2018年12月31日月曜日

ツバキがいないこと、2018の総括 トレ☆レポ18.12.25〜12.31

 決して埋めることの出来ない空白とは、今のこの状況のことだと思う。我が家のアイドル、ハスキー犬の椿(ツバキ)♀2歳が交配の為に里帰りをしているのだ。
 前夜の彼女のディナーは鹿肉だったらしいが、眺めているばかりで口をつけなかったとか。そんな話を聴いてしまうと、床に伏せどちらか一方の脚に顔を載せ、上目遣いでコチラを見つめる彼女の姿を思い浮かべては、きっと淋しがっているに違いないと考えてしまう・・・。
 あー、こちらがどうにかなりそうだ。きっと、ぼくだけではなく、家族のそれぞれが似たような気持ちだと思う。改めて犬を飼う、動物を家族に迎え入れるとこういう感情を抱くようになるのか。コトを終えたら一刻も早く迎えに行かねばと思うのであった。

 そんな心持ではあるけれど、今年の有酸素運動についての総括をしよう。
 例年ほど多くを語ることはない。継続していれば今年のようなこともあるのだろう。山あり谷あり。夏以降気持ちを持ち直し、結果はともかくレースに出走することができたことを何よりも良かったこととしたい。

 「佐渡トライアスロン」を終えた帰りのフェリーで見た、夕日の沈む海や空の色。全身に受けた心地好い風は暫くは忘れることはないだろう。それから「エンデューロもてぎ」で得た、完走後の爽快感は新たな試みに挑戦しようとするぼくの背中を押してくれることと思う。
 2019年、また次の一歩を踏み出すことが出来ると信じ、汗をかいていこう。

 今年、この文章に目を止めていただいた皆々さま、本当にありがとうございました。来年もいろいろと精進してまいります。時折でよいので立ち寄って眺めてください。
 それでは、来年も皆にとって良い年でありますように・・・。

※ ※ ※ ※ ※  今週のトレーニングなど  ※ ※ ※ ※ ※
25(火)アクティブレスト ペダル練習&筋
26(水)レスト 夜忘年会
27(木)レスト
28(金)レスト 夜忘年会
29(土)スイム1,500m
30(日)室内走8km &スイム1,000m
31(月)ペダル練&ロードSIT5km

【12月のトレーニング(km) …Swim2.5  Bike110  Run193】

2018年12月25日火曜日

劇場で映画を観る〜ナラティブについて トレ☆レポ18.12.17〜12.24

 22(土)、遅ればせながら劇場用アニメ「ガンダムNT(ナラティブ)」を息子小4♂と観た。この劇場版の新作については、GWのガンプライベントで予告をチラと目端にした程度で、ぼくの脳裏からはすっかり剥がれ落ちていた。それがフトしたことで冒頭の23分をYouTubeで配信している事を知り、そしてその続きが観たくなる魔法をかけられて映画館まで脚を運ぶことになった。きっかけ(機会)を作り動機を与えることができて優秀なセールスプロモーションといえるのだ。

 物語は「ガンダムUC」以降であり、1stガンダムから連なる時代背景、つまりスペースノイド(宇宙で生活を営む人々)と地球に住む人々に大別され、物語に登場する大人達は職業、あるいは明確な政治的、経済的な立場が加わり、子供から青年らは純粋で無邪気という安心安定の配置。富野ガンダムのモチーフであるニュータイプ(革新的人類)のお膳立ては原作が福井氏となっても少しも変わらない。
 感想は、そう、UCガンダムは終わっちゃいなかった。福井氏は1stガンダムから続く「ニュータイプ」の概念に横串をグイッと刺してきたのだ。
 言い方は良くないかもしれないが、これまでわりと有耶無耶にしてきたコト、自由に解釈してよかったコトに光が射したのだ。盲が開いた印象だ。
 劇中の「嬉しいことは悲しいことがあるから成り立つ」という台詞に激しく頷きながら、制作の皆さんも、きっとそういうジレンマに葛藤しているのだろうと考えた。
 果たしてこの00(ダブルオー)世紀「ガンダム」の物語はどこまで往くのだろう。コンテツが生まれ来年で40年。某国営放送でのオリジンやら、劇場版、閃光のハサウェイやらと賑やかにやるようだが、僕はこの「ナラティブ」に連なる福井氏の紡ぐガンダムに注目し続けたい。ところで「モノには魂が宿る」これは万国共通の概念なのかなぁ?

