2025年5月26日月曜日

2025.5.19~5.25

★トレーニング備忘録
5/19(月) 終業後、ジムの気分じゃなかったので帰路に着く。外の天候は曇り、やや肌寒かったがワンコズの期待のまなざしに答えて2匹と共にロードへ。空腹感が強く、距離は稼げなかったけれどちょっとしたインターバル走となった。

20(火) 朝、ローラーを10r×2sで途中挫折。ノーカウントとした。終業後はジム、プールへ。終始インターバル泳にて軽めのトレーニング。

21(水)  終業後ジムへ。軽くストレッチした後にエアロバイクを1時間、トレミはフォーム重視のビルトを5km。バイクで汗を流したあとだったせいか、身体が軽くランニングがとても楽だった。

22(木) 帰宅後はロードへ。フォームに気を配り少しハァゼィして頑張るぐらいのペースで進んだ4km過ぎ、眩暈というか軽いハンガーノックのような症状が出てペースダウン。ふと宮古島のランのワンシーンを想い出し懐かしく思い出す。何であれ帰宅しなければならないのでペースを調整しながら走っていると、時間経過と共に改善。8km走で終了する。
 軽い動きだったが時計には反映されなかった。上半身の使い方は改善がみられるがピッチとスライドなのか、留意しなければならない脚部と骨盤の動きのイメージがつかめない。

23(金) 時間調整で早めの帰宅。帰宅後ロードへ。ご近所コースでハァゼィする。

24(土) ブリック練。ハンドルからDHバーを30mm上げてから始めて乗ったが、楽になったのは間違いないが速度に反映されるかはまだ不明。次はDHバーの長さのを10mm程度調整して臨む予定。続いてロードランを10km。終盤に下肢のフォームを掴んでペースが上昇。走っていて楽しいかった。

25(日) 前夜の食事会と悪天候が後ろ髪を引いて、夕方近くに腰を上げる。坂道ダッシュ10本と筋トレ(腹筋ローラー8~10r×3s、サイドレイズ8r×3s、他少し)のコンビ。これはこれで悪くはなかった。

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5/19(月)  ロード4(24) アクティブレスト
20(火)  スイム1.1(21)
21(水)  エアロバイク28(60)、トレミ5(27)
22(木)  ロード8(45)
23(金)  ロード9(47)
24(土) 午前 バイク23(54)、ロード10(58)
25(日)  ロード4(24)、筋トレ
5/19~25(km)…S1.1、B51、R40、Re1

2025年5月19日月曜日

2025.5.12~5.18

★トレーニング備忘録
5/12(月) 喉の奥が腫れモノを飲み込むのが億劫で、すこし身体もだるい。とはいえトレオフは気が引けるので体調と相談しながら身体を動かすことにしてジムへ向かう。
 ストレッチのあと、トレミでインターバル1kmランを3本。つなぎ走と合わせて正味5km。それなりに疲労感があったがもう少しなにかしようとプールへ脚を運んだ。何本かとにかくゆっくり泳いでフォームCKし、100m泳を1本だけ頑張って100秒台。久しぶりの時計がとても嬉しかった。

13(火) 朝、筋トレを少し。ローラー10r×5s、ダンベルを使って上半身に刺激を入れる。終日出張。移動疲れでトレオフ。

14(水)  終業後、さっさと帰宅してワンコズとランニングにでる。夕暮れの清々しい空の下、久々に一緒に走れて楽しかった。彼らの若い頃は小1時間走り続けるのなんてまったく楽勝だっが、加齢したいまは前半の勢いはあっという間になくなってインターバル走さながら、小休止をいれながらのランニングとなった。
 自宅に戻り彼らをリードから開放して再びランニングへ。目下、フォームの見直しというか、修正に取り組んでいるのだが参考する教本の内容は悪くなさそう、気付きが多い。

15(木) 休養。夜は某温泉地で食事。

16(金) 帰宅後ロード。頑張るつもりはなかったけれどいざ走ってみると楽しくなってしまった。フォームの見直しが軌道に乗りつつあるのか、そんな感触を得たランニングだった。

17(土) 午前中ジムへ。ビルト的なトレミ走10kmのあと、エアロバイクを少々。

18(日) お昼に近い頃にロードへ。前半は家内に付き合い、後半は別れて距離を稼ぐ。終始ジョグペース。腕振りのコツを掴んで楽に進めるのが楽しい。

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5/12(月)  トレミ5(30)、スイム0.65(15)
13(火)  筋トレ(7) アクティブレスト
14(水)  ロード4(24) アクティブレスト
15(木) 休養
16(金)  ロード7(39)
17(土) 午前 トレミ10(54)、エアロ14(32)
18(日)  ロード16(100)
5/12~18(km)…S0.6、B14、R42、Re3

