2017年9月11日月曜日

佐渡釣行 2017.9.9~9.10

 予報通り週末は天候に恵まれた。
 我が家の♂8歳と気の置けない友人2人と共に、先週に引き続き佐渡へ向かう。
 お目当てはイカ。

同の長さで10cm程度のアオリイカ
 なんだか随分昔の記憶のことのように想い出されるのだが、有酸素運動に明け暮れる前、僕を愉しませる行事のひとつが、気の合う仲間達と共に興じる「釣り」だった。
 ターゲットは時期や季節で変わるのだが、秋は絶対外せないのがこの「アオリイカ」。シーズンになると昼夜休日を問わずソワソワしたものだ。

 この数年、釣りそのものを封印していたのだが、昨年♂8歳がどういう訳か釣りに興味を示してから、僕の内部でも俄かに釣り熱が高まり、今秋初戦のアオリイカ釣りは佐渡トラの翌週、佐渡で宿泊して行おうと2ヶ月前から計画していたのだった。

 その初日。予定通り午後2時頃、外海府の景勝地のひとつ、尖閣湾に面する姫津魚港に到着。ここで佐渡在住のTAKAさんと合流。実のところ彼を誘ったのは釣りをするというより、ジョギング目的で誘ったのだったが・・・。
灯台から見た姫津漁港

  開始から1時間半、やっと僕に初ヒットが生まれる。姫津の灯台付近にて、おそらくカマスと思われる銀鱗の魚の群、長さ10m以上、縦に4,5mほどがいくつも湾から外海へ通過し始めた頃のことだった。
 ドス黒い流線型の物対が僕の操る餌木(エギ)を狙い、一定の間合いを取っているのが透明度の高い海面に覗いた。しかも3杯。この瞬間、釣果を確信し僕は大きくエギにアクションを加えフォールさせる。すると思惑通り、彼らのウチの一杯が触腕を伸ばし餌木を抱きしめた。そこを逃すことなく、竿先をグイと上げ、鉋(かんな)にフッキング。驚いたイカは大量のスミを吐く。スミは彼らに取って攻撃であり威嚇でもあり、仲間たちへのサインでもある。水面からイカを引き揚げると荷重がかかり竿がしなる。久々の釣果を実感する。

 この時期は胴長(頭から漏斗)で8~12cm程度のサイズで、食欲旺盛で警戒心もあまりなく、一般的には数釣りが楽しめる。魚の群れ(スクール)の後方や、少し深いところで対象の動向を探り、隙あらば襲いかかろうと坦々と狙っているらしい。
 そんな彼らの習性に合わせて「餌木」なる疑似餌で彼らを翻弄し、釣り上げようとするのが「エギング」だ。
 ちなみに西郷隆盛もこのアオリイカ釣りが好きで、お手製の餌木でアオリイカを狙ったとか。
 当時は木材の表面を炭化して加工、布を巻いてオモリをつけ、そこに鉋(かんな)をつけたようである。漁法というより愉悦目的であり、その経験と博識そしてターゲットへの情熱がなければ作り得なかったのではないかと推測される。

 さて今シーズンの初ヒットを得て満足した僕は、もう一つの目的、TAKAさんとのジョギングへ出かけることにした。翌日もエギングを予定しており、釣果実績の高いポイントを責めることにしていたので、この日はさっさと竿を収めた。

 姫津漁港から県道へと、僕らは民家に囲まれた細くて急な坂道をゆっくりとおしゃべりしながら踏んだ。陽が傾きかけた時間、港から連なる住宅からはそこに暮らす人々の生活の匂いが漂っている。
 県道45号線は先週参加した佐渡トライアスロンのコースだ。ロードバイクで通過したことを想い起こしながら、起伏に富んだ道を上り下りしていると、相棒がコッチコッチ〜と手招きをする。
 目洗い地蔵と地蔵信仰、佐渡に残る砲台の跡地のこと、名ガイドを伴うとほんの僅かな距離のジョギングでもちょっとしたショートトリップになる。

 県道沿いの田んぼには稲穂が垂れ、その向こう側には日本海が広がっている。太陽がゆっくりと海に落ちようとしている。夕暮れ時、僕らは佐渡の景勝地で気持ちの良い汗を流した。


 2日目。早朝5時半には多田(おだ)港へ到着する。
 前夜、肉の脂でてからした口に特大ジョッキで生ビールを流し込み、宿泊のオン・ザ・美一(ビーチ)のベランダのハンモックに興奮する♂8歳や大人達と共に寝不足気味だったけれど、いざ現地に乗り込むと眠気は一気に冴える。
 まずめ時、絶好のポジションに陣取った僕らは、おもいおもいに定位置を決めエギングを開始。早々僕は立て続けにターゲットを釣り上げて周囲の威勢は一気に上がった。
 ・・・が不思議なことにそれからぱったり。太陽が顔を出し海に陽射しが放射された以降、イかのイの字すら感じられなくなる。
 そうなると僕の場合は次の行動へ移る訳で、皆にじゃっと手を挙げてランの装備に早替わり。多田から岩首をランニングで往復して、大汗のそのままジャブンと多田の海にダイブする。

 どこまでも見えそうな透き通る青い海に小魚やらなんやらが、もうそれはたくさんいらっしゃる。海から上がった僕は、♂8歳にイカはいたのかと詰め寄られ、あっさりいないと答えると、大人たちは皆一斉に観光モードに早変わりした。

 赤泊の北雪酒造、松ヶ崎の美しい砂浜(僕は車中で寝ていたけれど)、岩首の棚田観察小屋など、小佐渡の名所を廻り両津へ向かった。

僕らの独占の聖地の筈が・・・

岩首の棚田にて。

松ヶ崎の浜辺

 同行した皆に、僕の都合ですまないが9月1週の佐渡トラの翌週は佐渡釣行とスケジュールを組んでくれとお願いし、またこの時期このメンバーで佐渡へ訪れることを誓う。
 トラから一週間きっちり遊ぶことが出来た、ここからはランモード。そして時々間隙をつくようにエギングに行きたい。
 佐渡よ、また来年!(了)

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