim 4km 1時間20分(60s/50m) …1,000kcal
●Bike 190km 7時間 …3,000kcal
●Run 42㎞ 4時間50分(7分/km) …2,600kcal
●T1,T2を各5分として、FINISHは13時間20分。

補給計画
 Swimはお守りとしてVESPAをひとつ忍ばせる。T1に向けて移動している最中に消費したい。T1ではおにぎりをほおばりながら自作の補給ドリンク(400Kcal)を口にしつつ、お股にシャモアクリーム増しましの作業をして、でっぱつ(出発)したい。

 バイクは補給ドリンク2本に掛水1本、Vespa2、エネ餅3、Mag-on3個、カフェイン入りマウルテン2に今回初の錠剤の胃腸薬、先輩アスリートの話を参考に携行する。
 WS,ASの配置についてみると距離は20~29㎞間隔で配置されている。難所とされている区間については状況に応じて補給を手厚く準備しておくのが無難。

 バイク道中の予定。相川WSはスキップ。手持ちでしのいで高千ASでおにぎりとボトル補充、鷲崎ASでもおにぎり、ボトル補充したい。
 両津手前の白瀬WSでボトル補充、ここで手持ちのVESPAとマウルテン注入。水津ASでボトルとおにぎりを。多田(オダ)WSでボトル補充すれば小木までは問題ないだろう。
 小木ではボトル補充、おにぎりをなんなら2つ入れるかも。そして小木坂を越え真野まで残りの補給、VESPAとマウルテンをすべて入れててランへ臨みたい。
 早め早めの補給を心がける。ボトルはスポドリもさることながら水がほしい。当日の気温で水分補給の内容は変化するけれど、先のコース試走から勘案するとこれぐらいは欲しい。

 続いてラン補給。T2で胃薬(顆粒)にバナナやおにぎりといった固形物と胃薬を入れつつランに向かいたい。ラン用ポーチにVespa、Mag-on2、カフェイン入りマウルテンを準備。
 本部、窪田、沢根、本町の各AS、WSは1.7~2.7㎞に配置されていることを理解。ミニボトルと氷を袋に入れて持って走れる準備をしよう。

食事
 ウォーターローディングとしてアルコールとカフェインは4日前ぐらいから控えて摂取をやめる。大会前日のお昼から炭水化物多目、夕飯は午後6時半に頃に食べ、同時にマウルテン320を入れる。
レース当日の朝は3時起床ごはん多めの朝食を摂りたいと考えている。


★トレーニング備忘録

8/24(月) 朝活ジムは週末の疲労抜きとしてお風呂とサウナ。夕方はジムプールで500m×3本、いずれもほぼ9分。最後にヘッドアップ練を入れる。

25(火) 朝活ジム、トレミ。ゆっくり入ってサブ4ペースはいつの流れ、ラストはランパート想定ペースで。非常に気持ちよく走ることができた。夕方はジムプールへ。アップのあとに500mを1本、辛くも9分ギリ。距離合わせして終了。

26(水)  完全休養に徹し、ノートレを楽しむ。心が広くなる。

27(木) 朝活ジムはブリック練。エアロバイク40分漕いでからのトレミ3㎞。終業後はスイム、非常に混雑していてノンストレスで泳ぐのは難しい状況だったので、アップ的に泳いでレーンが空くのを待った。タイミングよく人がはけたのを狙った500m泳は8分40秒台。頑張ったこともあり50秒台を切れたのは嬉しかった。距離合わせして上がる。

28(金) 完全休養日。Gemininに7、8月の練習内容を読み込ませ、レースまでのトレーニングスケジュールを具体的に問うてみると、とにもかくにも疲労抜きを提案された。わからなくはないのでアドバイスに沿ってみたい。

29(土) お昼頃に用事があるので、そこに合わせてジムブリック練。エアロバイク30㎞走にトレミ20分。気持ちよく汗を掻く。

30(日) 朝6時頃にスタートして、ロード10㎞を1時間走。曇天で気温は22℃。気温が低いとラクに走れる。この後OWSへと考えていたが、やる気が起こらず中止。惰眠をむさぼりつつ佐渡の支度に手をつける。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
8/24(月) 夕 スイム1.55(28)
25(火) 朝 トレミ8(43) 夕 スイム1.0(18)
26(水) 休養
27(木) 朝 エアロバイク18(40)、トレミ3(18) 夕 スイム1.2(22)
28(金) 休養
29(土) 朝  エアロ30(64)、トレミ3(20)
30(日) 朝 ラン10(59)
8/24~8/30(km)…S3.7、B48、R24・Re.2

