2018年11月25日日曜日

エンデューロもてぎ2018秋 7時間ソロで参加。

 11/22(木)
 帰宅して、予め準備していた必要なものを車に詰め込んで、いざ出発。

〇バイク用具一式
バイク、メット、シューズ、冬用ジャージ、ビブ、アンダーシャツ、グローブ、シューズカバー、ネックウォーマー、サイコン、前後ライト、パンクメンテ用具、バイクボトル4本、ジェルボトル1本
〇補給
アクエリアス2ℓ×2本、水2ℓ,粉飴150g,120g×各2(クエン酸3g入り)、サバスカフェイン×5個、アミノ酸、濡れせんべい、バナナなど消化に良いものを選択。

 スタートの時刻は気温1桁台は間違いなく、最高気温は10℃の予報なので防寒仕様の身支度にする。一応半袖のジャージも準備するけれど出番はないだろう。
 補給は佐渡トラの経験を踏まえて、想定消費カロリー5,500~6,000Kcalと考え、ざっと4,000Kcalほど持っていくことに。
 スタートはボトル2本150g×2、ジェルボトル(3個入り)、濡れせんべい(1800kcalぐらい)を持つことにした。
 厚手のグローブを着用するのでジェル系はボトルに、固形物はジップロックに入れて携帯した。

 11/23(金・祝)
 宇都宮のビジネスホテルで宿泊してAM5時半に起床。よく眠れた。喉や鼻の具合はほとんど気にならない。時々軽い咳は出るが問題はない、そう思うことにする。
  会場の「ツインリンクもてぎ」へと車を走らせる。秋晴れの清々しい空が広がっていた。太陽に向かって進むので陽光が眩しい。サングラスを持ってくりゃよかったと後悔。ちょっと前なら必須アイテムだったが、遮光バイザー付きのヘルメットを使うようになってから、バイクでは使わなくなってしまったのだ。が、そもそもこの時節、晴れ渡る空のもとでイベントを楽しむ想定がなかったこと、灰色の空でも雨が降っていなければ晴れを口にしてしまう、新潟で生まれ育った悲しい性か。前夜、福島の郡山に入るまでは土砂降りの雨だったし・・・。
ツインリンクもてぎ

パドック
 ツインリンクもてぎ南ゲートに到着。さてここからが問題なのだ。勝手がわからない。スタート地点の後方がパドック、つまり参加者の準備、及び待機場になっているのだが、こちらとしては荷物があるので出来るだけそこに近い駐車場に停めたい。最も近い駐車場はイベントにエントリーした時点で満車だったので、自力で見つけるしかなかった。
 警備の方に尋ねながら道を進み、コースに隣接する駐車場を発見。そこに佇んでいた参加者らしき方に尋ねるとパドックまではそう遠くなさそうだった。

 バケット(愛用している荷物入れ)を片手に、背中にはトラバック&空気ポンプを背負って自転車で会場へ向かう。片手運転は危険きわまりなかったが、7耐スタートの丁度1時間前、無事にパドックにたどり着く。
 天蓋の付いた場所はいっぱいで、所々にテントやらタープやらが張られていて、それぞれの陣地が形成されていた。
 コースではすでに子供たちのカテゴリーが行われていて、盛り上げるMCの声の共に会場全体が賑わいに包まれている。スタート1時間前に到着したぼくのような人間の入り込む余地はなく、孤独と不安の入り混じった寂寥感のようなものが込み上げてくる。No.13と書かれたパドックの外、チームで待機している方々の横にささやかな荷物置き場を作らせて頂くことで、なんとか会場の雰囲気に同化しようと努める。

 準備を整えてひと息付いた。陽射しが暖かくて、グローブとかシューズカバーとかいらなくなるのかな?と思わせるほどだ。周りのいでたちを観察すると指先の出るタイプのグローブや、シューズカバーなしは少なくはない。半パン姿で黒く照かったブッとい脚を出しているツワモノもいらっしゃる…。
 大会の申し込み時、ソロ参加の線良いパドックを用意してありますという、専用という我々の世代にはグッとくるフレーズに胸を躍らせていたのだが、取り敢えずスペースを確保できたことで満足してしまいどうでもよくなってしまった。

相棒のエボシックス。
 スタート15分前、コースへ出る。7耐上級、中級、初心者の看板があって、それぞれにちょっとした間隔が設けられている。僕は初心者の前列「ツインリンクもてぎ」と書かれたコースを跨ぐアーチ看板、その後何度もくぐることになる、そのほぼ真下中央に位置してスタートを待った。

