白根総合公園 |
スタートゲートに近い位置に待機する。昨年、割と後方からスタートして総合公園を出るまで様々なペースのランナーに囲まれ走りにくさを感じたからのことだった。
スタート1分前。
気持ちを抑えるように周囲の景色に目を配る。空には厚い雲が点在し、木々の緑が風に揺れていた。顔を上げたままゆっくりと深呼吸を繰り返す。
号砲、スタート、始まりだ。
ストレスなく総合公園を抜ける。国道と並走する道に誘導される。ちょっと息が辛いぐらいのペース。前方に走力の高いヒグマサさんの背中を見る。それから察するにきっと悪くないペースだろうと思った。1km通過は4分25秒。時計を確認ややセーブする。次いで2km通過は4分30秒。まだヒグマサさんの背中を確認出来る位置にいた。そして、しばらく進むとファイターズさんがぼくに声を掛けながら軽快に駆け抜けていく。ぼくは合図替わりに、速いっ、と声を出す。そこから、ぼくのやや離れたところにはファイターズさんの背中があった。
所謂、農道と言われる左右田んぼが広がる道に出ると風を強く感じた。周辺に建物がないのでコースを右左折するたびにアゲインストやらフォローに風の向きが変わった。ぼくらはつねに風と共に走るのだった。
ゼッケンがバタバタと風に煽られ叩かれる音が聴こえる。先月の佐渡の前半もそうだったことを思い出す。時折、風が強まり。その度に風と喧嘩しないよう身体を丸めなければならなかった。
5kmの通過は22分の後半。想定より少しだけ速い。
息を入れる。大きくペースダウンしないようにほんの少しだけ。暫く我慢すれば身体が順応して楽になるだろう、そんなことを思いながら身体を動かす。そして8km過ぎでその通りになる。
通過する学校のグランドでは部活動が行われていた。子供達の甲高い声を耳にしながら予定より早いタイミングでアミノ酸を手に取った。15km以降の走力を担保してくれることを願う補給だ。
10km通過は45分後半。概ね予定通り。ここから1秒でもペースを上げよう、そう考えて風に向かう。けれど思うようにはいかない。一進一退が続く。
13kmあたりでコースを右折すると不意に無風となった。陽射しを全身に浴びて心地いい。すぐには気づかなかったけれど、それは完全なフォローの風から来る恩恵だった。並走していたランナーがペースを上げぼくを越す。ぼくも負けじと追い駆ける。レース中盤、最も速いラップを刻んだ。
15km通過は68分と数秒。予定から遅れている。そして、そこからの区間はアゲインストの風になった。本来ならば風除けになるランナーに取り憑いて、上手くやり過ごすことが賢明なのだけれど、遅れを取り戻そうと自分から動いた。余力はあった。積極的に自分のペースを貫いて前へ前へと進む。それでもキロ4分30秒。ここがタイムを左右した要所だったと今にして思う。
田園地帯を抜け、住宅地に戻ってきた。すると途端に風が弱まる。ゴールまであと少し。
学校のそばを通過する際「小林小学校」とあり、回文かっと、ひとりツッコミを入れる。苦しいなか、ちょっとだけ気が紛れる。
ラスト1kmの里程標を通過して時計を確認する。90分と30数秒。目標の95分切りはちょっと微妙に思えた。けれど、とにかく最後まで、残りの力を使い切るつもりで走ろうと思った。
総合公園に入りフィニッシュゲートのあるグランドへと駆けた。
ゴールに飛び込む瞬間、ぼくは大きく両手を挙げた。減速するとすぐさまスタッフの方が大きくて厚めのタオルを肩にかけてくれた。タオル地の温もりがとても気持ちよかった。
結果は1時間35分15秒。
惜しくも目標に届かなかった。それでもPBだと自分を励ました。これが今の実力。次のシーズンにまた頑張ろうと気持ちを切り替える。ぼくの本命のハーフマラソンの幕が閉じた瞬間だった。
終了後H間さん、骨っ娘さんと共にバイク自走で阿賀野クリテリウムの観戦に向かった。現地でスピリットZさん、ファイターズさんらと合流し試合を観戦する。
初めて目の当たりにするバイクレースの迫力に圧倒される。今年はバイクともっと深い関係が築けそうな予感がした。ここからしばらくはバイク、トライアスロンを意識したトレーニングに力を注ごうと思った。きっと、それら全てが走力にリンクするはずなのだから。
2 件のコメント:
白根マラソン、お疲れさまでした。
後半は向かい風の強風の影響が大きかったように感じます。今回私は風よけとなるいいペースメーカーを見つけて走れたのでちょっとズルしましたけど、それがなかったら負けていたかもしれません。また次回のレースで勝負しましょう。!(^^)!
ファイターズさんへのお返事です。
コメありがとうございます。いやいやまだまだ勝負になりませんよ。けれど少しでも刺激になっているのなら嬉しいし、僕にとって刺激になります。ランは秋に向け練習の内容を変えます。お互いに頑張りましょう!
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