興味のある方はコチラ→ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/機動戦士ガンダムNT

※ ※ ※ ※ ※  今週のトレーニングなど  ※ ※ ※ ※ ※
17(月)アクティブレスト ペダル練習&筋
18(火)レスト 食事会
19(水)SITトレ 坂ダッシュ,筋,ペダル練
20(木)ロード10km 軽快走&筋
21(金)レスト
22(土)ロード20km
23(日)ロード20km
24(祝)ロード20km

【12/24までのトレーニング(km) …Swim0.0  Bike60  Run180】

2018年12月17日月曜日

フラジャイルについて トレ☆レポ18.12.10〜12.16

 フックする言葉の一つに「フラジャイル・Fragile」がある。時折、宅配便に貼っている壊れ物注意というアレだ。
 この言葉を耳にしたり見たりすると、頭の中ではスティングの楽曲が流れ、松岡正剛や辻仁成の著書の表紙が頭に浮かぶ。「フラジャイル」とタイトルの付いた楽曲や著作が、脆さ、壊れやすさのイメージを形作っているのだろう。

「頭のなかに残っている記憶の多くは、自身の記憶ではなく、おもに他の人々の考えだったり読んだ聴いたりしたもの、つまりメタ記憶である。」

「人間は自分のことを自分の記憶だけで埋めてはいない。自分にとって憧れたいものを記憶として埋めようとしている生き物なのである。自分をなにか別のものによって構成したり、なにか別なものに託したりするのだ。」

 フラジャイルをメタ記憶して、フラジャイルという言葉の影を映す。
 心身を鍛え、何ものかに挑もうとする根源的な理由がそこにあるのかもしれない。

※メタ記憶(metamemory)
 ある内容が自分の記憶のなかにあるかどうかという知識。メタ知識はこの一部に属する。


※ ※ ※ ※ ※  今週のトレーニングなど  ※ ※ ※ ※ ※
10(月)アクティブレスト ペダル練習
11(火)ロード10km ツバキとジョグ
12(水)SITトレ 坂ダッシュ,筋,ペダル練
13(木)ロード11km
14(金)レスト
15(土)ロード20km 島ジョグ6分
16(日)ロード20km 潟ラン5分

【12/16までのトレーニング(km) …Swim0.0  Bike50  Run106】

2018年12月10日月曜日

トレ☆レポ18.12.1〜12.9

 12月。やんわりとトレーニングに向き合っている。もちろん、まったく身体を動かさないワケではない。他にやるべきこと、優先するべきことをやってからトレに時間を割く感じだ。
 このマインドが今の自分には合っているようで、気持ちが広くなって、トレーニングの質に拘って頑張れるし、一息ついて、また別なトレメニューに移ることが出来るようにもなりつつある。それは独りで学生の頃の部活動をやっているみたいに。
 何年も身体を動かして汗をかいているが、ここに至って具体的に、こう成りたい、こう在りたいという理想のようなものに基づいたトレーニングを意識できている。あとは、それらをルーティーンに落とし、こなし続けられるかどうかだが、そうすることで次の新しい局面を迎えられるかもしれない。

 先日、日常的にトレーニングをやっている、もちろん一般の方と身体を動かすことについて話をしていたらつい花が咲き、その方のトレーニングに対する価値観とか理想について内容が及んだ。
 彼自身、自分はアスリートであるという意識を持って、日常の選択や取捨の価値としているという。それは完全に生き様である。確かに、傍から見ても彼はスマートでかつエネルギッシュ、それでいてどこか控えめなのだが、しっかり芯があり軸がある。現代における紳士と言うのは、まさに彼の在りようなんだろうなぁと思ってしまう。
 一方、僕はいい齢をして邪念や欲望にまみれ、それに呵責すら起らない。僕も彼に少しは見習って日常に臨んでみようかと思う師走のころなのであった。

※ ※ ※ ※ ※  今週のトレーニングなど  ※ ※ ※ ※ ※
1(土)レスト
2(日)ロード15km&サイクリング SIT100mダッシュ5

3(月)レスト 夜お食事会
4(火)アクティブレスト ペダルSIT
5(水),6(木)レスト 体調不良
7(金)アクティブレスト ペダル連
8(土)室内走15km ペース走&SIT、筋トレなど
9(日)ペダル練&ロード11km

【12/9までのトレーニング(km) …Swim0.0  Bike040  Run041】

2018年12月5日水曜日

池谷祐二教授の講演会のこと。’18.12.1

 12/1(土)午前、娘の中学校の保護者会主催の講演会に脚を運んだ。
 スケジュールの立て込んだ日だった。
 かかりつけ医でのエコー検査にインフルエンザの予防接種、バイクのセッティング、それから美容院での散髪・・・。どれもこれも欠くことのできない用事であり、普段の週末ならトレーニングありきで予定を立てるところ、この講演会が入ってきたのでエイヤと詰め込んだ。

