2014年6月19日木曜日

第29回みなと酒田おしんトライアスロンのこと 2014.6.15

 トライアスロン初参戦の前日。
 早朝にジョギング、夕方にはフォームの確認を兼ねプールで汗を流す。バイクはサドルの位置調整のために少し跨がった。それから今更ながらパンク修理の練習もした。
 やるべきことは全てやった。
 目標はズバリ完走すること。初レースでどれほどの力を発揮できるのか判らない。どんな結果になるのか、そして何を感じるのか。今回は体験会のつもりだ。

 忘れものがないように荷物を入念にチェックする。モノが不足して力が出せないとか、ましてや出走が危ぶまれるなんてことは絶対に避けたい。それにしても随分と用意するものが多い。
 こんなふうに翌日のことばかり考えて過ごした1日だったが、ものスゴく贅沢で幸せな時間だった。レース前日ほど期待と緊張がバランス良く混在する日はないと思う。

 翌朝。AM5時を少し回った頃、酒田市に到着。車で2時間ちょっとの移動だ。見積もった時間よりずっと早い。天候が気になっていたけれど、雲の切れ間から覗く朝陽が眩しかった。これ以上空模様が悪くなることはナイと思った。食事を摂りながら会場を目指す。

 会場に近づくと、屹立する白く巨大な風力発電のプロペラが見えた。ロケーションを盛り上げる絶好のオブジェのようだ。
 駐車場の警備スタッフの方から教えて頂き、トランジションエリア(以下、TE)に近いところに車を駐める。駐車場(第一駐車場)はスイム会場とTEの中間に位置し、海を眺めることができた。
 海は波が高く時化ていた。岸に向かって幾つもの白波が押し寄せている。想像していなかった様相だった。風力発電のプロペラがグルグル回っている。自分のスイムでは前に進むことすら難しいんじゃないかと思うぐらい、波と風が立ちはだかっていた。

 受付の際、腕と脚にエントリーNo.を書き入れてもらうと、レースに参加する実感が湧く。トライアスリートみたいだと思った。モチベーションを上げる大切な儀式の一つだ。ただし残念なことに半袖のバイクジャージで腕の番号が隠れてしまう。どうやら袖なしのウェアが正解だったようだ。
 バイクと荷物をTEへ運ぶ。時々小雨が混じるので、バイクに乗る時のシューズやらなんやら、ランのそれらをそれぞれビニール袋に分けバイクの横に置く。徐々にTEに人が増えてきた。お隣さんも登場。挨拶を交わし自分は初参加である旨を告げ、それとなく質問をする。セットするバイクの向きのこと、受付で渡されたゼッケン、そしてゼッケンNo.入りのシールをどう使えばいいのかなど。彼のアドバイスは親切かつ的確だった。おかげでセッテイングが捗った。

 トランジションで普段通りに競技できる準備を心掛けた。例えばスイムアップ後、バイクシューズを履く際に脚に砂がつくのが嫌なので、水とタオルを多めに持ち込んだ(残念ながら使われることはなかったけれど)。それからバイクグローブを用意した。そしてランは素足でなくソックスを履くなど、競技中にストレスを感じないような配慮をした。もちろんその分、支度に時間は掛かるのだろうが致し方ない。

 スイムの準備をしようと駐車場に向かう途中、運営スタッフとすれ違う。彼はすれ違いざま、独り言のようにスイムは中止だなぁーと呟いた。ぼくはその呟きにつかさず反応し声を掛けた。
 恐らく間違いないけれど、本部からの発表を待っていて欲しいと云われた。
 スイム会場では数台の水上バイクが海上を行ったり来たりしていた。ブイのセッティングを行っているようだった。相変わらず無数の白波が岸に押し寄せていた。風も強い。

 AM7時。スイム中止が発表され、代替えとしてランコースを1周(3.5km)することが選手に告げられた。デュアスロンへの変更だ。目標を失ったような残念な気持ちになった。
 やむを得ない。ぼくは変更内容を確認し、TEへ踵を返す。必要のなくなったモノを片付けランシューズを履いた。
トランジションエリアの光景



スイム中止の発表

 スイム中止以外スケジュール通りに進む。開会式、注意事項説明、スイムを中止してランに変更したことの説明、それからアンクルバンドの配布など。スタートに向けてあらゆる物事が順序良く消化されていった。

 代替ランはスイムと同様、2分間隔のウェイブスタート。ぼくは第2ウェイブのAM8:22スタートだ。最初からスピードに乗れるようにアップする。6分経つとアップの効果はないという言葉を思い出しギリギリまで身体を動かす。

 AM8:20。第1ウェイブがピストルとホーンの合図でスタートした。拍手と歓声が上がる。始まりだ。そして、すぐに第2ウェイブが整列する。ぼくは集団の前方に位置取る。ホーンとピストルが鳴った。ぼくのレースの始まりの合図だ。息を整えながら進む。ウワーッと煽られて、速い流れになるかと思っていたけれど、入りは落ち着いていた。ぼくは少しずつペースをあげる。3.5kmはあっという間だった。スパートで息が弾む。
 ランコースからTEを目指す。ぼくらは本会場を抜け一度スイム会場へ向かい、改めてTEに入るよう誘導された。予めこうなった場合を想定していたような段取りの良さを感じた。
 TEを進み自分のバイクに辿り着く。息は弾んだままだった。先ずヘルメットを装着。次いでサングラス、シューズ、グローブと身につけていく。バイクゲートから次々にバイクが吐き出されていくのが目に入った。焦燥する。グローブをはめるのにやや手間取ってしまう。グローブは乗りながらはめることにして、バイクを押してゲートをくぐった。赤と緑色の乗車ラインを超え、左脚のクリークをはめ右足は押し込むようにペダルを踏んだ。もたつくことなくスタートを切る。バイクパート開始だ。