2025年5月12日月曜日

白根はDNS。2025.5.5~5.11

★トレーニング備忘録
5/5(祝) 旅行疲れというより前夜のアルコールが抜けずに午前中はボーッと時間を過ごす。こいうときはすべてに対して気持ちが後ろ向きになってしまうのだが鼓舞して相棒のバイクのメンテナンスの依頼に出掛けた。バイク店でみる相棒の姿は宮古島の砂やらなんやらがついており、一緒に走った記憶を想起してくれた。メンテ以外に多少の改造をお願いしたのだが、この週末に戻ってくるのが待ち遠しい。
 そして帰宅後、この週末日曜のハーフマラソンを意識しながら放水路コースをランニングする。週末は計画を立てずにツラ気持ち良い程度のペースで臨みたいものだが。

6(祝) このところずっと似たようなペースで走り続けているので、足首などいくつかに疲労の色が濃い。ケアを踏まえスロジョグ。福島潟周辺、新井郷川沿いを家内と伴走。

7(水)  終業後ジムスイム。ストレッチからインターバル泳でキリのよいところまで。肩甲骨を使った大きなフォーム、入水の手のひらの向きなどを意識した。

8(木) 終業後はジム、ブリック。エアロバイク40分、トレミ30分。手始めにこのぐらいから開始。

9(金) 休養。喉に違和感、扁桃腺か。

10(土) メンテ依頼したバイクを受け取る。DHとハンドルに30㎜スペーサーを噛ませる。宮古島の滞在の際、副キャプテン殿のバイクに跨ったときに、おっ、これは!と思ったものをさっそく採用。ピカピカになった相棒に満足。その後ジムスイム。1,000m泳の終盤はちょっと苦しかった。同レーンに入ってきた本格スイマーのプレッシャーでギリ18分切り。

11(日) 白根ハーフマラソンは体調不良にてDNS。代替としてジムでブリック練。50分バイク、30分トレミ。

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5/5(祝)  ロード12(65)
6(祝)  ロード13(88)
7(水)  スイム1.0(19)
8(木)  ブリック エアロ19(40)、トレミ6(34)
9(金) 休養
10(土)  スイム1.25(21)
11(日) 午前 ブリック エアロ24(50)、トレミ6(33)
5/5~11(km)…S2.2、B43、R37、Re1

2025年5月7日水曜日

2025.4月まとめ

 疲労回復に努めながらこれからのトレーニングについて考えている。昨年末から宮古島トライアスロン完走を大目標に掲げトレーニングを重ねていたので、無事にレースが終わって精神的抑圧から解放されて心が広い。心残りがないわけではないが、2年越しでフィニッシュできたことを素直に喜び、携わったすべての人々に感謝している。そして、今後の大会はもちろん、再び宮古島の地を踏めるように研鑽したい。ぼくに残された時間はそう多くはない。限られた時間を成りたい自分のために消費できるように努めたいものだ。

 今回の宮古島を経て直感的ではあるが、継続することが今の自分に有効であろう幾つかを挙げるたい。

 スイム。これまでのメニューに1,000m泳を加える。できれば壁キックなしが望ましい。バイクはこの冬季のメニューを引き続き取りいれる。ポイントはパワー重視しつつ速度を落とさないようすることと、平日のブリックだ。佐渡、伊是名とトライアスロンを予定しているので意欲的にこなしたい。もしかしたらロード練習よりもぼくにあっているやもしれない。もちろん上り坂は別だけれど。

 そしてラン。もうこれはスピード練習の1点。ショートやビルト走でまずはキロ5を念頭にペースアップして実践したい。レース後はもっとも意欲的になれるといううが、まったくその通りだ。以上のいくつかを取り入れてメニュー構築をしたい。

4月のトレーニング・・・Swim13.6(10)・Bike386(8)・Run153(12)・Rest.8
4/1(火)  スイム1.2(22)、エアロバイク28(58)
2(水)  スイム1.0(18)
3(木)  トレミ、エアロ28(60)
4(金)  休養
5(土)  スイム1.6(30)、トレミ10(58)
6(日) 午前 バイク62(126)
4/1~6(km)…S3.8、B118、R10、Re1