 講師の池谷氏の予備知識を全く持たずに出席したが、内容に引き込まれるのに時間は必要なかった。氏の専門である「脳科学」はの僕の興味対象のド真ん中にあり、その大家と呼ばれる方の書物は随分昔から手に取ることが多かった。
 テーマは「効率的な勉強法、25の極意について」といったところだろうか。特に銘打たれた講演ではなかったので、あえてタイトルをつけるならこんな感じだろう。中学生に向けた、近年の脳科学のエビデンスに則った脳の特性と勉強法のお話であった。
 氏の語り口と構成は、聴いているこちらにとって飽くことのない内容で、つい没頭してまった。講演時間の2時間は本当にアッという間に過ぎ去っていった。

 記憶に残った事柄を3つ挙げる。
①「やる気」はやりはじめないと出ない。
②「結果」ではなく「プロセス」を評価する。
③「好き」ほど長続きする。

 ①については、「やる気」をつかさどる脳の海馬の「側坐核」が司っていて、臨床実験(バイオフィードバック)で証明されている。
 何事もやりはじめなければ「やる気」は出ない。「やる気」がないというのは、やりたくないだけのことで、そもそも「やる気」ありきで物事に取り組むのではないのである。やらないについての言い訳が確実に減ってしまった。これは身につまされる。

 本来の講演のテーマは別として、僕は自分の趣味のトレーニングに活用できる事柄がないか終始耳を立てた。先にあげた3つはフックしたもので、他にもいくつか参考になりうる事象の紹介があり、それらが科学的に証明、裏付けされているということが大変な信頼を生んだ。想像を遥かに凌駕する有意義な時間となった。

 講演後、娘に感想を求めたが、彼女は彼女なりにフックしたポイントがあり、参考になったと言っていた。活用できるかはお互いの「やる気」に掛かっているのではあるけれど・・・。
 講師の池谷教授はじめ、講演の開催に尽力した関係者の皆様に感謝します。

2018年12月3日月曜日

トレ☆レポ18.11.24〜11.30

 もてぎはとても良い経験だった。
 トレーニング、出走への準備や計画、そしてレースをすべて独りでこなしたのだが、帰路ににつくまでずっと新鮮な気持ちで臨むことが出来た。
 何事も初めての経験というのは何らかの化学反応を引き起こすものだと思う。こうして初めて体験したエンデューロは、バイクに対する考えをひと回りもふた回りも大きくしてくれた。きっと僕はまだバイクのおもしろさとか魅力のようなものを十分に知らないのかもしれないと感じた。来シーズンはもっと積極的にバイクに跨り研鑽を積もう。それは宮古島の当落に関わらずに・・・。

 これにて今年のスケジュールは終了。ここからは本気で取り組めなかったランのスピード強化を取り入れていく。軽い故障などもあって日程は少々変わってしまったがコンセプト通に進めたい。

※ ※ ※ ※ ※  今週のトレーニングなど  ※ ※ ※ ※ ※
24(土)アクティブレスト 回復ペダル練
25(日)ロード13km SIT100mダッシュ5

26(月)アクティブレスト 夕方ペダル練
27(火)ロード8km ツバキとジョグ
28(水)SIT5km 坂ダッシュ12本&1km走
29(木)レスト 部署忘年会
30(金)アクティブレスト 夕方ペダル練

【11月のトレーニング(km) …Swim0.0  Bike563  Run109】

2018年11月25日日曜日

エンデューロもてぎ2018秋 7時間ソロで参加。

 11/22(木)
 帰宅して、予め準備していた必要なものを車に詰め込んで、いざ出発。

〇バイク用具一式
バイク、メット、シューズ、冬用ジャージ、ビブ、アンダーシャツ、グローブ、シューズカバー、ネックウォーマー、サイコン、前後ライト、パンクメンテ用具、バイクボトル4本、ジェルボトル1本
〇補給
アクエリアス2ℓ×2本、水2ℓ,粉飴150g,120g×各2(クエン酸3g入り)、サバスカフェイン×5個、アミノ酸、濡れせんべい、バナナなど消化に良いものを選択。

 スタートの時刻は気温1桁台は間違いなく、最高気温は10℃の予報なので防寒仕様の身支度にする。一応半袖のジャージも準備するけれど出番はないだろう。
 補給は佐渡トラの経験を踏まえて、想定消費カロリー5,500~6,000Kcalと考え、ざっと4,000Kcalほど持っていくことに。
 スタートはボトル2本150g×2、ジェルボトル(3個入り)、濡れせんべい(1800kcalぐらい)を持つことにした。
 厚手のグローブを着用するのでジェル系はボトルに、固形物はジップロックに入れて携帯した。

