2024年5月28日火曜日

佐渡ロングライド2024 (後編)

 5/19(日) ロングライド当日

 4:00前に目を覚ます。朝食は前夜に作ってもらったおにぎりと手作り笹団子。起き抜けだが、腹にしまわなければイベントは持たないので黙々と食す。自宅ならばワンコ達がくれくれオーラを出しながら接近してやかましいのだが、静かで穏やかな朝食タイムを過ごす

 5:00頃にスタートに整列。夜はすでに明けていたが、薄く雲のかかった灰色の空が陽光を遮っていた。半袖半パンのチームジャージに薄いジャンパーは少し肌寒い。予報では気温は25℃ぐらいにはなるようで、サドルに跨がってしまえばジャンパーは必要なくなるだろう。昨年は気温が低くて随分寒かったらしいが、今年は天候に恵まれたようだ。
 ぼくはチームドレスコードのヘルメットに造花を一輪挿していた。見知った顔にご挨拶をすると、大抵は頭上をみて笑顔になってくれる。威力は絶大である。

 定刻通り5:30分にウェイブスタートが始まる。先頭はゲストのサイクリストの方々と、今や佐渡スポーツイベントのアイコンとなった松田さん。彼のバイクは赤いトレックのエアロロードに、ぶっといリムのホイールを履いてエグかった。トライアスロンをはじめとし真摯に打ち込む彼の姿を支持せずにはいられない。
 間もなくぼくの番が回って来た。2列横6台の計12台(だったかな?)でスタートを切った。佐渡一周ライドの始まりだ。ここからはエイド間の出来事や印象を綴ることにしたい。

〇スタート地点から相川エイドステーション(AS)(19km地点)
 勢いよくスタートを切った。佐和田湾を駆け抜け、相川へ向かう道中いくつかの起伏を超える。どこかの上り坂で1番軽いギアに入れたところガリガリガリガリーと、とんでもない異音がした。驚く。偶然なにかの拍子で、そうなったのだろうと高を括ったが、不安は募り、後部ギア周りを何度も見た。相川のASは素通りするつもりだったが、降車してギアのスプロケやディレイ部を点検する。目視ではおかしいところは見当たらない。いぶかしながらもバイクに跨った。

〇相川ASから入崎サービスステーション(SS)(42km地点)
 やはりアウターと1番大きい後部スプロケにギアを合わせると異音がする。メカトラブルだと確信。軽いギアが使えないとなるとこの先は辛い。ヤバいなぁと思いながらも入崎SSのマビックさんの黄色い車を発見して安堵した。他にも調整を訴える方がいて、ぼくも列に並んだ。症状を話すと、チェーンの調整がタイトすぎたようだとディレイ部の調整をしていただいた。これで大丈夫ですよとバイクを渡されひと安心。マビックさんありがとうございました。エイドでスポドリを飲んで気持ちよく出発する。
(ゴール後、再びマビックさんにお礼を言ったら、笑顔で喜んでくれた。ナイス、マビック!)

〇入崎SSから鷲崎AS(75km地点)
 Z坂に到達。あまり頑張らないようダラダラと上った。松田さんのコメントで、Z坂よりも小木がヤバいとの台詞を思い出した。確かに必要以上に頑張らなければ、ここはそう大したことはない。小木の坂とは・・・??ちいと不安がよぎった。
 お約束のようにトンネル入り口で下界(いましがたのぼってきた風景)の写真を撮る。トンネルを抜けても上り勾配はしばらく続くのだけれど、途中下界の景色がまた別な角度で一望できる場所があった。そちらの眺めの方がトンネルの入り口よりも良さそうだったので、次にどこか良い場所があったら、もう一度写真を撮ろうと思いながらクルクルとペダルを回したが、気がつけば坂のピークを過ぎていた。
 アクロバティックに折れるカーブが続き、下り坂で勝手に速度は上がる、大佐渡に海岸線が眼前に展開する。風を切り、気分が上がる。

 大野亀の坂で赤い悪魔さんとハイタッチ。ヘルメットの一輪挿しを褒めてもらった。悪魔さんはこのイベントの名物キャラ(非公認)でバイクの実力は相当なものらしいと噂されていた存在だ。もうレースには参加していないようだが、全身赤の装束を身にまとい赤いママチャリも健在でとても嬉しかった。
 (・・・実は前日の夕方、佐和田をジョグしていたところ颯爽と掛ける悪魔さんを見かけて、どこかでお会いすることを楽しみにしていた。)
 誘導に従って進み鷲崎ASに到着。ボランティアの子供さん達と松田さんが記念撮影をしていた。ぼくは空になったボトルにスポドリを補給していただき、すぐにサドルに跨った。

