2016年8月8日月曜日

2016佐渡OWSのこと

 午前3:00発のフェリーに搭乗して両津港へ。そんな早い時間にフェリーが出ているの?と思われる方がいらっしゃると思うが、夏季に運航される特別便のようなもの。おかげで前泊せずにOWSに参加できるのでこちらとしては大変都合がよい。
 普段なら2等船室なのだが、この度は1等船室を予約する。深夜の便ということもあって、僕らの船室は閑散としていたが、そのお陰で出港から到着まで十分に睡眠を取ることができた。申し合わせた訳ではないが、ゆーサーモンさんと同室で彼もまた深い眠りにつけた様子だった。


 今年はバイクでの移動はやめて会場までシャトル便を使った。AM7:10両津港発の大型バスに揺られAM8:00前には会場の真野に到着。天候は快晴。バスから降りるとまだ朝だというのに外の熱気が僕らを待ち受けていた。真野湾に風はなく波は穏やかで、一瞥すると昨年の佐渡トラの海に似てるなと思った。



 両津からバイクで移動してきた面々と合流し、ブリ男さん、鉄女ママさんら有志と共にアップを兼ねたジョギングへ出かける。陽射しを避けて商店街へ脚を向けようとも考えたが、真野の海岸線をトレースすることにした。
 2人とは久しぶりのジョグだった。僕はこの機会を逃すまいと、兼ねてから約束していたランニングのゼミで教わったいくつかを話した。身体の重心の真下へ着地を心掛けること、股関節のタメのことなんかを超要約版で説明する。降り注ぐ陽射しと、熱を帯びはじめたアスファルトで気持ちいいぐらい全身びしょ濡れになった。

 AM9:00に僕らのカテゴリー2,000mのスイムチェックが始まる。スタートまで30分、ウエットスーツを着用しているので脱水や熱中症に気をつける必要があった。昨年はスイムの中盤で見事に脚が攣ってしまったので海水で身体を冷やし、十分に水分を補給するよう気を配る。
 ここで嬉しい出来事が。いつも拝見させていただいているスイムブログ「ヤッパウミハイイヨネ」のヨッシーさんにご挨拶することができたのだ。僕はどちらかと言えば物怖じしない性質なのだけれど、とても緊張してしまい挨拶するのがやっとだった。スタート直前にもヨッシーさんから合図を送っていただいたけれど、まさか僕に向けてのこととは思わずうまく返すことができなかった。ニコニコと笑顔をたやさないその表情はブログから受ける印象そのままだった。

 さて。コースの真ん中、やや前方に待機してスタートを待った。定刻が近づき、皆でカウントダウンして一斉スタートを切る。僕にとって2度目のOWSのスタートだ。
 スタート直後はそれなりにバトル状態。自分の手足が当たりまえのように他のスイマーに触れるし当たってくる。前方のスイマーの真後ろでドラフトしながら、慌てないように注意深く動作する。しばらくして密集状態から解放されると、他からのプレスはほぼなくなった。
 ヘッドアップして目標のブイを確認する。めざす黄色のブイはまだ先だ。
 ワンストローク、ワンブレス。
 呼吸に余裕があればツーストローク、ワンブレスを織り交ぜる。自分の好きなように泳げるようになり、ようやくちょっとしたスイムの旅が始まったように感じた。

 最初の直線はかなり左側方向、つまり目標とするブイの反対側に流されていた。周囲に誰もいないことを訝ってヘッドアップを繰り返すと黄色のブイがほぼ真横に見えた。そのロスっぷりに焦ってしまい、心拍数が一気に上昇する。落ち着こうと気を取り直しながら、インに沿って次のブイを目指した。
  2つ目のブイを折れ浜へ向かう。方向性を正すためにキャッチの手をいつも以上に肩からまっすぐ出すよう意識した。それでも右に左にと蛇行しているようで、まっすぐ目標に向かっていない不安は払拭できないでいた。

 そうこうしながら2周目に突入。再び沖へ向かう直線は並列するスイマーを目印にして、ロスしないように心掛ける。けれど時折互いの間隔が妙に離れることがあった。きっとおそらく左へ流されていたのではなかろうか。1周目よりも波が高くなっている。左斜め前方から潮の流れを感じ、プルの手をやや浅めにして身体の近くでかくようにして対応した。

 2つ目の黄色い部位を折れ、浜へ向かう残り500m。ストロークのピッチを上げ、体重を乗せるように肩にあごをつけつつ肘を上げ、より大きく水を掻き込むように努めた。にわか仕込の動作だったが、ここで実践投入。時々ヘッドアップして前方確認はするが、なんでもいいからこのまま行ってしまえという気持ちでゴールを目指した。
 ツーストローク、ワンブレスを基本に、辛くなったらワンストロークで息を入れ、ピッチを落とさないようにする。やがて浜に一番近い黄色いブイを越える。あともう少し。海の底がハッキリと目視で確認できる。けれどそこからがやけに長く、泳げるところギリギリまで水をかいた。
 45分19秒。今回の完泳タイムだ。結果を知った瞬間はちょっとがっかりしたが、持てるものは出したので致し方なしと言い聞かせる。周回コースをロスなく進む技術が欠乏しているのは明白だった。また来年もっと成長してこの海に臨もう。ま、来月また来るけどね。


 そして、新潟に戻ったこの日の夜。街では花火大会が催されていて、豊栄走友会と横越ヤンバラーズ合同の花火ランと称して、花火が打ち上げられている会場までジョギングするイベントに参加した。
 祭りの賑わいと日中の熱のこもる街を12人で走る。アテがあるようでナイような、夜を彷徨う大人の深夜徘徊みたいだった。午前中の真野の海の出来事が同じ日のことは思えないぐらい、長い長い夏の1日だった。(了)




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