2025年9月16日火曜日

第37回(2025年)佐渡トライアスロンのこと

 1.スイム

 佐和田の海の浅瀬には白波がいくつも見える。

 Aタイプがスタートする朝の海といえば、鏡面のような穏やかな印象があるが今年は違った。浅瀬には波が立ち、海面のところどころがうねってみえる。今年のスイムはハードモードだなと思った。

 波立つ海を泳ぐことより、ぼくは波酔いを心配した。かつて海で練習を始めた頃、二日酔いみたいなひどい波酔いを経験してから、海で泳ぐときには必ず酔い止めを服用することにしていた。普段は1錠を割って半錠ほどで済ますのだが、今日は1錠を使うことにした。


 Bタイプのスイムチェックが始まったあたりから進行役の新田さんが

「体調が心配だったり、泳力に自信のない選手はスイムスキップの申請をしてください。無理はしないでくださいね。」と、しきりに自制を促している。安全第一のお知らせぐらいにしか気に留めていなかったが、海からの風が強まり、幾重もの白波が立つのを目の当たりにすると、時間経過とともに高くなる波を危惧しているのが理解できた。待機する選手からスイムスキップを選択するといった声も聞こえてくる。


 ぼくらBタイプの選手がスイム会場へ移動を終えた頃、スタート15分前ぐらいだろうか、審判長からスイムの距離変更が告げられた。今年のB.Rタイプのスイムは1、350mに短縮された。短縮コースは事前に準備されていたのではなく、たまたま中間付近にあったブイで周回させることで短縮対応ができたことをレース後に知った。

 ぼくは腹を括ってスタートを待っていたので距離短縮の措置に別段なにも感じないままに海上に浮かぶ目標物の説明を聴いていた。


 定刻7:30。号砲を合図に選手たちは一斉に海へ向かう。ぼくはちょっとだけ浅瀬を歩き空きスペースを見つけ海へ飛び込んだ。ひどく濁った海底を見ながら水を掻きストリームラインの姿勢で波に翻弄されてみた。波の間隔や強さを掴もうとした。波の通過にあわせて水中を進み、通過後にブレスができればと考えていたのだった。

 最初の何度かは上手く行った。しかし、今思えばそれはほんの僅かだったかもしれない。周囲からのプレッシャーを受けた途端にタイミングが合わなくなった。ブレスの最中に波に揺られると自分がどこへ向かおうとしているかが判らなくなる。ヘッドアップしても眼前には高い波が現れ視界を塞がれてしまう。その高く盛り上がった波の斜面には必死に泳ぐ選手らの姿しかみえなかった。


 波に翻弄されながら周囲の選手達から離れないように努める。すると腕の時計が振動し、スタートから10分が経過したことを伝えてくれた。自分の泳力なら一つ目のブイまであと150mぐらいだろうか。そんなあたりをつけてヘッドアップを繰り返し、ようやく視認できた周回用のブイはそう遠くはなかった。

 第1ブイを通過して第2ブイへ。ここはブイの間を繋ぐロープをつたった。第2ブイを折れて岸に向かう。ここは後ろからやってくる波に乗れれば楽に進む。ぼくは前を泳ぐリレーの選手をみつけ、その左後方につく。きっとぼくより泳げる方なのだろうと考え、先導役として利用させていただいた。


 眼下の海底にごろた岩が見えた。岸は近い。それでももうしばらくは泳がなければならないのだけど、言わずもがな沖に向かうのとは気持ちはまったく異なる。終わりがみえる。あっという間のスイムだったなと思ったとき、あらためて距離が短縮されたことを思い出した。

 海底がより迫ってくる。ブレスするとすでに立ち上がっている選手がみえる。つられるように思わずぼくも立ち上がる。しかし、岸まではまだ50mほど距離があった。2度ほどドルフィンぽいことをしたがまったく上手くできないので、海中に飛び込んでギリギリ岸まで泳いだ。 

 ※スイムアップ0:22分


 2.バイク

 拍手と声援。ロードバイクのタイヤとアスファルトの摩擦音にホイールの回転音。朝の佐和田の街にトライアスロンの音が響く。第2幕、バイクパートの始まりだ。

 まずは両津をめざす。追い風だ。漕ぎ出しは力んでしまうのか、ハムストリングスやら四頭筋がものすごく疲れてしまってペダルを漕ぐのが嫌になる。いつもそうだ。なので回りにつられずに自分の気持ちいいペースでペダルを踏むように努める。追い風にもつられてはいけない。入りは自分のリズムが大切。左手に展開する大佐渡の雄大な山々に時折目をやりながら国仲バイパスを走る。

