それに、これまた使っていなかった輪行袋にも少々てこずった。どちらも時間の経過を物語っていた。
競技と継続的に関わりを持っていたつもりが、実はそうでない証拠を突きつけられたみたいで萎える。コロナ禍の空白からのリスタートではあるけれど、少なからず経験者の矜持みたいなものがあり、先のパッキングのようなところで、なんだかなー、と誰に向けるでもない、自分に戻ってくる台詞をつい吐いてしまう。いつ何時でも謙虚でなければならないということか。
忘れてしまった、以前は上手くできたのに・・・。そんな愚痴をこぼしても不毛でしかない。経験を通じ、現状把握して、次に繋ぐ。何事もその繰り返しなのだ。
7/16(土)、新潟からの始発のフェリーで佐渡に到着。そこは3年の時間経過を感じさせない、ぼくの知っている変わらない場所だった。輪行ではいつも1階ロビーで準備を整える。同じようにバイクを組み立てる人々の中に加わり、一つ一つ確かめながら支度を整えた。佐和田、河原田の宿泊先を目指してペダルを踏んだ。
敢えて遠回りしようと考えたのが裏目に出て道に迷ってしてしまったが、遠方からでも目視できる建物を目指し、あらかじめ伝えていた時刻には到着することができた。背負っていた重い荷物がなくなり、身軽になる。宿はOWS会場と目と鼻の先、海岸に向かうと会場設営が始まっていた。
会場の佐和田海水浴場から、この日のworkoutの本番としてサドルにまたがった。小佐渡、Bタイプのバイクコースの記憶の整理が目的だ。再び、両津へ向けペダルを踏む。佐和田の街からバイパスを通り、新穂を抜け両津港へ。道中、大佐渡から吹く風がアゲインスト気味だが、時折涼を運んで心地よい。晴れ渡る空の下、田園の広がる風景もなんとも気持ちがいい。
住吉、水津、岩首、多田、赤泊、羽茂といった小佐渡沿岸ではは概ねフォローの風となり、サイコンで思わぬ速度が表示されることがしばしば。悪い気はしない。
頑張ってペダルを回す上り坂、下りの勢いを活かして楽ができる地点など記憶を辿った。多田から少し先(多分)に新しいトンネルが完成していた他は記憶の通りだ。小木港、小木の坂の手前まで一気に進もうとペダルを踏んだ。
頼みの補給は、自宅から持参した粉飴入りの2本のボトル。10分刻みの時計のアラート設定で、定期的な補給を怠らないようにした。こまめに補給していたので羽茂の手前で底をく。陽射しはピークに近かく、喉の渇きを我慢するにはかなり厳しい。小木に入ってすぐに飲料を補充したが、渇きに耐えられず、ほとんど飲み干してしまい胃に水が溜まった。
それが仇となった。必要だったのは飲料よりも身体を冷やす冷却水。脆弱な冷却装置しか持ち合わせのないぼくは暑さは大の苦手だ。小木港の風通しの良いところで息を整えながら、サイコンを眺めた。河原田から約80km、Ave.31kmちょい欠け。平均速度はフォローの風の割にいまひとつの印象だった。
小木の坂のピークは、おけさ柿の看板までの4km弱。しかし、登り始めから白旗を上げた。まるで歯が立たない。練習不足、暑さ、そして胃に溜まった水が邪魔だった。ペダルに、身体に力を込めることができない。体調を戻そうと胃の中の水分を吐いた。そして改めて吸収の良い飲料を入れ、自販機の冷水を身体にかける。
坂を登った分、当然下りになるが風はアゲインスト。脚に負担を感じ、やむを得ずギアを落とすと、負けた感じがする。しかし身体に力が戻るまでは耐えるしかない。
2度ほど冷水で身体を冷やしたことで、真野の手前で復活の気配を感じる。下り道にも助けられた。勢いを取り戻して河原田に辿り着いた。本番ではもちろんこの後があるが、こういう経験をすると不安だ。そこに至るまでの過程もあるが、今日の練習で持久力に注文がついた。現状の実力はこの程度だと謙虚に受けるしかない。
サイコンは108km、3時間半を少し切るぐらいだった。休憩を挟んでいるのであくまでも参考まで。翌日に疲労を持ち越さぬよう、近所のスーパーに飛び込みバナナに牛乳、アイスクリームなんかを補給した。計画ではバイクの後に少しランニング、更に試泳までをと考えていたが、そういう気にはまるでなれず本日のworkoutはここで終了となった。(後半に続く)
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