2019年8月7日水曜日

佐渡OWSのこと 2019.8.4

 OWS前日8/3(土)
 ほぼ佐渡トラ本番の装備でパンパンになった、重量感十分のトライリュックを担いで、宿泊先の八幡をめざしてバイクを走らせる。途中、潟鉄のお2人に会い、小佐渡回りの水津は通行止めのために迂回ルートを通らねばならないと教えていただく。
 そのルートは、上りの続く山合いを抜けるコースなので、どうしたものかと躊躇したが、今回の佐渡上陸は頼れる仲間が大勢いたので、予てからの通り八幡から再び両津に戻り、迂回ルートを含めて佐渡Bタイプの小佐渡コースを走ることにした。

 この時期は、なにはともあれ暑さ対策と補給が大切だと思う。さらに今ぼくは、1日1食生活も合わさってスタミナにも若干の疑問符が付く。
 両津のコンビニでクラッシュドアイスを購入してボトルに詰める。上りの続くルートを乗り越えるためのかけ水に使うのだ。気温30℃以上でのバイク練は、そう多くはこなしていないので慎重に進める必要があった。

 赤玉地区へ抜けるその迂回路は、以前通ったことがあったので想定が出来ていた。上り初めから頑張らずやんわりとペダルを踏む。速く行こうとは微塵も思わなかった。
 進むにつれて雲がかかり、陽射しが遮られ涼しくなっていくのは歓迎だったが、汗はまったく止まらない。ちびちびと補給しながら、時折かけ水で頭と首を冷やし頂上を目指した。
 棚田の中を葛籠(つづら)に折れる下り坂を一瀉千里で駆けるのだが、途中、後輪をロックしてしまい横滑りし、あわやガードレールに突っ込みそうになり肝を冷やす。アスファルトが濡れていることも手伝ったか。後輪が横滑りする嫌な感覚が残り、以降の下りは臆病なハンドルとなってしまう。

 迂回ルートを経て、海岸線をトレースする佐渡一周線へ出る。全身で陽射しを浴びながら平坦な道をDHポジションで軽快(な、つもり)に進む。
 岩首、赤泊で補給を購入、小木ではトイレ休憩を入れる。小木港の東屋で一息ついていると、宿泊が一緒のKさんが突如現れてお互いに驚いた。ぼくはそれを合図に腰を上げ、小木の坂へと向かうことにした。
 以降、西三川で小休止を入れ補給を切らさないようにしてBタイプのバイクルートをトレース、再び宿泊先の八幡へ辿り着く。サイコンは実働3時間半を示していた。

 ちょっとしたスイム道具を携えて佐和田海水浴場へ訪れる。するとちょうど「OWSのチャレンジスイム」が始まるところだった。
 海岸の東屋に腰を下ろして子供達の泳ぎを眺めていると、Hさんがバイクに乗って現れる。一緒乗ってきたフェリーで別れてから、他の面々と外海府を走ってきたそうだ。
 実はぼくも小佐渡を走り終えたら、外海府の海を目当てに、脚をのばそうかと考えていた。
 佐和田は砂地なので海水に濁りが出るのだが、相川、尖閣湾は岩場なので海水の透明度がすこぶる高い。昨年の夏、シーカヤックで遊んだときの海水の透明度が忘れられないのだ。が、ここまでのバイク練でもう満足。炎天下の空の下、久々の佐渡を感じ一日を終えた。

 OWS当日8/4(日)
 AM3時半頃。ガラガラガッシャーン!と金物を床にぶちまけたような物音で目が覚める。
何事かっ!とは思ったが、誰かが洗面台あたりで何かを落としたのだろうぐらいにしか思わず、それをきっかけに床から離れ、ランの支度を始める。
 未明の空の下、真野方面へ向かって約小一時間のランニング。港で折り返して宿に戻るころにはすっかり夜は明けて、晴れ渡る青い空が広がっている。注ぐ陽射しには力があって今日も暑くなりそうだった。
 部屋に戻ると各自それぞれが支度を始めていて、明け方のガラガラガッシャーンについても話題に上っていた。そのやり取りに何となく耳を傾けながら、ぼくもチェックアウトの準備に取り掛かる。ぼくを含めて6名という人数だったが、誰に気兼ねすることなく自分のペースで物事を進められるというのはとても楽だった。

