2020年2月10日月曜日

第66回桐生堀マラソンのこと 2020.2.8~2.9

ひっさびさのレース回顧録。Tシャツ欲しさにエントリーし続けている「桐生堀マラソン」について記します。

 今年は前日入り。2/8(土)午前、自宅とジムで汗を流しコンディションを整えてから、午後JRを乗り継いで桐生市へ向かう。
 上毛高原で景色は一変して、澄みわたる空の陽射しが眩しい。ぼくのスイッチも切り替ったように気分が上向いた。高崎からは各駅停車に乗り継ぐのだが、車窓からうかがえる赤城山が青い冬空に映えていた。
 あたりが暗くなりはじめる頃、桐生駅に到着。人通りの少ない商店街を通り徒歩5分、宿泊先に到着する。会場へも徒歩5分とかからない好立地。事前にお願をいして、走り終えたあと、お風呂を使わせていただけるようにしていただき何も言うことはなかった。時間が止まったような古びた和室ではあったが、萎びたオッサンひとりの素泊まりとしては十分だった。
 自宅から、ここ桐生の宿泊先までドアトゥドアで3.5時間。余談だが移動の交通手段は先の通りJRの週末パスを利用、宿泊は貯まったポイントを駆使するという低予算の一人旅。申請の際、我が家の財務大臣は一瞬は躊躇したが、文句をつける隙はなく即承認。これまでは早朝に冬の高速道をひた走って現地を目指すのが常だったが、こたびは身体に優しいスケジュールが実現した。

 9(日)レース当日。起床は5:30。不思議で仕方ないのだがアラームの少し前に目が覚める。すこぶる快眠だ。どこからかする部屋の物音、通過する電車の音も、すべて耳障りの良いノイズに変わる。起き抜けだったが消化を考えてもうしわけ程度に胃にものを入れ、レースとチェックアウトの準備をする。

 天候は晴れ。会場の新川公園にはAM8:20分頃に入る。なんならスタートの20分前に宿を出て、位置についてもよかったが、まずは大会の景品を受け取ることにしたのだが、とにかく外は寒く凍えた。防寒対策はそれなりだが限度はある。風(赤城おろし?)に吹かれるのと、陽が射すところに出るとのとでは感じる気温差は雲泥だった。景品の受け取り場所を目指して公園の中を突っ切る途中、猛烈な風が吹いてあたりに陣取られたビニールシートが宙に舞った。
 外にいると寒さで消耗しかねない、一目散に公園に隣接する図書館に逃げ込んだ。車で来たときにいつも場所取りをする建物だった。

 開始15分前にスタート地点へ向かう。風にあたると身をすくめてしまうような寒さだ。強く吹く風が恨めしい。これではアップをしてもスタートまでの時間で熱を奪われてしまう。容赦がない。走り終えた後に景品を取りにくればよかったと後悔した。
 ウォームアップはそこそこにして、スタート地点に集まるランナーの群れに紛れて待つことにした。はてさて、この風は走り出したらどっちから吹いてくるのだろうと考えを巡らせてみる。上半身にまとった保温のビニール袋が手放せない。

 スタート1分前のコール。いつものルーティーン、鬼滅(きめつ)ふうに表現すると「全集中の呼吸」をやる笑。
 定刻スタート。走り出しの1kmは4:44。スタートの下り坂がペースを担保してくれる。2年ぶりだったがコースの設定は寸分に変わっておらず、時折目に映る風景が記憶と合致する。ランレースとしても実に9ヶ月ぶりで、いささか走り方を忘れてしまった感はあったが、前半はやんわりと、このコースは折り返しまで上り基調となるのでペースキープ、息を整えることに注力する。
 4kmぐらいからかな、少し上り基調になる。進むにつれてところどころ傾斜がきつく感じられ、時折コースに吹き込んでくる風は弱くはなく身体を冷やした。
 傾斜は山岳コース(湯沢コスモスハーフとか)のそれにくらべれば重力に抗うようなポイントはない。どちらかといえば緩やかだろう。そんなことを考えながらペースを落とさないように地面を踏み、気がつけば折り返しまで到達していた。その手前の10kmは47分と少しで通過した。

 折り返し。言わずもがな下りが続く。すっと気持ちが楽になる。ここからはしばしイージーモード。重力に引っ張られれば良いのだ。
 目線の錯覚もあるだろうが、随分と上がってきたものだなぁと感じつつ、下りだからと言ってオーバーペースにならないように、時計をチラチラ覗きながらアスファルトを踏む。勝負は終盤。道が平坦になったところからが自分との勝負と決めていた。12km地点で思い出したかのように手持ちの補給を入れ、後半に備える。

 終盤、残り2.5kmの地点で5km走のカテゴリのランナーと交わる。ランナーの密度が上がる。そういえばそうだった。ここが特筆ポイントだったことを想い出す。前にいる大勢のランナーの背中を追いかけるようにしてBPMを上げハァゼィする。
 最後まで持つかな。商店街を挟んだ大きな通りは左右から声援が飛び交う。自分に送られているわけではないけれど、走る力に変わる。ゴールはそう遠くはない。持続できるペースで脚を、腕を、身体を動かした。
 後半の10kmは45分台。そしてフィニッシュは1時間36分台と久々のタイムで完走した。

 ゴールを通過してすぐに建物の中の荷物を取り、完走証を受け取り、そのまま宿泊先へ向かい風呂を浴びる。AM11時前には帰路につく支度を終えていた。
 次回以降、この大会に参加するフォーマットが仕上がったかもしれない。会場と宿泊が近接するというのは恩恵が大きいと感じた今年の桐生堀マラソンだった。
 そうそう、今年の参加賞のTシャツはグリーン、いつかの青のデザインに少し似ていると思った。(了)

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