 11/23(金・祝)
 宇都宮のビジネスホテルで宿泊してAM5時半に起床。よく眠れた。喉や鼻の具合はほとんど気にならない。時々軽い咳は出るが問題はない、そう思うことにする。
  会場の「ツインリンクもてぎ」へと車を走らせる。秋晴れの清々しい空が広がっていた。太陽に向かって進むので陽光が眩しい。サングラスを持ってくりゃよかったと後悔。ちょっと前なら必須アイテムだったが、遮光バイザー付きのヘルメットを使うようになってから、バイクでは使わなくなってしまったのだ。が、そもそもこの時節、晴れ渡る空のもとでイベントを楽しむ想定がなかったこと、灰色の空でも雨が降っていなければ晴れを口にしてしまう、新潟で生まれ育った悲しい性か。前夜、福島の郡山に入るまでは土砂降りの雨だったし・・・。
ツインリンクもてぎ

パドック
 ツインリンクもてぎ南ゲートに到着。さてここからが問題なのだ。勝手がわからない。スタート地点の後方がパドック、つまり参加者の準備、及び待機場になっているのだが、こちらとしては荷物があるので出来るだけそこに近い駐車場に停めたい。最も近い駐車場はイベントにエントリーした時点で満車だったので、自力で見つけるしかなかった。
 警備の方に尋ねながら道を進み、コースに隣接する駐車場を発見。そこに佇んでいた参加者らしき方に尋ねるとパドックまではそう遠くなさそうだった。

 バケット(愛用している荷物入れ)を片手に、背中にはトラバック&空気ポンプを背負って自転車で会場へ向かう。片手運転は危険きわまりなかったが、7耐スタートの丁度1時間前、無事にパドックにたどり着く。
 天蓋の付いた場所はいっぱいで、所々にテントやらタープやらが張られていて、それぞれの陣地が形成されていた。
 コースではすでに子供たちのカテゴリーが行われていて、盛り上げるMCの声の共に会場全体が賑わいに包まれている。スタート1時間前に到着したぼくのような人間の入り込む余地はなく、孤独と不安の入り混じった寂寥感のようなものが込み上げてくる。No.13と書かれたパドックの外、チームで待機している方々の横にささやかな荷物置き場を作らせて頂くことで、なんとか会場の雰囲気に同化しようと努める。

 準備を整えてひと息付いた。陽射しが暖かくて、グローブとかシューズカバーとかいらなくなるのかな?と思わせるほどだ。周りのいでたちを観察すると指先の出るタイプのグローブや、シューズカバーなしは少なくはない。半パン姿で黒く照かったブッとい脚を出しているツワモノもいらっしゃる…。
 大会の申し込み時、ソロ参加の線良いパドックを用意してありますという、専用という我々の世代にはグッとくるフレーズに胸を躍らせていたのだが、取り敢えずスペースを確保できたことで満足してしまいどうでもよくなってしまった。

相棒のエボシックス。
 スタート15分前、コースへ出る。7耐上級、中級、初心者の看板があって、それぞれにちょっとした間隔が設けられている。僕は初心者の前列「ツインリンクもてぎ」と書かれたコースを跨ぐアーチ看板、その後何度もくぐることになる、そのほぼ真下中央に位置してスタートを待った。

 10カウント、スタートの合図が鳴る。想像し得ない7時間の始まりだ。
 コース幅いっぱいに広がったバイクがゆっくり前進を始める。こんなスタートは初めてでついキョロキョロしてしまう。なかなか壮観だ。
  1周目。まずはコースを知ることに集中。
 スタートからの直線を抜けると、幅の広い下りのS字コースになる。パドックから出てきたバイクと合流する地点だ。前方にはバイク集団が切れ間なく、ひと塊となって規則正しく移動している。まるで海中を自由に進む青魚の集団のように、先頭にその他大勢が連なり広がっていた。その群れの後方線上に僕はいるのだ。
 下りを利用して加速しながら進むと高架をくぐる。そこからは上りの勾配が始まり、左に大きくカーブして本格的な上り傾斜が始まる。勾配はわからない。「ツインリンクもてぎ」と書かれてるアーチ看板がピークポイント。そこを目指して上っていく。
 上りきって一息つく頃、今度は左にヘアピンカーブし、下りの傾斜となり加速が始まる。スピードに乗りながら右にヘアピン。下の傾斜はさらに増し緩やかに左に倒れると、行く手が急に開けてパノラマで視界に入ってくる。これには興奮する。
 そして右に倒れながらコース最大の下りに差し掛かかり一気に加速し、緩やかに左へ倒れて高架をくぐり左にカーブ。下りの恩恵の続く直線を進んで、右に倒れる頃、スタート地点の真裏、パドックの様子が伺える直線に出る。長い直線を楽しみながらコースは大きく左に曲がり、再びスタート地点へ。パドックに進むコースと、周回するメインコースに分かれるのだった。これがもてぎの1周4.8kmの概要である。