7(月)  スイム1.0(18)、トレミ7(42) 
8(火) 休養
9(水)  エアロ28(60)、トレミ10(57)
10(木)  スイム1.25(22)、トレミ7(39)
11(金)  休養
12(土) 午前 バイク65(124)、ロード12(67)
13(日) 午前 ロード25(144)
4/7~13(km)…S2.2、B93、R61、Re2

14(月)  スイム1.25(21)
15(火) 休養
16(水)  トレミ7(42)、スイム0:5(10)
17(木) 休養、宮古島へ
18(金) ロード7(42)
19(土) 午前 バイク34(70)
20(日) 宮古島トライアスロンS3.0、B123、R35 9時間6分完走
4/14~19(km)…S4.7、B157、R49、Re2

4/21(月) 休養
22(火) 休養
23(水)  スイム1.0(19)
24(木)  スイム0.8(15)
25(金)  筋トレ 休養
26(土)  ロード5(30)
27(日) 午前 ロード10(58)
4/21~27(km)…S1.8、R15、Re3

4/28(月 スイム1.1(20)、エアロバイク18.5(40)
29(祝)  筋トレ(10)、トレミ10(58)
30(水)  トレミ8(48)

GWスタート。2025.4.28~5.4

 宮古島トライアスロンから2週間が経過した。しばらく(10日ぐらい)あまり無理をせずに過ごせたので良い感じで疲労は抜けた。トレーニングへの意識を少し逸らすことでマインドリセット。佐渡やその先のフルマラソンへ向けてコツコツ積み上げたい。

★トレーニング備忘録
4/28(月) 終業後はジムでスイム。1,000m泳は18分2秒。その後インターバル泳で技術的な確認を入れてドライランドへ。お目当てのエアロバイクは満員。暫く待っていたけれど空きそうもないのでトレミで時間を潰し、空いたところへ滑り込うようにして40分走。

29(祝) 天候を考慮してジムへ。筋トレから。バーベルスクワット60kgから始めたが、屈伸のたびに右の四頭筋に結構な痛みがでるのでレップ数を調整しながらやんわり5セット。やはり久々のウェイトは辛いし、もとより宮古島のダメージが大きいようだ。続いて10kgウェイトを持ってランジを左右8rを3セット。
 次いでトレミ。ラントレの精度を上げる為に自身のLT値を把握したいのだが術がない。心拍数でゾーンニングしながら継続的にトレーニングするしかない。

30(水) 終業後ジム、トレミ。ストレッチから6分からラストちょっとだけ5分ペース。

5/1(木) 久しぶりのトレ連休。けれど帰宅後少しだけ筋トレ。腹筋ローラー10r×4s、ダンベルフライ12.5kg12r×5s。やはりやらないよりはいいかなぁぐらいの内容。

2(金) 休養。

3(土) 始発フェリーで佐渡へ。夜の宴会の前に佐和田の海岸をランニング。海をみながらのランニングは気分がいい。終盤にペースを上げると息が弾んだ。

4(日) 佐渡滞在2日目。早朝ジョグへ。風が強く気温が低い。真野方面へ向ったが八幡周辺を周回した。かつての佐渡トライのランコースをトレース。
 午前中の早い時間から16時のフェリーまで目いっぱい観光を楽しんだ。佐渡の友人らに感謝。新潟に帰宅してトライ仲間にお土産を渡しつつささやかな宴。旅の余韻が続く夜となった。

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4/28(月 スイム1.1(20)、エアロバイク18.5(40)
29(祝)  筋トレ(10)、トレミ10(58)
30(水)  トレミ8(48)
5/1(木)  筋トレ(10) アクティブレスト
2(金) 休養
3(土)  ロード10(54)
4(日)  ロード9(53)
4/28~5/4(km)…S1.1、B18、R37、Re2

2025年4月28日月曜日

超寝不足とリカバリー。2025.4.21~4.27

 宮古島から戻ってきた月曜日、階段の下りで四頭筋を気にする程度のダメージぐらいと括っていたが、その後、頻度の少なくない眩暈やアルコール耐性の著しい低下など、身体の内側の回復が必要を感じた。また木曜の夜まで熟睡できずに細切れ睡眠で寝不足が続いたことも記しておく。やはり普段やらないことは身体に負担がかかり均衡を崩すものなのだ。
 しばらくは体調変化を見逃さず、無理のないトレメニューを組み立てたい。2年越しの宮古島完走の心の余韻をトレに上手く転化して、次の佐渡をメインターゲットに据えて臨む。