 スタートの1時間前、会場の佐和田海水浴場には8時半過ぎに到着した。
 1,500mを泳ぎ終えたHさんから海の状況をたずねる。岸へ向かう折り返しから波が強く感じるとの情報だった。
 「波」と聞いてハッと気付く。レンタカーで移動するAさんらに預けた手荷物の中に酔い止め薬を入れっぱなしにしたことを思い出し、アップを終えたAさんを見つけ車へ薬を取りに行く。(スイムチェックの始まる頃にバタバタさせてしまいAさん本当に申し訳ありませんでした。でもAさんは見事年代1位、流石です!)
 そんなこんなで、ぼくはアップはさっと済ましてスイムチェックへ。その後、スタートまでは海水につかり身体を冷やすことに努めた。
 スイム練を怠けていて、半ばぶっつけで臨むような状態だった。僅かながら自信を担保するのは、4月の宮古島を1時間でスイムアップしたことだったが、スタートが近づくにつれて不安が増した。ゲストの松田さんとタッチして勇気をもらい、同じく出場するAさん、Sさんと手をつなぎ、声を上げたりして鼓舞をする。

 コース設定はスタートブイ1からブイ2の間が675m、右に折れブイ3までが100m、また右に折れて浜へ向かうブイ4まで675m、浜と平行してスタートブイ1まで50mだったと思う。これを2周回するのが3,000mの内容だ。
 コースにはコーナーの赤いブイ以外、内ロープや途中の小ブイなどなく、ひたすらコーナーブイを目掛けて泳がなければならないのだった。

 ブイ1の手前で整列して、カウントダウンと共に定刻9:30にスタートする。
 今回のOWSのテーマは基本「1ストローク1ブレスを2回、次いで2ストロークして1ブレスする」で泳ぐことだった。1ストローク1ブレス一辺倒よりは、ブレスが減る分少しは速くなるはずで、そこを明確にしたわけだ。
 これを意識して、他のスイマーとの接触を避けるようにて泳いだ。参加人数は知れていたのですぐにプレッシャーは消えた。それと、ウエット着用の下半身は発汗が多く攣りやすいので、適度に各部位を動かすことも心掛けた。左右キックや下半身のローリングに意識を回す。
 すぐに海底が見えなくなり、群青の海中にポツンと置かれる。あとはひたすら水の中を進むだけだ。できるだけロスなくブイを通過すればよいのだ。
 ・・・こんなふうに記すと、なるほど順調な入りで調子は悪くはなさそうと思われるかもしれないが、不安が先行しすぎて泳いでいてもまったく楽しくなかった。疲れたら1周でリタイヤしちゃおうかなぁー、ぐらいのことを考えるという、前代未聞の超ネガティブだったのだ。

 コースロープや途中のブイがないというのは、真直ぐ泳ぐ技術と進行方向を見定めることを要求されている。
 スタートから最初のブイまでは、ライフセイバーと誤認してしまうことはあったが、沖のブイの視認性は悪くはなかったので、テーマストロークの合間にヘッドアップを入れ確認するこができた。が、苦戦したのは岸へ向かう最中だった。実際、方向感覚を完全に失い確認するためにフロートすることが複数回あった。
 1周目、レース前のアナウンスでアドバイスされた鉄塔が海から認識できなかったし、目標とするブイを見失うことが多かった。
 内に入りすぎて水上ジェットバイクに乗るセーバーに進行方向を正すように促され、次に外に触れすぎてまた軌道修正を促されるというダメさ加減。こうなってしまうと投げやりになりそうだったが、ここは我慢。下手なりにヘッドアップを入れて岸を目指した。

 1周回目を終えるコーナーブイで補給を受け取り一息ついた。2周目に入るに当たり、進行方向は滅茶苦茶だが、掻きとブレスは出来ているから、頑張れとジブン!と諭す。
 2周目のどの辺りかは忘れてしまったが、急に2ストローク1ブレス(以下2S1B)で通せるようになり、ピッチを早めると息切れすることも確認する余裕も出来た。ヘッドアップは二の次で2S1Bを継続して気持ちよく泳ぐことに徹した。もちろ蛇行しまくりだったけど。

 中盤を過ぎてストロークが良くなってきたこともあり気持ちが上がってきた。2つ目のブイを折れてからはフォームを大きくしたりして泳ぎ方に変化をつけたりもした。
 3つ目のブイを折れ、あともう少しで終わるぞ!と気持ちよく泳いでいたら、やっぱりコースを離れてしまいセーバーに促されてしまった。正確には覚えていないけれど、ものすごく丁寧に声を掛けられて、一旦フロートして返事を返した。

 スイムアップは1時間8分。ここでの教訓を活かして9月の佐渡トラに向けてスイムを修正することに。やっぱり中距離練習はしないよりした方が良いし、ヘッドアップのドリルも必要だ。
 また、今回たまたま一緒に行動した皆さんがとっても優しい方々で、ぼくは気兼ねせずに終始自分ペースでやれたことがことのほか良かった。これも良い発見でした。みなさん、ありがとうございました。また来年も宜しく!(了)

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