2026年9月11日金曜日

2026 佐渡トライアスロンAタイプに初めて出場したこと

 今年の佐渡Aタイプはスイムの安全性を確保できないことを理由に1周1kmのコースを2周する2kmに短縮、バイク190km、ラン42.2kmの合計234.2kmで開催された。
 国内最長のトライアスロンレース、制限時間は15時間。太陽が昇りはじめる6時半に佐和田海水浴場をスタートし日の沈んだ18時半にフィニッシュテープを切った。初めてのAタイプの走破タイムは12時間4分
 絶景の舞台、佐渡島を丸ごと使う贅沢な遊びだった。子供の頃、外で夢中で遊んで気がくと日暮どきを迎えた記憶が甦る。黄昏るランコースではかつての子供たちが懸命に約束の場所を目指していた。

ツカサスポーツさん撮影

 自称トライアスリートを名乗るとき、その誰もが意識する最大のクエストが佐渡トライアスロンAタイプである。ぼくはいまの今まで出場する勇気を持てず、おおよそ半分の距離のBタイプに参加してきた。しかし昨年のBタイプのバイクの最中に突如「Aへの挑戦」を決意した。
 空から降り注ぐ夏の陽射しが、小佐渡の海原に反射してキラキラと輝いてとても眩しかったのをよく覚えている。心の裡に秘める想いはあったのにはちがいなが、なぜそのタイミングに腹を括れたかはわからない。脳内麻薬のなす衝動だったのかもしれない。

 Aタイプ完走へむけの準備をはじめる。決意を形にした新しいバイクが3月に納車された。しかし、その頃は怪我で都内のフルマラソンと宮古島トライを棒に振り失意のときを過ごしていた。新車に跨ったのはGW付近。そこから本格的に攻略にむけたトレーニングがはじまった。
 週末100km超のバイク走、ブリックラン、暑い日の屋外LSD走、バイクコース実走、OWSをひと通りこなし、大会の2週間前からはしっかりテーパリングを施した。補給計画の組み立て、トランジションのシュミレーションなんかも行なった。
 分水嶺は8/15(土)のAタイプのバイクコースの実走。容赦のない陽射しのなか、吹かない方がいいくらいのぬるい風を受けるハードモードのもと、トランジションの設営される佐和田海水浴場からスタートして時計回りに大佐渡から両津、小佐渡へとペダルを漕いで終盤の難所の小木の坂や三川を経験する。ネットで7時間、グロスだと7時間半を費やして河原田に戻った。
 小木の坂では売り切てしまいそうな脚で1番軽いペダルをクルクルまわしながら激しく後悔した。もちろんAタイプにエントリーしたことを。喘ぎ喘ぎ進み、売れ残った脚で三川の坂を上ると、左手に展開する夕暮れの海が目に映った。海に沈まんとする大きな太陽がそこにあった。何度も佐渡を訪れているけれど、この場所から日本海に沈む夏の夕陽をながめたのは初めてだった。それもサドルの上で。橙色に染まる海を横目にクルクルとペダルを回した。
 ーどうすればこのあとのフルマラソンへ繋げられるのだろうか。景観に心を奪われながら、補給計画を見直すことにした。

 本番では補給に努めた。バイクを漕ぎ出してからはエネルギーを継ぎ足すように早め早めこまめな補給を行なった。ペダルの力の加減、オーバーワークにならないように意識しながら。
 設置されたバイクエイドの距離間を把握、区間毎で摂るべき補給を具体化し、ほぼ計画に沿った。AS、WSには停車、しっかり補給をする。
 ハンドルが忙しくなくなったら何かを口にする。ペダルを回しながら常に何を口に入れるかを考えた。練習ではまったく使ったことのない塩タブレットを急遽取り入れたが、ちょい足しの補給として大いに助けられた。チームメイトのひたすら塩キャラメルを頬張る作戦がお手本だった。そしてバイク終盤、真野から八幡間で次のランに備えた仕上げの補給をむりやり口にした。

 天候に恵まれた。風の影響もはあることはあったが、風は雲を運び、陽射しを防いでくれた。暑さ対策をしっかりしていた分、確実にアドバンテージを得る。
 それから過度な水分補給は必要としなかった反面、トイレで用を足さねばならなくなった。長丁場では致し方ないか。白瀬のエイドではドリフのコントよろしく、呆れるくらいに止まらなかった。
 ランの補給はざっくりしていたが、ここもバイク同様に各エイドステーションの配置を距離換算し充分水分は取れると踏んでいたので、補給は通常のフルマラソンの装備だった。ただしエイドの間隔がそう長くはないので飲みすぎないように注意した。

 ぼくは確信する。長丁場での好走の鍵のは補給だ。肉体的精神的疲労に苛まれても、口に入れたものはよく咀嚼して飲み込む。そうすれば身体は消化吸収し出力してくれる。補給を怠らなければ動作の継続は可能なのだ。
 トライアスロンは食べるスポーツだと誰かが言っていたが、距離や時間が伸びるほど、それが試されるのではなかろうか。そして汗として外へ出る水分はもとより、一緒に放たれた塩やミネラルを再び取り込んで生理サイクルを再構築する力もまた必須なのだ。つまり長い距離を食べながら、飲みながら練習することが理にかなっているのだ。
 これはレース後のリカバリの際に知ったのだが、そもそも運動中の血液は筋肉といった機動系に回されてしまい内臓の血流は80%程度現象するらしい。そこに消化吸収が良いとはいえジャンジャン放り込まれれものだから消化内蔵系はたまったものではないらしい。これが長時間にわたることによって能力は低下し、レース後はの内臓疲労の回復に焦点を絞らねばならないそうだ。
 とりあえず初A出場の経緯と、この経験を通じて補給に対する考え方が大きく変わったという話でした(つづく)



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