2015年6月22日月曜日

第42回Up・Down関川マラソン

 2年ぶりの出走。前回は途中で気持ちが折れてしまい、完走こそしたけれど不完全な想いが残った。昨年は酒田おしんトライアスロンとバッティングし出場できず。そして今回満を持してと言うほどではないけれど、苦い想い出をバネに力を出し切るつもりで臨んだ。

 会場にはたくさんの仲間達が集合した。参加者はもちろん応援組みと称してバイク練を兼ねて続々と登場する。
  

 ハーフ走のぼくたちはスタートの混雑を避けるため前方に待機した。スタートを待つ間、ぼくは小まめに水分補給をする。2年前、待機中から喉が乾いていたのに水分補給を怠ってしまい、早々に暑さに負けてしまった経験があったからだ。今年は同じ轍を踏まぬように、やや過剰装備に見えたであろう日除けの付いた帽子、冷却用のスポンジ、それからジェル状のアミノ酸…ぼくにとって欠かせない対策だった。二転三転する天気予報を半ば無視し、暑くなったときのことを想定して準備した。結果的にこれらは正解だった。

 恒例の前説とスターターの村長さんからの一言。そして、スタートの号砲。
 ぼくはためらいなく前に出た。いつもより気負っていたのかもしれない。4分半でシュミレーションした走破タイムのイメージをなぞらえるように走り出す。5月の白根マラソンの前半が慎重だった反省を込めて、早いうちからスピードに乗る作戦だ。

 陽射しが強い。アスファルトの照り返しがキツく、風がない場所はねっとりと空気が絡みつくようだ。想像していたより難しいレースになりそうだった。下川口橋を渡る頃には速めに入ったことを後悔していた。
 橋を右に折れ、大石川沿いにうねった道をダムの方面へと向かう。ここまではかろうじて4分半をキープしていた。コースの木陰と川から吹いてくる涼風が救いだ。川の中洲では除草作業が行われていて時折その作業音が耳に届く。ウィーンと唸るカッター音とランナーのアスファルトを踏む足音が山間に響き渡る。そうしている間にも気温は確実に上昇していた。レースの後半はきっと暑さとの戦いになるだろう。

 5km通過は23分と少し。意図的に落としたのではなく、落ちてしまったという方が正しい。4分半は最初の3kmまで。もう少し距離を踏めば身体が慣れ楽になるはずとペースキープで進む。
 折り返しからしばらくして、恐らく8kmあたりでスピリットZさんに抜かれる。2年前もこの辺りで抜かれたかも。一瞬、悪いイメージが広がる。彼を中心に5,6人の集団が出来ていた。ぼくは少しペースを上げその集団の後ろに位置した。がっちり並走するほどの余裕はないし、かと言ってあまり離されてしまうのも得策ではない。やんわりと付いていくことにする。10km通過は46分中盤。残り半分と少し、悪くない時計だ。
 晴れ渡る空、緑の稜線に川のせせらぎ。風光明媚な関川村にいつもとは違う、少しいびつに展開するランナーの集団が風景に溶け込もうとしていた。

 再び下川口橋に出て、丸山大橋へ向かう。コースを右折した途端、ピタリと風が止んだ。そして眼前には上り坂が待ち構えている。最初の難関。木陰の坂を喘ぎながら上る。もちろんスピードは保てない。日向に出ると陽射しと傾斜のダブルパンチで更にペースが落ちる。四頭筋を随分と酷使してしまったようで、丸山大橋へ出る頃には脚に強い疲れを感じていた。下りで休ませないと持たないだろうと思った。

 フェマンさんら応援組みから声援をもらう。そしてそこからは下りだ。坂に対して垂直に姿勢を取る。身体を任せ加速する。坂は蛇行しながら続く。ぼくはブレーキが掛からないように坂に身体を預けた。下りきる頃には息も整い平地に備えることができた。辛い上りがあれば、それ相応の下りはあるのだ。ちょっとホッとする。あわよくば前との差を詰められるかと思いきやスピリットZさんはさらに前方に位置していた。赤いキャップが目立つのでそれが良く判った。

 15km通過は1時間9分を超えていた。5km毎23分台は保っている。あと30分ぐらい我慢すれば嫌おなくゴールできるのだと思うと気持ちが軽くなる。けれど確実に暑さにやられていることも認識できた。喉の乾きを感じる間隔が狭くなっている。最初の給水からスポドリにしておけばよかったと反省。ペースキープが難しくなってくる。

 16km過ぎでファイターズさんに抜かれる。順当と言えば順当で走力通りなのだけれど、10mぐらい離されたところで突如ぼくのスイッチが入る。ファイターズさんの背中を追う。ペースがグッと上がる。もしかしたらスピリットZさんにも近づけるかもしれない。ここで力を出さなくてどこで出すんだと、ファイターズさんの背中を追い続けた。
 問いにならない問いと、答えにならない答えが頭の中をグルグル回る。とにかく追いかける。息が切れる。呼吸を深く吸い込む。17kmの坂で並走し、下りですぐにまた前を行かれる。さすがだなぁと感心しつつ追いすがる。千切れない。きっとファイターズさんも脚を使っている筈だし、前を行くプレッシャーもあると思った。粘る。そして最後の給水で再び追いついた。

 赤い鉄橋の小見橋を渡るとゴールのふれあいドームが見える。最後までしっかり踏もうとフォームに集中した。前傾姿勢、腕振り、骨盤…。いつもの練習を想い出し、各パーツを点検するように動作を意識する。この日一番の安定したフォームで走れたのではないだろうか。残り1kmの里程標でもう一つペースを上げ、ゴール前は下り坂の勢いを借りてフィニッシュテープを切った。
 1時間37分34秒。
 仲間に引き出された結果であり、ここを頑張ったことで、ぼくらのランシーンがまた面白くなってきたと思う。お互いに切磋琢磨する理由が整いつつある、そんな関川マラソンでした。 (了)

3 件のコメント:

ゆーサーモン さんのコメント...

お疲れ様でした!
どこまでもハイペースなCygunsさんの走りで、前半は途方に暮れていました。
私の中では、今年の佐渡トキマラソンの記憶が鮮明でしたからね~。
秋のレースでまたいい勝負ができるように、お互いに頑張りましょう(^_^)/

ファイターズ さんのコメント...

お疲れさまでした。
後半の粘りは本物ですね。あそこで完全に千切るつもりでしたが、逆に私が千切られてしまい惨敗でした。
新潟シティでの対決を楽しみにしてますよ~。(^^♪

Cyguns さんのコメント...

スピリットZさん、ファイターズさんへのお返事です。
お二人にはレースでの僕のやる気に火を付けて頂き誠に感謝致しておりますm(_ _)m
ということでランは三つ巴戦ということでよろしいですね(笑)
万全の状態で秋を迎えられるように、夏に頑張りましょうネ!