 会場前を通過してすぐ左にカーブする。沿道から声援が聞こえる。直線コースだ。ペダルを踏む。心拍数を確認すると199。え?バカな!心拍計のストラップがずれていることに気付く。定位置に直しても心拍数は180。見たことのない数値だった。何はともあれペダルを踏むことに集中する。フォローの風で35km/hを簡単に越える。それでも後方から1台、また1台と追い越されていく。心拍は170を超えたまま。落ち着くためにボトルを口に運ぶんだ。始まったばかりで先は長い。次いで補給ジェルを摂りながらペダルを回す。

 バイクはコースを3周回する。勝手がよく判らないのでドラフティング禁止ルールだけはしっかり意識した。1周目の往路でコースをなんとなく把握する。カーブ、クランク、折り返し。それらを復路で復習する。どこで減速してカーブやクランクに入るか。そしてどこからスピードをあげればよいのか確認する。
 直線路での追い越しなどは周囲を参考にした。通常のライドのようにしっかり合図を出してから次の動作をする方がいたので、それをそっくりマネをした。
 1周すると自動車のサーキットレースに似ていると感じた。どこで攻めるかはコース形状によってだいたい決まっている。つまり、どこでスピードを上げて攻めるかを組み立てれば良いのだと気がついた。


最初の直線

 2周目。直線でスピードに乗る。抜きつ抜かれつしながら進んでいく。体もほぐれペダルを回すのが楽しくなる。バイクの楽しさとはこれか!っと思えたほどだ。
 往路の中間あたりで距離を確認。バイクフィニッシュまで丁度半分の20km。ここから3周目の復路までは頑張ってペダルを踏もうと決めた。
 実際、随分頑張りすぎて腰が疲れ次いで足首が痛んだ。バイク練不足が露になる。それでもペダルを踏み込むのが楽しくて仕方がなかった。
 最後の直線で心拍数を確認。165まで落として息を整える。降車ラインに向かい減速しながらシューズバンドを緩める。TEに入り自転車を引く。案外と距離を感じた。
 自分のトランジションにバイクを掛けヘルメットを脱ぐ。ランシューズに履き替え、グローブをとりサンバイザーを被った。TEからランコースへ。練習で幾度となく経験した通り、身体が言うことを聞いてくれない。しかも左足首が着地のたびに痛む。マジでヤバいと思った。この大会でここが一番辛かった。

 ランもコースを3周する。バイクに跨っていたときは風を感じていたけれど、走り出した途端に蒸し暑く感じた。コースには陽が射して気温が上昇しているようだった。
 左足首の痛みが気になって仕方がない。キロ6分を余裕で越えていたと思う。走っていれば筋肉がほぐれ、痛みも和らぐだろうと思って辿々しいながらも進むしかなかった。少し時間を要したけれど、幸いにも痛みは和らいだ。2周目から調子を取り戻しペースを上げる。
 約800mごとにある給水には随分と助けられた。水を口にするより被る方が多かったけれど、短い間隔で給水があるというのは本当に有難い。
 
 ランではTEで声を掛けて頂いた同郷のアスリートの方と、すれ違うたびに声を掛け合えたこと、特に3周目のナイスラン!の掛け声が、大きな励みとなり背中を押してくれた。
 ラストスパートの3周目の復路は、完全に調子が上がり、ここからもう10km追加でもいけるゾと思うほどで(ホントにそうなら嫌だけどネ)気持ちよく駆けた。
そして、初トライアスロンのゴールフィニッシュ!



フィニッシュ


 スイム中止は残念でならないけれどレースの雰囲気は十分に堪能できたし、これからのトレーニングの糧になるのは間違いない。
 そしてこの場を借りて大会に関わったすべての皆様に感謝したいと思います。
 皆さんのおかげで、楽しい時間を過ごすことが出来きました。来年もまた会場でお会いしましょう!そして、ゴール後のスイカ、それから振舞われたカレーライスに舌鼓を打ちたいと思います。

6/18までの走行距離…ラン183km


2 件のコメント:

スピリットZ さんのコメント...

初トライアスロン完走おめでとうございます!
バイクの楽しさが文面を通して伝わってきましたよ~。
トランジションエリアでの他の選手とのなにげない会話は、トライアスロン独特のものですね。マラソン大会では、まずありえませんw
これからも頑張ってください!今度は一緒にレースを楽しみましょう(^_^)/

cyguns さんのコメント...

スピリットZさんへ。
そうなんですよ!もっとバイクに乗っていたかったです。それぐらい夢中になれました。あの感じを練習でも醸し出せたらもっと楽しいんでしょうね。
ぜひぜひ、よろしくお願いします☺︎