 新穂を経て両津、佐渡1周線に辿りつく。両津海岸から河崎、真木、入桑、姫崎を通って水津までくるとスタートの河原田から距離にして約30km。特徴的な佐渡島の形状の釣針のような地形をトレースすると風は完全な向かい風となった。

 AS(エイドステ-ション)で補給ボトルを受け取る。今年のボトルは黒、ソフトタイプでとてもカッコいいボトルだった。そしてすぐ目の前にはリレー参加の佐渡市長殿のバイクがいて、ボランティアの子らが、市長速いねーと話し合っているのが耳に届いだ。白いTシャツをまとった彼の株は上がったに違いない。

 向かい風とは喧嘩しない。無理に頑張らない。30㎞/hキープは難しいが焦らずいつもの自分の漕ぎ方を通す。チョイ重いと感じるぐらいのギアで自分の体重を乗せるように、そして踏み込みすぎないようにペダルを踏む。ケイデンスは高くはない。風が強いと感じたらギアをひとつ落とす。ひたすらそれらを繰り返す。


 岩首、多田、城ヶ崎に赤泊、そして羽茂を超えて小木。距離にして概ね80km。スイム会場に続いて小木ASで待ち構えていたIさん夫婦の応援が背中を押した。

 スタッフのコース誘導に従って右折すると斜度のある上り坂が現れる。小木の坂だ。速度はあっという間に削がれ減速する。陽射にあたってすぐに汗だくになった。自分としてはリズムよく、これ以上ないぐらいうまく坂を上っているつもりだが、後続に次々と抜きさられる。力の差をみせつけられた。小木の坂はいつも試練が詰まっている。

 登坂の途中、反対車線、右手側に順位を教えてくれる男性がいらっしゃった。過去にもこの坂で通過順位を教えていただいたことがある。おそらく同一人物だろう。ぼくが通過するときに「44番!」といわれ励みになった。レース中の順位なんて知りようがないので本当にありがたかった。サドルは前乗り、上ハンドルを軽く指先でつまみ腹圧をあげる。セオリー通りのロードバイクの登坂に徹底した。


 上りの難所を越えると素晴らしいほどの追い風になった。そしてコースを進むにつれて空は暗転する。分厚い曇が陽射しを遮ってくれるので歓迎だが、あまりの急激な天候の変化に驚いてしまった。

 下り坂ではホイールに仕事をしてもらいぼくはバイクコントロールに専念した。最後の上り坂となる西三川は追い風が背中を押してくれたので楽に上ることができた。

 その背中を押す風は真野まで続いた。八幡館を通過したあたりからやや弱まった感はあったが、サイコンに目をやるとAve.30km/hを表示していた。終盤の追い風と下り坂のおかげだ。河原田まで気をよくしてペダルを漕いだ。

 こうしていま一度、記憶を手繰っていくと、場面において適宜やらなければいけないことをちゃんとやり通せるかが肝要だ。とはいえ環境が良かった、つまり気温がさほど高くならなかったことがバイクパートに耐えられた一番の要因に間違いないと思う。

 ※バイクアップ3時間37分


 3.ラン

 トランジションで審判長から声をかけられた。まさかのペナルティー!?なんてことはなく小佐渡の風の状況とバイクへの影響をヒアリングをされた。端的に答えたつもりだがアレでお役に立ったのだろうか心配だった。

 肩書きに「長」の着く方の重責は計り知れない。スイム短縮の判断なども含め、現場の情報収集に勤しむ彼の姿をみて頼もしかった。ぼくらは運営に関わるあらゆる人々によって競技に没頭できることをゆめゆめ忘れてはいけない。


 さてランへ。宮古島のときのように忘れ物をしていないか身の回りの確認をしてスタートした。空は一面の鉛色でいつ雨が降ってもおかしくない様相だった。進行方向から強めの風が吹いてくる。海をみると緩むことのなさそうな白波がいくつも立っていた。

 走り出しは悪くなかった。バイクからランの動作移行の違和感もあまり感じなかった。なにより陽射が照りつけないのが大いに助かった。気温はさほどではなかったけれど携帯したビニール袋に氷を詰めてもらって身体を冷やしながら走った。

 1周目は調子に任せた。かなり前(赤泊あたり)から気になっていた生理現象を沢根ASで済ませる。トライスーツがワンピースなので着脱に手間取った。ミドルのレース中に用を足すのはこれまでほとんどなかったが、今回の道中は汗をかかなかったということかもしれない。


