2015年11月16日月曜日

第7回 ごせん紅葉マラソン

 会場へ向かう車の中、なかなかの雨と風にモチベーションは低下する一方だった。これで今年のエントリーは終了となるので、さすがにDNSの選択はないのだけれど、まるで気持ちが乗らないでいた。
 指定された駐車場に到着し、さくらアリーナへ向かう。すると元気いっぱいの中学生ボランティア達が出迎えながら受付へと誘導してくれた。彼らにちょっと圧倒されながらパンフやタオルの入った袋を受け取り、スタートの競技場へ脚を進めた。
 その道すがら15mぐらいの間隔で中学生のスタッフがそれぞれに「おはようございます」と声をかけてくれる。元気の良い子もいれば、そうでない子も、また一言付け加える子もいた。僕は一人一人に「おはようございます。ごくろうさまです」と返答をする
 小雨とはいえ雨、それに少し冷えるのだから頭が下がる。彼らの姿をみて、このイベントの色彩の一つである、コース沿道に掲げられるランナーに向けた応援看板の存在を想うと、そのホスピタリティ精神が、彼ら若いボランティアに伝わっているように感じられた。それは佐渡トラの小学生から戴くメッセージカードにもよく似ている。僕は気持ちの帯を締め直し、会場へと向かった。


 思いがけずヒグマサさんと合流することが出来、僕らは一緒にスタートすることにした。
 冷たい雨の中、大会は予定通りに進行し、ハーフに続き10kmの部がスタートした。
 トラックから公道に出て坂を下るぐらいまで前を捌くのに苦労をした。1kmの里程標はその下り坂の途中にあって4分40秒。以降はストレスなく自分のペースで進むことが出来たけれどスタートの際の位置取りを激しく後悔する。

 3km通過のラップは4分10秒台。これぐらいをキープ出来れば御の字なのだが、白山からの吹き下ろしの風に行く手を阻まれ減速する。風と喧嘩するつもりはないけれど、どうにもいかない。
 しばらくすると後方から僕を追い抜こうとするランナーがやって来たので、それに取り付いて風除けにした。
 集落に入り、坂を下りながら息を入れる。5km通過のタイムは23分。45分は難しいかなぁと悪い考えがよぎった。後半は間違いなく追い風だ。それで巻き返そうと気持ちを切り替える。

 折り返し、今しがた駆けてきた来た道を戻る。坂を上る。上りは得意な方だけれど、しっかりペースを上げてきたランナー達に追い抜かれる。僕もそれに負けないように走る。そこを上りきると緩やかな下りに追い風が加わりぐっとスピードアップする。
 8km地点を通過し、ラスト2キロはアクセル全開。特に競技場の手前からフィニッシュテープまでは必死だった。息は切れ切れハァハァゼィゼィ、余力などない状態でフィニッシュを突き抜けた。 なんとかネットで44分50秒(グロスは45分10秒)。

 PBを叩き出すような有終の美は飾れなかったけれど、ネガティブ走で完走出来たことで気持ちに折り合いを付け、今年最後のマラソン大会のに納得することにした。ラスト1kmは今年を総括するに相応しいエンドロールだった。
 こうしてまた一つ、シーズンを無事に終えたことを感謝しつつ、来期に向けてしっかりトレーニングやら体調管理をしようと強く思う。簡単だが、これが今期の総括である。詳細はまた別の機会にしたい。
 何はともあれ、ごせん紅葉マラソンに関わった全ての人々に感謝します。ありがとうございました。〈了〉


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