 詳細はコチラ↓。
 https://www.twinring.jp/bicycle_m/motegi7h/course/index.html

 ここからは印象に残った事柄を書き連ねていきたい。
 風はスタートに対して始終フォロー、コースの最大の下りと、スタートに向かう手前の直線はアゲインストの風をはっきりと感じた。
 周回を重ねるごとにコースの形状、スタートとの位置関係、コーナーで最適な進路があるというのもわかってきた。それから速い人は右側、遅い人は左側走行という原則ルールに則っとるのにもそう時間は掛からなかった。
 7時間耐久の上級者はもちろんだが、4時間耐久、僕らの4分後にスタートした先頭集団は、もうべらぼうに速かった。等間隔のきれいな長蛇の隊列になって、シャァァァーっとぼくの右側をすり抜けていく。ぼくにとってはまるで別次元だった。
 何周回目かのスタート地点通過の際、ゲストランナーの新城さんだと思うのだが、彼の横を通り抜ける場面があり、思わず振り向いて2度見しちゃった。カッコよかった。 それは彼だけでなく、実業団チームの面々の走りや動作はなるべく目に焼き付けようと、常にチャンスを伺った。

 7時間はやっぱり長いし辛い。特に4時間耐久がコースから消え、2時間耐久の選手が入ってくる間、それまで賑わっていたコースが急激に疎になる。寂しすぎて心が折れてしまいそうになる。さらに、この間はパドック侵入禁止となり補給ができなくなることが判明した。寂しいわ、補給できなくなるはのダブルパンチだ。進入禁止になる前に見計らって補充をする。
 実はソロ参加専用のパドックという場所は、上りのピークの脇にあって、スタート後にそこに補給を預けられたようだ。想い起こせばスタート時、小型のリュックを担いでいる方を散見したのだが、そういうことだったんだ、補充の周回で折角なのでとトイレを使った際に理解した。

 4耐が終了する頃、あーまだ3時間もあるんだなぁー、と思うわけだが、4時間耐久はちょっと短い感じがするし、5時間耐久ぐらいが丁度いいなぁ、なんて思ったりもした。要は7時間はぼくにとってはやはり長かったのだ。
  それでも20周、30周目と区切り毎に鼓舞し、あと10周、40周は必達!としてからは時間はあっという間に過ぎていった。

  結果は42周目でタイムアップ。手元のサイコンでは208.6km、走行時間は6時間49分、Ave30.6km/hという内容だった。
 Ave.30km/hはひとつの目標値だったのでこれはクリア。途中にトイレや補給など休みを入れたのでノンストップではない。
 佐渡トライのバイクパート105kmが3時間半で概ね30kmなので、もてぎではさすがに難しいと思ったが、下りの勢いを上手く使えるコースの形状と、単独走になりにくいことで助けられた。この、単独走になりにくいとは、裏を返せば誰かの後ろを走ることも可能なのだ。だが僕はあくまでも自分のペースを守ろう、というトライアスロン的な考えがあったので「20秒ルール」で前に出ることを繰り返した。それもひとつだが、むしろ積極的に、臨機応変に前を活用して走り切るという思考があっても良いかったかなぁ、とも今になって思う。リザルトを見てそう感じた。貪欲に周回を重ねる思考もアリな大会なのだ。
 楽しんだ者勝ち!とこの大会のキャッチコピーにはあるが、走り終えてみるとまさにそのフレーズはぴったりだ。ソロ耐久はどうなることかと不安しかなかったがと良い経験になった。
 気持ちよく送り出してくれた家族と、7時間一緒に走ってくれた新しい相棒のエボシックスに感謝である(了)。

 ※追記
 7耐で消費した補給は、粉飴入りのスポドリのボトル3本、水ボトル1本、ジェル4つ分。固形物は食べる余裕がなかったというのが実情。
 また、空になったボトルをホルダーに入損ねてコースに落としてしまったが、予備のボトルを持っていって正解だった。