 沢根の折り返しから河原田まではサブ4ペースぐらいで走れたが、以降はキロ6分以下に落ちた。当然時計は把握していたがまだ中盤なのでキープに徹する。エネルギー切れもあり得るのでひとつジェルを口に入れた。右足の中指が靴に当たって痛かったがそれはペースダウンの原因ではなかった。

 海岸沿いコースの2週目。顔見知りの選手に声を掛け合う。周回コースの良いところのひとつ。広角を上げて笑顔に努める。

 頭で何度もフォームをチェックする。この5月ぐらいからフォーム改善として、骨盤周りと上半身の連動動作、腕振りにピッチ、それから厚底シューズを上手に利用できているかなどなど。これまでやってきたことを同じように繰り返すように努めるがペースアップに結ばなかった。

 次のASまでは止まれないと自分との交渉を繰り返す。その頃はペース維持がやっとだった。終盤はペースを上げられるだろうと楽観的だったが、実際に走ってみるとそんな余地はわずかもなかった。

 限界を超えるとか、自身に抗えなんていう言葉はぼくには空虚でしかない。頑張るという言葉も嫌いじゃないけれど具体性に欠けている。自分のできること、これまでやってきたことを愚直に繰り返すしかない。同じことやっているつもりでも疲労によって精度が低下している。なのでしつこく繰り返す。終盤はこれしかない。今回は気温もほどほどで力を発揮できる環境にあったが、どういうわけか走ることができなかった。これが今回のランパートのざっくりとした総括であり、これからの課題である。

 ※ラン 2:07分 ゴールフィニィッシュ 6時間9分

2025年9月3日水曜日

佐渡の予測と準備のこと

 昨年の今頃はこんなことをこぼしていた。
『いまの力量から勘案するとスイム38分台、バイク3時間30分台でなんとか。いや、やっぱり無理かな。ランは5分半/㎞で進めればと思うのだが当日の気温次第。
 現時点の天気予報では最高気温32℃。そうするとランは余裕で2時間を超えてしまうか。いやランだけでなくバイク終盤も引っ張られそう。トランジションを計5分として…走破時間は6時間20分を切れないだろう』
 実際、昨年の走破時計は6時間13分。上記の太字の数字を足すとその時間になる。さらに春の宮古島は3種目すべての予測は外れたが合計時間はドンピシャだった。さて今回は?予測は下記の通り。

●Swim 2km 39分台(57s/50m) …450kcal
●Bike 108km 3時間35分(正午前にランへ) …2,500kcal
●Run 21㎞ 2時間3分(5分50秒/km) …1,200kcal

 トランジション5分するとFINISHは6時間22分。とは言え昨年の時計はわずかでも上回りたい。となるとやっぱりバイクとランの短縮だがなんとも言えない。
 また消費カロリ-はこれまでの自身の測定数値に少し付加して算出し4,150kcal。そのうち半分ぐらいは準備したい。

補給
 バイク時のスペシャルドリンク2本(謎の白い粉たちのブレンド400Kcal/本)、掛水1本、Vespa2個、ライスピュレ各種4個各100kcal、Mag-on(120kcal)2個、カフェイン入りモルテン3まで

食事
 ウォーターローディングとしてアルコールは5日前、カフェイン(コーヒー)は4日前から摂取をやめる。大会前日の土曜のお昼から炭水化物多目、夕ご飯は午後6時頃に食べたい。当日の朝は3時半起床、4時には朝食を摂りたい。
 調子は良い。当日、運が味方してくれるのか。トラブルなく順調にすすでランで踏ん張れたらもしかして…。14時前のフィニッシュを目標にいざ!

2025年9月1日月曜日

時間的余裕。 2025.8.25~8.31

  佐渡大会は9/7(日)開催なので、昨年と比べると1週間の余裕がある。焦りがないと言えばそうではないが、かと言ってあれこれを巡らすわけでもなく、自己の許容内で程よい緊張を保ちながら気持ちよい日常を送っている。備忘録に記しているように身体が動いていることがもっとも大きい。
 さらに、いまの心身状態に一役かっているのが読書である。もう長いあいだ「私小説」が手につかなかったのだが、あることをきっかけに手にしてみた。嗜好性がつよいので読み続けられる物語とそうでないものがある。
 ぼくは、エンジンが掛かると乱読がすすみ、好奇心は猫をも殺すではないけれど、はずれを引き続けて気持を消失してしまう。そんなことが度々なので今回はあることを頼りに手にとっている。
 ちなみにいま手にしているそれは「大当たり」である。1冊読了したばかりだが作者の熱が消えず、他の作品を手にすることが楽しみしかない。そう思える作品や作者に巡り合えることは決して多くはないものだ。本の神様が導いてくれたのかもしれない。
 いまの心の状態をもたらしているのは間違いないく読書からきているものだと確信している。なにかを成そうするときは心身の調和が必須なのだ。