 10カウント、スタートの合図が鳴る。想像し得ない7時間の始まりだ。
 コース幅いっぱいに広がったバイクがゆっくり前進を始める。こんなスタートは初めてでついキョロキョロしてしまう。なかなか壮観だ。
  1周目。まずはコースを知ることに集中。
 スタートからの直線を抜けると、幅の広い下りのS字コースになる。パドックから出てきたバイクと合流する地点だ。前方にはバイク集団が切れ間なく、ひと塊となって規則正しく移動している。まるで海中を自由に進む青魚の集団のように、先頭にその他大勢が連なり広がっていた。その群れの後方線上に僕はいるのだ。
 下りを利用して加速しながら進むと高架をくぐる。そこからは上りの勾配が始まり、左に大きくカーブして本格的な上り傾斜が始まる。勾配はわからない。「ツインリンクもてぎ」と書かれてるアーチ看板がピークポイント。そこを目指して上っていく。
 上りきって一息つく頃、今度は左にヘアピンカーブし、下りの傾斜となり加速が始まる。スピードに乗りながら右にヘアピン。下の傾斜はさらに増し緩やかに左に倒れると、行く手が急に開けてパノラマで視界に入ってくる。これには興奮する。
 そして右に倒れながらコース最大の下りに差し掛かかり一気に加速し、緩やかに左へ倒れて高架をくぐり左にカーブ。下りの恩恵の続く直線を進んで、右に倒れる頃、スタート地点の真裏、パドックの様子が伺える直線に出る。長い直線を楽しみながらコースは大きく左に曲がり、再びスタート地点へ。パドックに進むコースと、周回するメインコースに分かれるのだった。これがもてぎの1周4.8kmの概要である。

 詳細はコチラ↓。
 https://www.twinring.jp/bicycle_m/motegi7h/course/index.html

 ここからは印象に残った事柄を書き連ねていきたい。
 風はスタートに対して始終フォロー、コースの最大の下りと、スタートに向かう手前の直線はアゲインストの風をはっきりと感じた。
 周回を重ねるごとにコースの形状、スタートとの位置関係、コーナーで最適な進路があるというのもわかってきた。それから速い人は右側、遅い人は左側走行という原則ルールに則っとるのにもそう時間は掛からなかった。
 7時間耐久の上級者はもちろんだが、4時間耐久、僕らの4分後にスタートした先頭集団は、もうべらぼうに速かった。等間隔のきれいな長蛇の隊列になって、シャァァァーっとぼくの右側をすり抜けていく。ぼくにとってはまるで別次元だった。
 何周回目かのスタート地点通過の際、ゲストランナーの新城さんだと思うのだが、彼の横を通り抜ける場面があり、思わず振り向いて2度見しちゃった。カッコよかった。 それは彼だけでなく、実業団チームの面々の走りや動作はなるべく目に焼き付けようと、常にチャンスを伺った。

 7時間はやっぱり長いし辛い。特に4時間耐久がコースから消え、2時間耐久の選手が入ってくる間、それまで賑わっていたコースが急激に疎になる。寂しすぎて心が折れてしまいそうになる。さらに、この間はパドック侵入禁止となり補給ができなくなることが判明した。寂しいわ、補給できなくなるはのダブルパンチだ。進入禁止になる前に見計らって補充をする。
 実はソロ参加専用のパドックという場所は、上りのピークの脇にあって、スタート後にそこに補給を預けられたようだ。想い起こせばスタート時、小型のリュックを担いでいる方を散見したのだが、そういうことだったんだ、補充の周回で折角なのでとトイレを使った際に理解した。

 4耐が終了する頃、あーまだ3時間もあるんだなぁー、と思うわけだが、4時間耐久はちょっと短い感じがするし、5時間耐久ぐらいが丁度いいなぁ、なんて思ったりもした。要は7時間はぼくにとってはやはり長かったのだ。
  それでも20周、30周目と区切り毎に鼓舞し、あと10周、40周は必達!としてからは時間はあっという間に過ぎていった。

  結果は42周目でタイムアップ。手元のサイコンでは208.6km、走行時間は6時間49分、Ave30.6km/hという内容だった。
 Ave.30km/hはひとつの目標値だったのでこれはクリア。途中にトイレや補給など休みを入れたのでノンストップではない。
 佐渡トライのバイクパート105kmが3時間半で概ね30kmなので、もてぎではさすがに難しいと思ったが、下りの勢いを上手く使えるコースの形状と、単独走になりにくいことで助けられた。この、単独走になりにくいとは、裏を返せば誰かの後ろを走ることも可能なのだ。だが僕はあくまでも自分のペースを守ろう、というトライアスロン的な考えがあったので「20秒ルール」で前に出ることを繰り返した。それもひとつだが、むしろ積極的に、臨機応変に前を活用して走り切るという思考があっても良いかったかなぁ、とも今になって思う。リザルトを見てそう感じた。貪欲に周回を重ねる思考もアリな大会なのだ。
 楽しんだ者勝ち!とこの大会のキャッチコピーにはあるが、走り終えてみるとまさにそのフレーズはぴったりだ。ソロ耐久はどうなることかと不安しかなかったがと良い経験になった。
 気持ちよく送り出してくれた家族と、7時間一緒に走ってくれた新しい相棒のエボシックスに感謝である(了)。

 ※追記
 7耐で消費した補給は、粉飴入りのスポドリのボトル3本、水ボトル1本、ジェル4つ分。固形物は食べる余裕がなかったというのが実情。
 また、空になったボトルをホルダーに入損ねてコースに落としてしまったが、予備のボトルを持っていって正解だった。


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