★トレーニング備忘録
4/21(月) 宮古島からの撤収、帰路につく。

22(火) 日常に復帰。夕刻強い眠気に襲われる。レース前夜19日(土)の夜からここに至るまで睡眠時間が異様に短い。休養に充てる。

23(水)  終業後ジム、スイム。ストレッチから500m泳にインターバル泳でキリのよいところまで。日焼けした肌に冷水が心地よく、顎をひいてプール真下をしっかりみて泳ぐと下肢が浮き上がる感触があった。

24(木) 終業後はジム。トレミかなーとバッグを開くとシューズがない。諦めてスイムへ。ストレッチからインターバル泳。途中、宮古帰りの先輩が加わり、ぼくらの背中の日焼けをみて声を掛けずにはいられない年上のお姉さまと歓談した。

25(金) 休養。朝少しだけ筋トレ。腹筋ローラー10r×3s、ダンベルフライ12.5kg12r×3s。やらないよりはいいかなぐらいの内容。夕方はささやかな打ち上げ。

26(土) 午前はかかりつけ医、バイク屋さん、そして楽しみにとっておいた映画鑑賞で始終笑い転げたかったっのだが・・・。夕方はいつものコースでランニング。上り坂でダッシュを入れて5km。たった30分身体を動かしただけなのに疲労感大。

27(日) 朝の早い時間に前日と同コースでランニング。程よいペースで気持ちよく10km走。その後、宮古島トライ報告会と称して、普段飲まないようなお酒を頂いて泥酔する。

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4/21(月) 休養
22(火) 休養
23(水)  スイム1.0(19)
24(木)  スイム0.8(15)
25(金)  筋トレ 休養
26(土)  ロード5(30)
27(日) 午前 ロード10(58)
4/21~27(km)…S1.8、R15、Re3

2025年4月25日金曜日

第39回宮古島トライアスロン当日編③ バイクトランジションからフィニッシュまで

 バイクから降車。バイクを押しながら裸足でラックへ向かう。ボランティアの学生に自分のラックまで誘導してもらう。バイクをラックに掛けてランの支度に入る。バイクに乗っていて感じなかったが、晴れた空からの陽射しはまぶしく熱を含んでいた。
 バイク溜まりの横に設営された着替え用のテント周辺が賑わっている。ぼくはシューズを履くのにちょうど良い高さの腰を掛ける場所を見つけシューレースを結んだ。補給を入れたポーチを装着、サングラスを掛け通過チェックに向けて走り出す。上出来だった。昼前にランに入れるなんて。そしてついに、待ちに待った昨年の雪辱でもあるランパートへ突入した。高揚と期待とともにスタートした。

 時間予報通り太陽が顔をだしていた。アスファルトに出るとさらに陽射しを、熱を感じた。陽よけのネッククーラーに合わせて冷かけシートを首に巻く。実践遣いは初めてだが強いメンソール感で悪くなかった。あれ?ここで違和感。陽射しが強烈に感じ…あ、帽子を被ってないや…。昨年の佐渡や伊是名で活躍した両サイドと首に長い陽よけヒダのある帽子を被ってなかった。バイクの荷物バッグから取り出したし、靴を履くときに横にあったはずだ。被り忘れたのだ。一瞬踵を返し取りに戻ろうかともした。いやランチェックを再び戻れるのだろうか…。帽子はあの靴を履いた場所にあるのだろうか?

 これから走る距離と今のこの陽射し。ぼくは帽子を諦めてそのまま歩を進めることを選択した。


 脚が上手く出なかった。走りはじめということもあって両脚の膝上、四頭筋が強張っている。まるで丸太棒が骨盤からのびているみたいに。それにちょっとした衝撃があれば右のハムが攣りそうなワナワナとする気配もあった。遅くともいつものように走れたのなら…。ちょうど1kmのところで止まり、歩道に脚をかけて脹脛を伸ばし、膝裏の足底筋を押した。脚に不調が出たときに副キャプテンから教わったやつだ。再び走りだすが特に変化はなく脚の出しにくさは変わらない。35kmの距離がとてつもなく重く感じた。


 ひと息入れる目的もありGSのトイレを使った。回復を待つしかない。現在ランペースはキロ6分半。想定はイーブン6分15秒、調子を上げてあわよくばサブ4ペースも、なんて考えたがそれは浅墓だった。この状態ではまったく難しい。さてどう対応しよう。

