2018年1月16日火曜日

さらば、麻礼。

 昼休み、ボケーとしながらヤフーニュースを眺めていたら、突然目に飛び込んできた。漫画原作者・狩撫麻礼の訃報である。
 僕にとっての狩撫麻礼は「迷走王・ボーダー」「ハード&ルーズ」だ。
 他のペンネームの作品もだいたい読んでいる。まぁ、どちらかと言えば狩撫麻礼の方が好みである。

 ※参考 https://brandnew-s.com/2018/01/15/kribumarei/

 10代後半の僕にとって、ある意味において本当の「大人の漫画」であり生き方の選択であり、当時のバブル絶頂の世相と反する、光の当たらない場所の日常は反逆的でリアルなファンタジーに映った。
 金やモノでは満たせない魂を揺り動かすような何か、たとえば人生を変えてしまうほどの力を持った音楽、拳闘(ボクシング)のルールに則りながら生死を掛ける世界観、無為こそ脅威とする虚無(ニヒル)思想、その当時まさに廃れていこうとする価値観を提起しながら大人の男の焦燥や孤独のようなものを表現していた。

 どの作品をとっても根底に流れる精神は普遍であり、読み手の僕はそんな漫画を読んでいること自体、特別なかっこよさを感じていたものだ。
 いまでも「ボーダー」は大切に保管してある。できれば子供たちが高校生くらいになったら我が家の本棚にこっそり並べようと思っていた。
 時代背景がイミフで、理解できない台詞が散りばめられた変な漫画としか思われないかもしれない、が、それでも我が家では彼を読み継ごうと思うのである。ノスタルジアではなく希望のファンタジーとして・・・。
 合掌。

0 件のコメント: