2024年10月20日日曜日

第40回新潟シティマラソンのこと 2024.10.13 

 「今日は走るには暑いです。給水はしっかり取って、飲み残したら身体にかけてください。」スタート前、高橋尚子さんがお話しをしていた。この日は絶好の秋晴れ。予報通り気温は高くはなく穏やかなだった。だがランニングをする環境のそれとしては高橋さんのいう通りだった。このところの高温下の生活に慣れてしまいこの日の気温は大したことのないように感じていたが、ぼくの基準がズレているだけだった。
 期待や不安、あるいは脳内分泌物で冷静になれないぼくらランナーに、彼女はいつも助言を与えてくれる。彼女の言葉は、そう言われればそうだよねと素直にうなずけるものが多い。彼女は、ぼくがこの大会に参加しはじめた頃からゲスト出演されているが、小雨の降る日にもスタート直前に助言があり、今もそれもはっきり覚えている。
 大会の風物というのは彼女に対して失礼な表現かもしれないが、それ以上の存在になり得ているとぼくは思っている。

 さて本題の備忘録へ。ここは次走の那覇マラソン前哨戦だ。走破目標は3時間40分台、基本ペースはキロラップ5分半、30km以降にペースを上げられれば(ネガティブ走)合格点。思惑通りにできる担保はないが無理のない妥当な計画であり、走力の現状を把握する力試しなのだ。
 ネガティブ走は高橋尚子さんの恩師である小出監督のランニング教本の受け売りで、ぼくの中長距離走の基本の「キ」である。このところのフルマラソンではほとんど実現できていないが、目指すところはいつもそれだ。前半余力を残し、後半の垂れるところで上げにかかって結果的にイーブンで走り抜けることをめざしている。

 定刻スタート。登録カテゴリの最後方から歩を進める。思いがけないGarminの誤動作で正確な㎞あたりのラップがわからなかったが実時間と里程標を見比べながら把握に努めた。
 10km(柳都橋)は53分、20km(旧双葉中付近)1時間45分、25km(タコ公園)2時間11分、30km(関屋分水)2時間36分。これらは通過タイムランニングアプリを参照しているが、大体そんな感じだった。
 スタートから10数キロ中盤(港トンネル内)まで緩やかにペースは上って、以降ほぼ定ペースのkmラップ5分10〜20秒で落ち着いていた。計画との差異は言わずもがなだがで、一般的ないい方をすれば突っ込んでしまっていた。長距離競技の肝は自制だと思っているが頼りのGarmin不調によりタガが外れてしまった。
 そんななかではあるが、今回ことのほか印象に残った出来事は、10km過ぎで摂ったマウルティンGELカフェイン入りの補給剤が抜群に効いたことだ。
 ロング前にはカフェイン断ち(アルコールも)を数日前からおこなってレースでの効果を上げるように努めている。ようやくこの大会でマウルティンGELのカフェイン入りを使用して、実は佐渡トライのランで中身を落として摂り損ねた、その衝撃的ともいえる効果を体感した。次回のレースでも使用して所見をまとめたいと思う。

 問題の後半、30km以降である。35kmまでの5kmは29分、40kmまでのそれは31分掛かっている。31,2km付近で減ペースがはじまった。36kmの里程標ではかろうじて6分を切る程度は行けそうだったが、37kmを超えた信濃川の右岸では何度か脚が止まった。つなぎつなぎ走って本線大橋のヘリポート付近のエイドに辿り着き、そこで水分補給をしたのだけれど、橋を渡り切るまえに強烈な吐き気にみまわれて道端にもどしてしまった。
 残りあと3kmあたりが脚を前に出せなくなるほど辛かった。ほぼ力尽きていたといっていい。休息を入れるように歩いては走ってを繰り返しなんとか競技場に辿り着いた。当然強い安堵があったけれど青空に映えるフィニッシュゲートを目の前にしてもラストスパートすら出来なかった。フィニッシュタイムは3時間49分44秒(NET)。中盤のオーバーペースが後半に大きく影響した結果だ。以上が23走目のフルマラソンの結果だった。(了)

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