〇鷲崎ASから両津AS(103km)
 少し先に出発した松田さんらのグループを追いかけられるかな?と思ったが、まったく追いつけない。ペースがまるで違う。
 この区間ちょっとした上り坂のたびに大減速する。なかなかに頑張れない。そういえば、ここまでエネルギー補給をしていなかったことに気が付いた。早速、補給を取り出して口に放り込む。両津に近づくにつれて元気を取り戻す。

〇両津ASから多田AS(138km)
 両津ASは鬼太鼓(オンデコ)ドーム。時計を覗くと9時半台。スタートからちょうど4時間が経過していた。まだこんな時間、いやもうこんな時間?どちらかよく判らなかったが補給休憩。食べ過ぎに気をつけて白飯を少しと豚汁で小腹を満たした。偶然、顔見知りに遭遇し近況を報告する
 のんびりしていても詮ないので腰を上げる。両津ASを出て数分もしないうちに突如、右内腿が攣った。唐突にエアロポジションをとったせいか。こいういうとも起こり得るのねー、と妙に納得しながらペダルを踏み続けた。

 お馴染みの小佐渡を駆けた。陽が射してずいぶん明るかった。上り坂では相変わらず大減速するものの順調そのものだった。しかし赤玉地区に差し掛かったあたりで突如、前輪から異音。パンクだった。グレーチングの上を通った直後のことだった。
 すぐに下車してスペースの取れそうな場所を探すが簡単には見当たらない。バイクを押している間、通過する何人かから思いやりのある声に励まされる。
 適当な作業場所をみつけてチューブ交換にかかる。予備は1本しかないので、セオリー通りチューブの漏れ穴を特定し、タイヤ部を入念にチェックした。過去に私的ロングライドでタイヤに残った異物を取り損ねスローパンクを立て続けに起こした経験があるので、できる限りしっかり確認した。レースではないしね。なんだかんだと移動や作業に時間を掛けてしまったが、再びサドルをまたぐことができた安堵した。

〇多田ASから小木AS(163km)
 ここでもヘルメットの一輪挿しは大好評だった。気分をよくして早速小木へ向かう。一里塚などちょいちょい起伏が現れるが、パンク修繕の休憩やら補給が効いてのかスピードに乗れて気持ちよかった。

〇小木ASから素崎AS(183km)
 小木からはまったく未踏のコースだった。坂を「起伏」という表現でこの文章を記しているが、ここいらはまさに激しい起伏の連続だった。そしてトドメを刺すような長い登坂が待っていた。松田氏のおっしゃっていた、「小木の坂」というのはまさにここのことだろう。長い長い坂登りだった。ぼくが今まで経験した中では屈指の坂だ。もしも機会があればこの夏にもう一度挑戦したい。
 海岸部にでると国の天然記念物の「佐渡小木海岸」を初めて目の当たりにして、その姿に舌を巻いた。後で知ったのだがいい塩梅にその一体を海水?雨水?が覆うと、ウユニ湖のように空を写す瞬間があるらしい。今回の佐渡行きで他県からの移住者のカメラマンさんと知り合いになれたので存じ上げているようならばそこんとこを詳しく伺ってみたいものだ。激坂アタックからの小木海岸がモチベーションになりうるだろうから。

 素崎ASではアオサの入っているお味噌汁で塩分補給しつつ舌鼓をうつ。ボラの方に、まだ坂はあるかと尋ねると、あと2つだと伺った。ひとつは西三川だがもうひとつは・・・?

〇素崎ASから河原田(ゴール)(210km)
 ASを出て誘導にしたがって左折すると、すぐに坂が現れる。疲労感からくるのだろうか、なかなか長い。今居る海岸から国道350号線に出るとするならば、間違いなく結構な登りだろう。所々に設営されている標識に従って進むと想像通りに国道にでた。既知のルートに辿り着いたことと同時にゴールまで少しだと安堵する。西三川を抜けてしまえば、あとは適当にペダルを廻していればゴールに着くぐらいの心持ちだった。14:30分過ぎ、朝スタートしたゴールの河原田に戻ってくることができた。

 これにて回顧は終わりにして印象に残った事柄をまとめると、
上ハンの握りとペダル効率、サドル移動
②腰回り、大臀筋の疲労が殆どなかった
メカトラブル(パンク)の対処
 いくつかの気付きや考察を与えてくれた楽しいイベントであった。(了)

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