2014年7月23日水曜日

ランシュ放浪記(東京浅草編)

 海の日の連休は、子供たちと3人で東京に訪れていた。
 宿泊したホテルでぼくはいつもの時間に目覚め、いつものようにランニングの支度をする。ベットの子供たちはピクリとも動かない。初めての東京の街に眼を真ん丸くしていた。目の当たりにした街並みと風景、そして想像もしていなかった人の多さに緊張と興奮の連続だったに違いない。

 曇り空が広がっている。外に出るとここ最近体感していなかった爽快な空気を感じた。前日の夕方から夜半にかけゲリラ豪雨に見舞われ、翌朝の天候が気になったけれど絶好のジョグ日和となった。
 スカイツリーを見ながら言問橋(ことといばし)へ向かう。思いのほか脚が軽い。普段よりも速いペースになったけれどすこぶる気持ちがいい。
 祝日の朝のせいだろうか、車通りも行き交う人も殆どなく街は案外静かだった。隅田川に近づくと翌週の花火大会の告知が所々に見られる。超人気の花火大会だ。
 街に横たわる墨田川が朝の風情を醸し出している。旅の朝ジョグはその街の印象的な情景を切り取るのには格好の手段だ。

 ほんのすぐ目の前にあるスカイツリーを勿体ぶるように迂回しながらツリーの正面道に出る。すると、道に沿うように流れる小さな川で釣り糸を垂らしているおじさんがチラホラ。
 まさかぁ、こんな場所で釣りぃ?と思い、水面を凝視する。
 案外に水の透明度が高く実際に小魚を釣り上げている。観光名所の演出の一部に過ぎないと思い込んでいた、大都会の小川でまさかの出来事だ。見た目だけではなく細部へのこだわりと自然の力のコラボなのだろうか。いずれにせ素晴らしいことだ。


 浅草通りから吾妻橋を渡り雷門へ向かう選択もあったが、隅田川の河川敷に脚を向け言問橋から隅田公園へ。
 園内は背の高い緑が生い茂っている。そこにはウォーカー、ジョガー、それから太極拳をするグループなど、朝の時間をそれぞれに楽しむ人が集まっていた。
 ぼくは彼らを横目に公園を通り抜け雷門を目指した。
 

 AM6時を回った雷門は国内外を問わない観光客が集まり始めていた。前日人混みを掻き分けるように進んだ浅草寺までの石畳は僅かな距離に感じた。あっという間に本堂に辿り着く。
 お堂では朝の読経が行われていて荘厳な雰囲気だ。汗をしたたらせるジョガーにはちょっと場違いだったけれど、手を合わせお参りはさせて頂いた。
 踵を返し雷門をくぐり抜け、浅草の路地をちょろちょろと散策しホテルに戻る。
 部屋の前に立つと扉の向こうから子供たちの楽しげな笑い声が聞こえる。お互いに楽しい旅の朝を迎えられたようだ。


7/23までの走行距離…RUN 211km

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