2015年4月6日月曜日

第29回笹川流れマラソン大会

 幸いなことに雨粒は気になるほどでなく、ジワジワゆっくりと濡らす程度だった。海岸部特有の風もなく気温は8℃。春の新潟の先陣を切るマラソン大会としては、良い環境だと言わざるを得ない。


 第26回大会に参加して以来2度目の出走。第27回は大会そのものが中止となり、昨年の第28回大会はインフルエンザに罹りDNS。なんだか縁の薄い大会だと思い今年はエントリーしなかった。されど縁というのは思わぬもので、故障の為に出走できなくなったトライアスロンチームのメンバーの代走という形で急遽参加することになった。今月末の佐渡トキマラソンのスピード練習を兼ねるので悪くないと考え、寧ろ、出走を買って出たのだ。前走のはなももマラソンでの手応えが躊躇なく背中を押した。

 そんな訳で次走対策として、スピード練習とペースのシュミレーションが大会参加の目的だったが、知りうる多くの実力者が参加しているので彼らとの力量比較や、あわよくばハーフPB更新を期待して臨んだ。
 その実力者の一人、スピリットZさんと共にスタートを切った。
 入りの1kmは4分30秒後半。想定より少しだけ速い。いつも想うのだけれどレースとなると普段の練習では出来ない入り方が難なく出来てしまう。そんなことを漠然と想いながら、早めに取ったはずの朝食がまだお腹にあるようで胃もたれを感じる。40秒台をキープするイメージで息を入れた。最初の5kmは様子を見ながら進み、23分20秒台で通過した。

 笹川流れマラソンのコースは海岸線の国道345線をトレースする。日本海の荒波に曝され続ける海岸景勝地が舞台だった。
 スタートしたぼくらの右手には大小様々、無数に点在する岩礁と穏やかな海が映っていた。コースには所々に起伏があって走りに変化をつけることができる。よく言えば飽きがこないが、それなりの苦労を必要とする。
 夏には海水浴を兼ねてジョギングすることもあり、コースの勝手は知っているつもりだ。断崖をくり抜いたいくつかのトンネルは起伏の頂点にあり、暗がりを抜けるたびに入り組んだ海岸線が眼下に広がった。
 折返し地点に向かいペースを上げた。前を進むランナーを捕捉しながらアクセルを定める。それは決して楽な作業ではなかったが、10km通過は46分と数秒。ほぼイメージ通りの時計に収めることができた。
 間もなく折り返して、さらにアクセルを開けようと準備にかかる。少しづつ慎重に。具合は悪くなかった。小一時間ほど走ったことで耐性ができたようだった。強いて挙げれば寒さで手がかじかんでいることぐらいか。胃のもたれ感も気にならなった。

 12kmの通過は55分中盤。気持ち良くやれている割には然程ペースは上がっていない。さっきまで姿を確認できたスピリットZさんが視界から消えた。ぼくもペースを上げなければと焦る。けれど、そんな想いとは裏腹にイーブンペースを刻み続けることしか出来なかった。自身のスピード領域の狭さを感じずにはいられなかった。

 15km過ぎは69分台。このままだと100分切りすら危ういのではないかと不安になる。そんなネガティブな思考を払拭する為にフォームに集中し、ロスを少なくするように努めた。
 カーブの多いコースは出来るだけ直線的に進路を取る。アップダウンする箇所では深く前傾し、大きめのスライドで駆ける。それから、腰が落ちてしまわないように意識する。
 そうこうしていると桑川港の下り坂に到達した。スパートポイントだ。右に折れる長い下り坂を利用して思い切り駆けた。呼吸に苦しさを感じたが、坂を利用した勢いを守って、残る力でJR桑川駅の前を通過。和太鼓の演奏が耳に届いた。

 スタート地点を通過して。すぐ左に折れゴールの桑川小学校を目指した。ゲキ坂と呼ばれる難所が待ち構える。250mほどの上り坂なのだけれど、これがかなり応える。急勾配に入った途端、脚が上がらなくなる。ペースがガクッと落ちる。
 坂の途中に声援を受けた。ファイト!ガンバ!いくつも声を掛けて頂いた。ひたすらに、とにかく上り続ければ、その先にゴールがあると信じ、より深く上半身を倒すようにして脚を上げ続けた。
 やがて頂上に辿り着き、勢いよくゴールへ飛び込んでしまいたかったが、脚が笑い、言うことをまったく聞いてくれなかった。そんなもどかしい状態でフィニッシュゲートを潜り抜けた。


  結果は1時間38分18秒。
 かっこよく言うとコースベストではあるが、満足のいく結果には至らなかった。これがハーフ走に於ける今の実力だと受け入れて、次走に、そして決定的に不足している能力を補うべく今後のトレ考察の糧にしたいと思う。
 最後に今大会に関わったすべての方々に感謝と敬意を表したいと思います。ありがとうございました。本当におつかれさまでした。では、また来年!

2 件のコメント:

ゆーサーモン さんのコメント...

この大会はタイムが出ないタフなコースですよね~。
ハーフのPBを今まで気にもしていませんでしたが、フルばかりに気をかけていてもタイム的には成長しないんだなと思い始めました。
次の佐渡トキもよろしくお願いします(^_^)

Cyguns さんのコメント...

スピリットZさんへのお返事です。
日曜日はお疲れ様でした。
折り返してからのスピリットZさんの加速ぶりは本当に見事でした。ぼくもあれをやりたかったのですが、Zさんのは更に上をいってました!
ハーフ走をもっと研究してそのPB更新はもとより、フルに繋げていきたいものですね〜。