 陽射しは容赦なく降り注ぐ。後方から、抜かれることはあっても抜くことはなかった。エイドもしばらくはない。自問自答を繰り返す孤独な時間が始まった。


 7km過ぎ脚を止める。吐き気がしてムカムカしたので、道の端っこに寄って胃に溜まった水分を吐き出した。2つ目の冷かけシートに手を掛ける。残りはひとつ。顔はもちろん、身体の熱が冷めない。このままだと熱中症、最悪途中で意識を失ってしまうかもしれない。ネガ思考に絡め取られる。昨晩殆ど眠れていないことも弱気にさせた。うつむき歩きながら残りの距離と制限時間を勘案する。それはもう何度も何度も・・・。とにかく完走する。完走したい。昨年の轍はゼッタイに踏まない。なんとしても競技場へ戻るのだ・・・。


 自分史上、最も歩いたランパートだろう。辛くなったら歩くを繰り返した。ちょっと走っては止まり歩く。走っては歩く。上りは無理はしない、下りは走ろう。とにかく少しでも楽をして進んだ。

 熱中症対策をおこなった。確実なのは氷を持つこと。持ち歩けるようにエイドでビニール手袋をもらい氷嚢とし、道に落ちていた袋を拾った。見つけたときに奇跡だと思って飛びついた。それらを左右に持ち替えながら体温を冷ました。

 走っては止まるを繰り返しながら、歩き通しても制限時間内にはゴール可能かを常に計算した。


 城辺(ぐすくべ)の折り返しまでくると随分と身体が楽になった。さらにこの頃から陽が雲に隠れることもあった。気温のピークを過ぎたようだ。走っては歩くを繰り返す。ペースは上がらなかったけれど、走破予想した16時頃のフィニッシュが可能であることに気がついた。

 今回の走破タイム予測は9時間6分。スイム、バイクで十分過ぎる余裕ができていた。ギリ予測に届くかもしれない。

 ーすごいことを成そうとしているんだよ。家内のひとことが脳裏を掠める。宮古島トライアスロン完走は一般的にはすごいと言われる挑戦。

 2019年平成最後の宮古島に初めて参加して完走した。当時は今よりも距離が長い。6年前、49歳のときの誇らしい出来事でありトライアスロンにはまる分岐点だった。

 心に火が灯った。歩は早くなくていい、ときに止まってもいい。まずは目標を目指そう。54歳になった今の力を、ここに至るまでの成果を発揮しよう。


 25kmに到達、あと10km。商業施設が建ち並ぶ街中に入る。走っては歩くを繰り返すのは変わらないが、走る時間が確実に長くなった。ぼくへの声援も聞こえた。ゼッケンから名前を調べて名前で声援を送ってくれる。突如名を呼ばれたものだからつい振り向いてしまうし、性格上、何か物を申さねばと、とにかく「ありがとう」を繰り返した。


 空は完全な鉛色だった。氷嚢は必要ないくらいの気温になった。随所にある私設エイドありがたい、氷をほおばり、塩や果物を口にした。


 空港付近から新しい市役所、そして公設市場までの道のりが長かった。ありがたいのか良くわからない雨降るシャワーランになった。暑くなるよりはいいに決まっているけど。

 宿泊するゲストハウスのそばを通過、残り3km。もう全然大したことのないのに途方もなく感じた。

 わずかな上りで足が止まった。これを最後に立ち止まるのをやめよう。そう決めたはずまたが止まってしまう。走り出す。ペースは上がらずとも良い。とにかく止まらない。


 ゴールの陸上競技場の入り口までは緩い上り坂だ。レースを終えバイク回収し帰路に着く競技者と目が合い、ナイスランと声を掛けられた。励みになった。あともう少しでぼくも・・・。


 門をくぐり競技場のトラックに脚を踏み入れると万感込み上げてくるものがあった。左手のフィニッシュゲートを横目で確かめる。案外長いな。コーナリングで加速。一歩ずつ近づいていく。ぼくのゼッケンナンバーと名前がアナウンスされる。さぁラストスパートだ。ゲートの時計はちょうど目標時間を表示している。間に合う。スピードを上げる。まだこんな力が残っていたのか、そう思ったとき、横からぼくの名を呼び掛けて寄る3名が。なんと!チームテチ、スーパーサポーターズ3人との同伴ゴールじゃないか!

 ぼくは彼らを背にフィニッシュゲートに飛び込んだ。9時間5分53秒。昨年の雪辱は果たした。

(まだつづくかも)