★トレーニング備忘録
8/25(月) 仕事終わり、かかりつけの整形医院へ。右肘にシコリのようなものがあり着くと痛んだ。DHポジションで痛みが顕著になるので早速受診することにした。
 診断は右肘に滑液包ができて炎症を起こしているとのことだった。注射器で中身の液体を抜いてもらう。2年前の佐渡の直前週、左足首に溜まった液体を2日連続で抜いてもらったことを思い出した。そういうのができやすい体質なのだろう。
「きれいな黄色をしてますねぇ。」先生と看護師さんがほぼ同時に声を揃えているので、思わず「ぼくにも見せてください。」と口走った。注射器には半透明の黄色い液体が3mlほど採れていた。舐めたら苦そうだった。
 「溜まったらまた来てね」と先生は言ってその場を離れていった。
 この春、左ひざの痛みの際もそうだったが、異常がなければ大げさにしない方だ。とても心強い。

26(火) 終業後はジム。前日を受けてではないけれどエアロバイクを1時間走。右肘はさほど気にならなかった。負荷17で調子よく漕げたので後半は負荷を下げケイデンス高めで漕いだが28㎞の距離壁は超えることができなかった。
 次いでトレミへ。支度してシューズを履こうとしたところ、びっくりするぐらい靴下がびしょ濡れ、もちろん汗で、シューズを履くのをためらってしまい、とはいえ靴下の替えもないのでこの日はこれで終了。 

27(水) 終業後はジム、スイム。プールに脚を運ぶとなかなかの混雑ぶりなのでコースシェアしてインターバル泳。泳ぎはじめから100m99秒台と何日か間が空いた割に時計は良い。ストレッチのせいだろうか。ストリームラインは頭頂部からつま先まで、掻きは最後までしっかりとを意識する。途中、隣のレーンの顔見知りの方から、肩が大きく回っているねと褒め?られる。
 キリ良いところでプールを上がって、着替えてトレミへ。ビルト走10㎞。ちょっとしたことで5㎞過ぎから大幅ペースアップ。下腹部の重心を前方に置き、上半身は対称の位置関係にある肩と骨盤のねじれる動作を意識して歩様と連動させる。顎は引きずぎず下半身に上身を乗せるイメージ。
 表現としては相変わらずわかりにくいが、これらの言葉が一番しっくりくる。GWからずっとこだわってきたランニングフォームがかなり固まってきた。これからが楽しみだ。

28(木) 終業後はブリック練。動画をお供にエアロバイクはave.30kmを意識して40分ちょいオーバーで20㎞、次いでトレミへ移って、キロ6ペースから入り5分半ペースまでの5㎞走で終了。気持ちよかった。

29(金) 休養。

30(土) 天気予報で最高気温36℃とありジムブリック練を選択。普段とあまり変わらない通勤の電車でジムへ。先週上手にできたイメージで臨んだが、ジムで本意ではないことがありバイク、ラン共に集中力を欠いてしまい計画にはまるで届かなかった。ブリック練のあと、ウエット着用のスイムを準備していて、そちらも止めてしまおうとも思ったが、無理やりプールに脚を運んでスイムを少し。
 ひとつ心配事が。この日、起床して喉に痛みを覚えたのですぐさま抗生剤を服用した。社内で咳をするスタッフや明らかに喉がかれた不調そうな方々に囲まれたので念のための措置だ。

31(日) 前日のトレーニングをリカバリーしたいと考える。とはいえ来週は本番。さらに外の気温は早い時刻から上昇の一途。普通なら回避するところ敢えて気温が上がり始めたころランニングへ外に出た。走りだしは悪くなく、さらに想像より時計が速かったので勢いにまかせペースを上げたが途中で気持ちが失せ8㎞でヤメ。帰宅して、準備していたバイクに跨って実走の感触を確かめた。バイクも遠出するまでの気持ちはなく僅かな時間で終了。
 15時頃、気温は高かったがもう一度ロードへ。身体を動かし大汗をかけたので気が晴れた。

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8/25(月) 休養
26(火) 夕 エアロバイク28(61)
27(水) 夕 スイム1.0(17)、トレミ10(56)
28(木) 夕 ジムブリック エアロバイク20(40)、トレミ5(29)
29(金)  休養
30(土) 午前 ジムブリック エアロ37(85)、トレミ3(6)、スイム0.5(9)
31(日) 午前 ロード8(44) 夕 ロード5(29)
8/25~31(km)…S1.5、B85、R31、Re.1