2023年8月4日金曜日

ランシュ放浪記 皇居ラン

 我が家の情操教育の一環として中3男子と東京へ。つかさずぼくはスケジュールに皇居ランを組み込んだ。実に9年ぶり、もしかしたらもっとかも。
 朝4:00。わずかに空は白んでいる。絶えず車の走る音が聞こえ、ビルの合間に烏の鳴き声がこだまする。ホテルから皇居外苑は1kmほど。だいたいの見当をつけて建物を縫うように走る。あたりに人影はないけれど、ビルを見上げると高いフロアのいくつかにあかりが灯っていて、まさか仕事でもしてるのかと想像する。なにが行われていても不思議はない。こちらも早々朝にランニングしているのだから。普段通りとか当たり前なんてものはひとそれぞれにあるのだ。

 スタート地点は和気清麻呂(ワケノキヨマロ)像のある大手濠。あたりはまだかなり暗い。左にお堀、右に丸ビル。国立近代美術館あたりから道は上りになる。詰所には警官が立っている。朝の挨拶をするとしっかり帰ってきた。外苑の警備は思いのほかに多い。

 千鳥ヶ淵の公園には散歩する人やベンチに佇む人を見かけた。ここまでランナーとの遭遇はない。
 半蔵門から視界が開ける。皇居の石垣と深い緑色の濠に、鮮やかな芝生のコントラスト。現在に至るいたるまでの重厚な歴史を感じずにはいられない。下り坂となりピッチがあがり、BPMも上がる。
 国立劇場、最高裁、桜田門そして日比谷公園。左折すると右手には丸の内のビル群が姿を現す。東京駅を垣間見て、スタートの清麻呂像まで駆けて概ね5km。さぁもう1周。再び同じ道をいく。日が昇り、あたりが明るくなるといくつかのランナーの背中をみる。どこからか蝉の声が聞こえ、通りの車の数が明らかに増える。ロードバイクもちらほら。皇居の周辺はランニングだけでなないようだ。
 丸の内からこちらを目指しているであろうランナーを散見する。気温はすでに高く空気は蒸していた。清々しい時間は一瞬だった。ぼくは清麻呂像でひと息入れてホテルへ戻ることに。ランニングの時間はあっという間だった。皇居周辺の風景は表情が豊で飽きない。用も足せるし。これはランナーに喜ばれる場所だ。念のため補給はあったほうがいい。また機会があれば訪れたいと思う(了)。

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