錚々たる企業のビルが立ち並ぶ丸ノ内、そして三の丸へと進み名古屋城門に到達する。ホテルから4キロちょい。城の周辺を走りながら本丸がよく見える場所を捜した。
「藤の廻廊」から名古屋城公園に出る。早朝に関わらず公園は賑わっていた。人々が集まっているのが見え、懐かしい音楽が聴こえる。夏休み、子供の頃のことを思い出さずにはいられないピアノの伴奏曲。ラジオ体操である。
その人数と言ったら三桁超えちゃっている?至る所に体操に励む集団が見える。興味津々。体操をする集団に近づき、さも興味なさそうにしながらチラチラ眺めながら流す。これがナゴヤ的情緒なのかもしれないと感じた。
再び名古屋城周囲へ戻りもう一回り。ラジオ体操が終わりバラバラと公園から出てくる人を避けながら東門からホテルへ戻ることにした。
丸の内に入ったところで、テレビの撮影機材をもった数人の集団が僕に向かって歩いてくる。というか、僕がそっちへ走っているという方が正しいのかもしれない。ちょっと嫌な予感がした。踵を返そうかと思ったが、今更それもおかしい。そして、こういうときの予感はほぼ100%的中するものだ。
すれ違いざま
藤の回廊 |
丸の内に入ったところで、テレビの撮影機材をもった数人の集団が僕に向かって歩いてくる。というか、僕がそっちへ走っているという方が正しいのかもしれない。ちょっと嫌な予感がした。踵を返そうかと思ったが、今更それもおかしい。そして、こういうときの予感はほぼ100%的中するものだ。
すれ違いざま
『走っているところ、少しいいですかぁー』
福山雅治風のインタビュアーに呼び止められ、立ち止まるや質問をされる。
『どうしてここが、伏見通りと言われているか知っていますかー?』
『どうしてここが、伏見通りと言われているか知っていますかー?』
僕はサングラスを外し、とっさに問いかけとは違うことを答える。
実は昨日所用で新潟からこちらへまいりまして云々・・・。
完全にやぶ蛇だった。さらに質問を重ねられた。こちらとしては出来るだけ怯まずに、爽やかに歯切れ良く、しかも時折カメラ目線で返答する。
『スゴイですねー。こんな時間に走るなんて』
『スゴイですねー。こんな時間に走るなんて』
雅治氏のそのコメントを合図に、僕はじゃっ!と右手を挙げ逃げるように走り出す。後方から、きっとクルーの一人だろう
「何か、朝からスゲーなー」という声を聞いた。
君たちのほうがよっぽどすごいと思うんだけど・・・。
あれは名古屋の地方番組か何かだったのだろうか。尋ねれば良かったなぁ後悔した。けれど、いいネタができた!とほくそ笑んだのは言うまでもない。
ホテルへ戻る途中、名古屋の中心街は都会の様相に変貌していた。ほんの1時間半前の静謐は消え喧騒があった。足早に歩く人々の中を僕は颯爽と走る。ちょっとした自由人風で気分がいい。
ホテルへ戻る途中、名古屋の中心街は都会の様相に変貌していた。ほんの1時間半前の静謐は消え喧騒があった。足早に歩く人々の中を僕は颯爽と走る。ちょっとした自由人風で気分がいい。
道に迷いながらも無事ホテルに辿り着くことができた。<了>
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